2011年に選抜
根重は在来品種と比べて約 2 倍となったことから,生産栽 培に適するものと考えられた.本系統は「厚労 Glu‐0010 」と
して現在品種登録出願中である.
【まとめ】
生産者圃場で試験栽培を開始
栄養繁殖 種子繁殖
苗作成・収穫 にかかる労力
大 少
環境適応性
低 高
収量と品質
高
の安定性低
将来的には種子繁殖が望ましいが,現状では 栄養繁殖が現実的.そのためには効率的な
苗増殖方法の確立が不可欠.
No.10 自殖第一代栄養繁殖と種子繁殖について
受粉について
人工受粉 結莢率80%
結莢率( % )=莢数/小花数 × 100
人工受粉無し結莢率
3
%昆虫の媒介により受粉が行われる
北海道名寄市におけるカンゾウ開花期間中
(6月下旬~7月上旬)の降水量
降水量と受粉の関係
2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 0
20 40 60 80 100 120 140
年次
6月下旬~7月上旬の降水量(mm)
種子豊作年
多雨年には訪花昆虫の活動
低下により,結莢率が低下す
ると考えられる
● 収穫機の改良
● 除草の軽労化
● 病虫害の対策
● 栽培環境の最適化
・栽培適地の検索
・環境の制御
● 加工・調製法の検討
● 栄養繁殖による効率的な種苗生産
● 種子繁殖を可能とする品種の育成
国内栽培化へ向けた課題
苗作成 圃場準備 定植 1 年目 5 月上旬 ~
ストロン苗
栽植密度:株間
20~30cm
× 畝間60cm
=5,000~8,000
株/10a
圃場準備:排水性の改善のために,プラソイラー,サブソイラー,トレン チャーのいずれかが施工されており、高畝栽培が望ましい.基施:炭酸カルシウム
100kg/10a
,N
,P
,K
各8kg/10a
を施用し,ロータリー などで撹拌・整地する.カンゾウの栽培体系について
(北海道の事例)
ストロン苗の定植について(通常)
湿った赤玉土等 に埋設し,温室や ビニルハス等で
催芽する. 緑化部位を地上に出し,
畝に平行,深さ5cmに定植.
芽が白い部位は 土中へ埋める.
理想
実際
ストロンを5~10cmに切断 ストロンを10~20cmに切断
ポテトプランター等 で機械移植
生育期間中の管理について
1~3 年目 萌芽 除草
( 5 月上旬)
栽培2年目の追肥:
5
月下旬に,炭酸カルシウム100kg/10a
,N
,P
,K
各10kg/10a
を畝間に施用.栽培3年目の追肥:
5
月下旬に,炭酸カルシウム100kg/10a
,N
,P
,K
各12kg/10a
を畝間に施用.追肥
( 5 月下旬)
調製・洗浄 乾燥 3 年目秋または 4 年目春・夏
収穫
収穫,洗浄および乾燥
デガー等で 機械収穫
根
ストロン
根とストロン に分ける
翌年の苗とする 洗浄
ウラルカンゾウの生態的特徴
● 過湿を嫌い、水はけの良い 土壌を好む
● 生育は温度に強く依存
● 光競合に弱い
● 萌芽期が遅い
ウラルカンゾウ栽培上の注意点
● 地下水位が低く、水はけの良い圃場 を選定する。また、心土破砕や高畝等の 排水対策を行う。
● 特に生育初期の雑草対策を徹底する
謝辞
本研究は下記の方々のご協力の下で遂行されたものである.
【研究全般のご指導,ご協力】
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 薬用植物資源研究センター 川原 信夫 センター長
菱田 敦之 北海道研究部研究リーダー
柴田 敏郎 客員研究員(前北海道研究部研究リーダー)
北海道研究部職員の皆様
【共同研究者】
ウラルカンゾウの品種育成
高上馬希重 准教授(北海道医療大学薬学部)
山本 豊 博士((株)栃本天海堂 ) 薬用植物の新規機械収穫方法の開発
村上 則幸 水田機械作業グループ長((国研)農研機構 北海道農業研究センター)
ウラルカンゾウの栽培適地の検索
井上 聡 上級研究員( (国研)農研機構 北海道農業研究センター)
また,本研究の一部は厚生労働科学研究費補助金「H22‐創薬総合‐指定‐015:優良形質を持っ た薬用植物新品種の育成及びそれら種苗の安定供給体制構築のための保存,増殖に関する 基盤的研究」および「H25‐創薬‐一般‐003:薬用植物,生薬の持続的生産を目指した新品種育 成および新規栽培技術の開発並びにこれらの技術移転の基盤構築に関する研究」の助成を受 けて遂行された.
ここに深く感謝の意を表します.