実 際 に自 宅 を賃 貸 化 する際 に活 用 が考 えられる賃 貸 借 契 約 の形 態 は、大 きく次 の3類 型 に分 けることができるが、A,Bタイプが主 として一 定 水 準 以 上 の賃 料 を得 ら れるような都 市 部 において、住 み替 えのために自 宅 を賃 貸 化 するような場 合 の活 用 が想定される形式であり、Cタイプは、主として賃料水準の高くない地方部において、
貸主が修繕等の負担を負わずに空き家を活用し、借主が自費で模様替え等を実 施 するような場合が想定される。
(1)Aタイプ(賃貸一般型)
貸 主 が自 己 の負 担 で入 居 前 に清 掃 や必 要 な修 繕 、設 備 更 新 を行 い、基 本 的 に 近隣の市場相場並みの家賃収入を得ることを想定する契約形態で、入居期間中に 必要となった修繕は、貸主の負 担で実施する(電球交換など小修繕については、特 約で修繕義務を免除する場合がある)。
借 主 が、壁 紙 や床 の張 り替 えなどの模 様 替 えを行 うことは原 則 禁 止 し、借 主 の造 作買取請求は認めない。
退 去 時 の原 状 回 復 は、通 常 損 耗 や経 年 劣 化 を除 き、原 則 として借 主 の義 務 とな るが、紛争が生じた場 合は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(以下、「原状回 復ガイドライン」という。)」等に基づいて判断されることになる。
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(2)Bタイプ(事業者借上げ型)
主 として、所 有 者 の転 勤 引 越 し時 や住 み替 え時 の自 宅 活 用 など、賃 料 水 準 の高 い都市部での活用が想定される場合で、基本的な契約形態はAタイプと同様である が、事業者の関与の度合いにより、次の二種類に分けられる。
・不 動 産 事 業 者 が、所 有 者 から管 理 業 務 と契 約 代 行 業 務 を受 託 し、物 件 紹 介 や入 居審査、入退去手続きを実施(仲介手数料のほか、家賃に応じた一定の管理報酬 を受領)
・不 動 産 事 業 者 が、所 有 者 から住 宅 を自 ら借 り上 げ、貸 主 の立 場 で借 主 に転 貸 (サ ブリース)を実 施 (借 上 げ賃 料 の一 定 割 合 や家 賃 保 証 をする場 合 の保 証 手 数 料 を 所有者から受領)
貸 主 が自 己 の負 担 で入 居 前 に清 掃 や必 要 な修 繕 、設 備 更 新 を行 い、基 本 的 に 近隣の市場相場並みの家賃収入を得ることを想定する契約形態で、入居期間中に 必要となった修繕は、貸主の負 担で実施する(電球交換など小修繕については、特 約で修繕義務を免除する場合がある)。
老朽化の状況によっては、修繕やリフォーム費用が多額になる可能性もあるため、
一 部 金 融 機 関 が提 供 している賃 料 債 権 担 保 ローンなどを活 用 して貸 主 が予 め修 繕 等を行うことも、貸主の持出しを抑えて事業化を支援する方策として有効である。
借 主 が、壁 紙 や床 の張 り替 えなどの模 様 替 えを行 うことは原 則 禁 止 し、借 主 の造 作買取請求は原則として認めないため、入居中に借主が自費で新たにエアコン等を 取り付けた場合は、退去時に撤去する必要がある。
ただし、造作により明 らかに客観的な価値が増加し、貸 主が将来自分で居住する 場合等、残置することが貸主の利益にもなると考えられる場合は、事業者と調整の上、
双方の合意で残置も認める(残置する場合は、無償を原則とする)。
退 去 時 の原 状 回 復 は、通 常 損 耗 や経 年 劣 化 を除 き、原 則 として借 主 の義 務 とな るが、紛 争 が生 じた場 合 は原 状 回 復 ガイドライン等 に基 づいて判 断 されることにな る。
(3)Cタイプ(借主負担DIY型)
主 として、地 方 部 の空 き家 等 を活 用 する際 、貸 主 が原 則 として修 繕 義 務 を負 わな い代わりに低廉な賃料とし、借主が自費で修繕や模様替え等をする形態で、当該箇 所について退去時の原状回復義務を免除する。
(DIYは do it yourself の略 語で、一 般 的には、専 門業 者に頼らず自らの手で補 修 や組み立て、
日 曜 大 工 等 を行 うこととされているが、本 ガイドラインでは、借 主 が業 者 に発 注 して好 みの設 備 更新や模 様 替えを実 施することも含めている。)
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借主負担DIY型の契約は、従来の賃貸住宅市場においては、あまり見られなかっ た契約形態であるが、貸主、借 主ともに相当の潜 在的ニーズがあることが確 認され、
具体的には双方に以下のようなメリットがあることが考えられる。
○所有者(貸主)のメリット
・自 らの費 用 持 出 しなしで、業 者 発 注 や施 工 確 認 の手 間 をかけることなく、現 状 そ のままの状態で貸すことが可能となる。
・借主が自費でDIY等を行うことから、長期間居住を希望することが予想され、安定 した賃料収入(又は借主が買い取る場合の売却益)を得ることが期待できる。
・退 去 後 、設 備 や内 装 等 の価 値 が上 がった状 態 の住 宅 として戻 るため、次 に賃 貸 化して入居募集する際に有利に働き、家賃を高く設定できる可能性がある。
○利用者(借主)のメリット
・自 分の好みの設備を入れ替え、模 様替えをすることができるため、持ち家と同じよ うな感覚で居住することが可能となる。
・修繕やDIYの費用を加味する分、賃料を近隣相場よりも安くすることができる。
・自 らが修 繕 する場 合 、施 工 方 法 や材 料 の選 択 、リフォーム業 者 等 との交 渉 でコス トを引き下げることが可能となる。
・DIY実施箇所は原状回復義務が免除されるので、追加的な費用が発生せず、退 去時のトラブルを避けられる。
等 のこれまでの賃 貸 住 宅 事 業 には見 られなかったメリットが多 く考 えられ、貸 主 と借 主の間に新たなウィンウィンの安定的賃貸関係を築くことが可能となる。
ただし、DIY型の契約を活用する際は、後の紛争発生を防ぐため、事前の説明や 確認、双方の合意事項が必要となることから、円滑な契約手続きを行うために、専門 性を有する不動産事業者や地方公共団体が適切な助言や支援をして、取引のサポ ートをすることが求められる。
Cタイプは、現 状 の設 備 故 障 や要 修 繕 具 合 の状 況 により、以 下 のように二 通 りに 分類することができる。
なお、貸主(所有者)は、瑕疵担保責任や工作物の設置・保存に関する責任を負 うことから、建物の安全性の確保について十分留意することが必要である。
(著 しく老 朽 化 し安 全 性 に懸 念 のある住 宅 や、修 繕 に多 額 の費 用 がかかると見 込 まれる住 宅 につい ては、解 体 ・除 却 することが現 実 的 な選 択 肢 となる場 合 もある。)
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【C-1 DIY(現状有姿)】
設 備 や内 装 が相 当 老 朽 化 しており、通 常 の賃 貸 事 業 では更 新 が必 要 と判 断 され るが、故 障 や不 具 合 はなく、そのままの状 態 で通 常 の生 活 を営 むことは可 能 な物 件 が対象となる。
契 約 前 に、入 居 中 に起 こりうる修 繕 箇 所 や修 繕 費 用 の目 安 について必 要 な判 断 の目 安 となる項 目 を賃 貸 借 ガイドライン別 紙として整 理 したので、貸 主 や不 動 産 事 業 者 等 がこのような書 面 を活 用 して借 主 に予 め説 明 し、共 通 の認 識 を持 つことが必 要となる。
入居中に修繕箇所が発生した場合、貸主は修繕義務を負わないこととするが、そ の場合の対応は、借主の修繕義務の有無によって以下の二通りに分かれる。
①借 主 が当 該 箇 所 の修 繕 義 務 を負 うこととする場 合 、借 主 の費 用 負 担 の上 限 や分 担 割 合 について予 め説 明 し、修 繕 箇 所 の確 認 や通 知 方 法 について双 方 が合 意 する(ただし、躯体や雨漏り等の住宅の根幹部分は貸主の修繕義務)。
②借 主も当該箇所の修繕義務を負わないこととする場合、借主は、修繕箇所をその ままにしておくか(不 便 な状 態 のまま居 住 を続 ける)、又 は、自 費 で修 繕 するかに ついて、自 らが選 択 できることになるが、修 繕 箇 所 の確 認 や通 知 方 法 について双 方が合意する(ただし、躯体や雨漏り等の住宅の根幹部分は貸主の修繕義務)。
○賃料設定
この方式による場合、後のトラブルの発生を防ぐために、契約前に、老朽化し修繕 が予 想 される箇 所 や修 繕 費 用 の目 安 について借 主 が理 解 した上 で、設 定 賃 料 と契 約期間、予想修繕費用とのバランスが保たれることに留意する必要がある。
○DIYの取扱い
借主が自費で壁紙や床を張り替える、水回り関係のリフォームを行う等のDIYを原 則として認め、実施箇所の確認や通知方法等について双方が予め合意する。ただし、
DIY費用の請求は認めないこととする。DIYを実施した箇所の原状回復義務は免除 するため、退去時の借主の負担は発生しない。
なお、DIY実 施 箇 所 以 外 の原 状 回 復 については、通 常 損 耗 や経 年 劣 化 を除 き、
原則として借主の義務となるが、紛争が生じた場合は原状回復ガイドライン等に基づ いて判断されることになる。
○造作の取扱い
借 主 が入 居 中 に行 った造 作 の買 取 請 求 は認 めない。造 作 物 は退 去 時 に借 主 が 撤去し、撤去後の周辺設備や養生について確認する必要がある。ただし、借主が自 費で新たにエアコンを取り付けた等、残置することが貸主の利 益にもなる場 合は、双 方の合意で残置も認める(残置する場合は、無償を原則とする)。