5.1 運転・保守体制
5.2.2 保守体制における推奨
5.1.2 章の保守体制で述べたように、プラントを安全に操業するためには、設備、機器の
状態を把握し健全な状態に維持することが必要であり、そのためには、効率的で有効なメン テナンスシステムを構築することが重要である。
(1) PDCA手法の導入
予防保全、すなわち計画的なメンテナンスを実施するための手法として、PDCAを取り 入れることをすすめる。PDCAサイクルは、
(i) Plan (保全計画立案)
メンテナンス計画立案
(ii) Do (メンテナンス作業の実施)
点検・修理作業の実施
(iii) Check (メンテナンス結果の分析・評価とメンテナンス履歴の管理)
メンテナンス結果の分析・評価とメンテナンス履歴の管理
(iv) Action(対策と改善の実施)
メンテナンス結果を見直し対策と改善の実施
以上の4要素で構成され、事後保全的な対応ではなく予防保全の概念を導入してPDCA サイクルを実行することで重要ある。
また資産パーフォーマンス管理 (Asset Performance Management、APM)の手法によ ってPDCAサイクルをより効率的かつ効果的に運用することができる。
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図 5-1 事後保全から予防保全の概念導入に向けたPDCAサイクル実施
(出典:当社作成)
(2) 点検並びにオペレーションで得た現場の状態・状況のデータ化
日頃の点検、オペレーションで得た現場の状態・状況をデータ化することが望ましい。
センサーや画像・音声などの認識技術を十分に活用し、設備の状況・作業内容などを データ化してデータが異常を示した時、直ちに設備を点検した上で、必要な処置を行う。
更には、メンテナンス結果の分析と評価並びにメンテナンス履歴管理もデータ化して 体系的に記録し、デジタル化することにより、メンテナンス作業を効率的、効果的に実 施し、人手不足に対処することが可能である。
(3) 資機材の保管と在庫管理 (i) 資機材の保管
予備の機器/部品、バルクマテリアル、消耗品などは倉庫にて適切に保管され、倉 庫での保管が難しい予備の配管や圧力容器は、陸上の FOD 近くのストックヤード
(屋根があると望ましい)において保管されなければならない。
配管材は、パイプラインの両端と容器の開口部などは内部腐食を防ぐためと内部
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に予期しない侵入物を防ぐため両端はキャップにて密封して保管されなければなら ない。また保管する際には、腐食対策としてネジやその他の部品にグリースなどを 塗布することが求められる。
(ii) 資機材の在庫管理
メーカー推奨の予備品や長納期部品を含めて、適正に機器、予備品並びに消耗品 の在庫を管理するための在庫管理システムを構築することが必要である。
適正な在庫管理により、在庫切れを未然に防止することがで、仮に故障が発生し ても長時間のシャットダウンを避けることができる。部品、消耗品などの重複保持 を減らすことも可能となる。
この 種のアクテ ィビティは 、コンピュ ータ化され た設備保全 管理システ ム
(Computerized Maintenance Management System、CMMS)などのデジタル化された システムと、さらに予防保全機能のためのメンテナンスアクティビティによってサ ポートされる。この説明については6.1章で詳しく説明する。
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イラク原油出荷設備のマスタープラン構築
BOCにより操業・管理される原油生産・出荷設備は、イラク国家収入の9割を占める原油輸 出の大部分を担う重要設備であると共に、世界的なエネルギーの安定供給という観点からも 重要で、これらの設備に対して、適切な修復と老朽化対策を実施し、安全性・安定性を確保 する必要がある。特にABOTは、新規海底パイプライン(シーライン No.4 & 5)が接続され る予定だが、ABOT自体が1970年代に建設され老朽化しており、設備の余寿命を診断して必要 な改修と補強を実施する必要がある。以前の検査では、部分的な改修と外部表面検査のみが 行われたが、水中部の検査は十分に行われていない。また、老朽化対策のみならず、デジタ ル技術を導入するなどの設備近代化を行い、より高効率な操業・保全活動を出来るよう改善 すると共に、海洋での操業における代替電源として再生可能エネルギーを導入することも将 来の検証対象とすることを推奨する。
図 6-1に、本事業を通じて当社が提案する原油海洋出荷システムのマスタープラン全体像
を示す。
図 6-1 原油海洋出荷システムのマスタープラン全体像
(出典:当社作成)
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図 6-2 海洋原油出荷システムの開発概要
(出典:当社作成)
図 6-2は、海洋原油出荷設備の開発概要を示しているが、新規海底パイプライン
設置は現在進行中であり、ABOTの改修・近代化は今後期待される当社提案として含 めている。これらの計画・設計において、本事業では整合性を持つ統合的なマスタ ープランを作成し、今後の海洋設備開発に向けて提案する。
図6-3は、当社が提案するマスタープランを実行するロードマップを示してお り、各項目について6.1以降にて説明する。
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図 6-3 原油海洋出荷システム再開発に向けたロードマップ
(出典:当社作成)