高温で高い防除効果が期待できるが,反面200C以下では期待できない.した がって,西日本の施設圃場では,平均気温20から 2S0Cを目安として,秋の後 半から春にかけた低温季にはD. isaea (土着系統)を,高温季には高温耐性 の高いNformosa (産雌単為生殖系統)を使い分けるのが最適と思われた.
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第4章 ハ モ グ リ ミ ド リ ヒ メ コ パ チ の 大 量 増 殖 法 の 確 立
第 1節 は じ め に
第3章においてわが国のハモグリバエ類の優勢な寄生蜂群で、あるヒメコバチ 科から,温度特性と生物的防除効率 (BCE)に基づいてイサエアヒメコパチD.
isaeaとハモグリミドリヒメコバチ N.formosaの2種をマメハモグリバエ(本章 において以後ハエと表記)に対する有望な生物的防除資材として選抜した.
寄生蜂を生物的防除資材として商品化するためには,効率の高いそして低コ ストな寄生蜂の大量生産工程の確立が必要である.わが国の高い人件費を考慮 すると,全作業工程の中でも最も人件費を要すると考えられる寄主および寄生 蜂の増殖工程の省力化・効率化が求められる.さらに,剤型,梱包,保蔵方法 といった品質管理についても検討が必要である.そこで,本章で、はまずノ¥エの 生物的防除資材として ハモグリミドリヒメコバチ産雌単為生殖系統(本章に おいて以後ノ¥チと表記)を採用することとし,その効率的な大量増殖工程を設 計した.ついで作業の省力化・効率化のための大量増殖装置の試作とその性能 評価,さらに剤型,梱包,保蔵について検討した.ところで,ハエおよびハチ ともに,寄主植物 1株あたり可能な限り多くの個体を生産することが求められ るが,ハエが寄主植物に過剰産卵すると,過密の弊害が生じてハエ幼虫の発育 不良や死亡率上昇を招き,さらには寄主植物の枯死を招く.また,ハチ成虫の 過剰放飼は寄生蜂の寄主体液摂取による寄主死亡率を高め,その結果寄生効率 の低下を招く(大野ら 1999).そこで本研究では,寄主植物 l株あたりのハエ
とハチの最適放飼密度を実験的に検討した.
第 2節 実 験 の 準 備
大量生産工程設計の概要
図6に本研究で設計したハエおよびハチの大量生産工程の概略を示した.
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に提案する大量増殖工程は,寄主植物栽培,ハエ生産,ハチ生産およびハチの 梱包・保蔵の4工程からなる.このうち,ハチの増殖は,はじめの3工程を経 る必要がある.生産コストを抑えつつ天敵の安定供給を行うためには,第 1に 生物的防除資材として性能が高く,かっ生産効率が高い寄生蜂種の選抜,第2 に栽培容易な寄主植物と増殖容易な寄主種の選定 (Finneyand Fisher, 1964),第 3に寄主および寄生蜂の生理,生態的特性を考慮した各作業工程における各種 装置の作成とその稼動時間の設定などが必要である.本研究では,候補寄生蜂 種として,温度特性を加味した基準である生物的防除効率 (BCE) によって選 抜したイサエアヒメコバチとハモグリミドリヒメコパチのうち,増殖および管 理が容易な寄生蜂ノ¥モグリミドリヒメコバチの共生微生物恥lbachiαに感染さ れた (Stouthamerand Luck, 1993)産雌単為生殖系統 (Hondoet a ,.l2006) を採 用した.本系統は,鹿児島県農業試験場の好意により入手した.
一般的に天敵生産における大幅なコスト低減と省力化のために代替寄主・人 工飼料の利用が求められるが (Stinner,1977),ハエ寄生蜂に関しては有望な人 工飼料は未開発であること,また代替寄主の使用によって寄主選好性に影響を 与える危険性があることから (Morisonand King, 1977) ,寄主としてハエ幼虫を 用い,寄主植物としてはインゲンマメ (Phaseolusvulgaris L.)の十分に展開し た初生葉を採用した.インゲンマメは他種寄主植物と比べて寄主幼虫の発育が 速く,繁殖能力も高いなど(西東ら, 1995a;小津ら, 1999a)食草として優れ ており,さらに栽培が容易で, 20oC""'‑'250C下の温室では初生葉が実験に必要な 大きさに成育するまでに播種後 10日から 2週間程度と短し、(西東, 1993;1997a;
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ハチの生物的防除効率 (BCE) は250Cで最も高く (Hondoet a ,.l2006) ,ハエ の増殖能力も 250Cが最も高かった(小津, 1999). これらの理由から,大量増 殖工程の温度を 250Cに設定した.
ハエ幼虫は, 250C下でインゲンマメを寄主植物として飼育すると,卵期間は 3.1土0.2日 (mean土SD 以下同様),幼虫期間は4.0土0.2日で,産卵後平均7.1日
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寄主植物 生産工程
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ハエ生産工程l
ハチ生産工程 E 梱包・保蔵工程ハチ母虫回収