結果
,7名
の うち6名
の被験者 は,「使用前 と比較 し,使
用後 は概念マ ップ作成 の困 難 さが軽減 した」と回答 してお り,具
体的には 「キー ワー ドのつなが りが少 し整理でき ていたか らマ ップに しやす かつた」「本文 よ りも抽 出 した関係一覧 を見てマ ップを作成した」 と
,シ
ステムに沿つて文章 を理解,整
理す ることで,概
念マ ップ作成 の困難 さを 軽減す ることが伺 えた。また
,概
念マ ップ作成 において心がけた点 について も,シ
ステム使用前 は「分か りや す く作 りたい」 と抽象的であつた り,「 キー ワー ドだ と思わない ものは重要視せず,キ
ー ワー ドと思 うものをつながつてい くよ うに書いた」と"キー ワー ド"に強 く着 目してい た りしていたのに対 し
,使
用後では「言葉 同士 をつ な ぐ関係性が大事だ と思 つた」と具 体的にな り,「関係 をあ らわす言葉 のチ ョイスで理解度 が変わ りそ う」な ど,"関係"に着日して取 り組んでい ることが確認 された。
加 えて,「キー ワー ド
,関
係,関
連語 ごとに整理す ることができた」,「 キー ワー ド同 士の関連性 に着 日できるので漠然 とせず理解 しやす かった。」とした うえで,「概念マ ッ プを作成す る際に よ り深 く文章を理解 できた」 と回答 してい ることか ら,"関
係"に着 目 す ることは,概
念 を整理す る際に有効である可能性 が示唆 された。一方,「 日頃か らこの よ うな手法で文章読解 を してい るためマ ップには変化 がなかつ た」「概念マ ップ 自体 は大 きな変化 はない よ うに感 じた」 とい う回答 も見受 け られ た。
また
,実
際に完成 したマ ップを比較 して明確 な差異が確認 できた ものは少数 であった. そのため,着
目した"関係"を含 め概念マ ップ上 に表現す る手法の確 立が必要である点が 示唆 された。53
6.ま とめ と今後の課題
6.1.本 研究のまとめ
本論文では
,概
念マ ップ作成 スキル獲得 を志 向 したシステムの設計過程 について述 べ た。第
2章
では概念マ ップ作成 における問題点や困難 さを明 らかにす るため,教
員免許 を有す る被験者 を対象 に,概
念理解 に困難 さがある生徒 を支援す るとい う想 定の も と,文
章か ら概念マ ップ支援 システム作成 システム設計 のための方 向性や 目的を検証 す る 目的で予備実験 を行 つた。調査結果か ら,教
職経験の多寡 に関わ らず,概
念マ ッ プ作成は容易ではな く,単
語間の関係表記,単
語 間の接続,特
に,カ
テ ゴ リ分類 では な く異なる概念間での単語 間の関係 を表現す ることに困難 さがあることが明 らか とな った。第
3章
では,予
備実験か ら単語間の関係 を意識 させ ることで,概
念マ ップ作成 スキ ル 向上の支援 につながる とい う仮説 の もと,シ
ステムの設計 を4期
に分 けて行 つた. 第1期
ではキー ワー ドに対 し属性 を与 えるシステムを作成 したが,情
報 を整理す るの に不十分であ り,キ
ー ワー ド抽 出が直感 的に難 しい ことが課題 となつた。第2期
ではcabochaを
用いて入力処理 を 自動化す ることを試みたが,自
動化 によ りかえつて教員 が着 目す る点が不明瞭にな り,キ
ー ワー ド抽 出をす ること自体が,概
念マ ップ作成 に 意義のあるステ ップであることが示唆 された。これ らを踏 まえ第3期
では入カイ ンターフェイスに質問形式 を用い るとともに
,"キ
ー ワー ド"、 "関連語'の抽 出の際に"関係"を 教員 自身が入力す るステ ップを用意 した。この第3期
のシステムを元 に,入
力 された"関係"を 関係 ノー ド
"と
してマ ップ画面に表示 し,こ
れ を移動,整
理す るこ とで より"関係"に着 目させ ることを意図 し
,第 4期
のシステムを作成 した。この第4期
のシス テムを本研究では検証 に用いた。第
4章
において,第 3章
において最終的に作成 した第4期
のシステムの概要 とし て,使
用方法 を実際の手順 に沿つて述べた。第
5章
では被験者 にシステムを利用 させ る前後で,同
様 の概念マ ップを作成 させ,その結果 を比較す る評価実験 を行 つた
.結
果 か らはシステムを使用す ることで よ り説 明文 を理解・整理でき,概
念マ ップ作成 の困難 さが軽減す ることが示唆 された。 これ は,関
係 に着 目す ることが,概
念マ ップの作成 の困難 さを支援す るとい うね らい とと もに,説
明文の理解,整
理 に対 して も大 き く貢献 した と考 え られ る。6.2.今 後の課題
本論文では概念マ ップ作成 スキル の向上 について着 眼 して研 究を進 め,作成 したシス テ ムを用いることで概念マ ップ作成 スキル に変化があることを論 じたが,そ れ ら概念マ
ップ 自体の評価方法 については確 立 しないままであった.
す なわち
,本
システムを用いた教員 によつて作成 された概念マ ップが,文
章か らの概 念理解 を困難 とす る児童生徒 に対 して どの よ うな効果 を与 えるか とい う点において,今 後検証す る必要がある とともに,第 1章
で述べた,教
員 に よる合理的配慮の範 囲で,本
システムを利用す ることが教員 に とっての負担 を軽減す るものであるか ど うかの検証 も不十分である。そのためには
,対
象 となる児童・生徒 を設定 し,そ
のモデル に沿つて 実際の教員が本 システムを使用す るな どす ることで,実際の授業 において効果 的な補助 教材作成 の支援 となるか,
とい う評価 も踏 まえて検証が必要である。また
,本
システムには,抽
出 したキー ワー ド,関
連語,関
係 をもとに,概
念マ ップ様 式 の図 としてファイル を保存す る機能 も有 してい るが,こ
れについて も今後,検
証 を し てい く必要がある。さらに,本
論文ではもとのなる文章 を説 明文 に限定 してい る。教科 教育 にお ける他 の さま ざまな文章において,本システ ムは どの よ うな利用価値 があるか についての検証 も今後の課題 となつた。55
謝 辞
2013年
初秋,小
川先生か ら声 をかけて頂いた 日が昨 日の様 に思い出 されます。漠然 と子供 たちへ対す る思いばか りが空回 りを し,毎日をこなす ことに精一杯 になっていた 私 に,「り│1田君 の子供 たちに対す る接 し方や,感
覚は間違 つてはいない。 しか し感覚だ けでは,そ
の思いを具体的な関わ りに生かす ことも,誰
か に伝 えることもできない。も しも君 に今以上 に,そ
の感覚 を具現化す るための論理性 があれ ば,きつ と君が今感 じて い るもどか しさが,大
き く晴れ る 日が来 ると思 うよ.」 と,大
学院進学 とい う道 を提案して くだ さいま した.
大学院での
2年
間,そ
の言葉 が常に頭の中心にあ り,自
分 自身の研究はもちろん,先
生方や先輩や後輩 と研究のお話 をす る中で,自分 自身の考 えや意見を言語化 した り
,頂
いたア ドバイスを反勿 した りす る上での礎 として,そ の言葉 に立ち返 ることが多 くあ り ま した。
森広浩一郎先生には
,研
究 に対す る思いが先走 りそ うになつた ときに,具
体的には ど ういつた場面 を想定す るのか,そ
のためには どのよ うな手立てが必要 なのか,そ
れが実 現可能 なのか,と
いった,研
究者 としての観点の基礎 を見つ めなおす とともに,ご
助言 を多 く頂 きま した。長瀬久明先生には,研
究に対す る手法や 見通 しを含 めた ご助言 を頂 きま した。掛り│1淳一先生には,他
分野で見 られ るアプ ローチの方法や先行研 究論文のご 紹介 を頂 き,研
究における道標 と多様 な観′点を多 くご提供 いただきま した。そ してそれ が,ゼ
ミや発表会 といつた公 的な場面 に限 らず,情
報処理セ ンターの ロビーや,偶
然お 会い した休憩所 な ど,あ
らゆる場面で気 さくにお声かけ頂 いた ことも数 え切れず,そ
のよ うに気 にかけていただいてい ることに,どれ ほ ど温か く前 向きな気持 ち となった こと で しょ う。 この場 を借 りて
,深
く感謝 と敬意 を表 します.そんな私の大学院生活において
,時
に陽 とな り叱咤激励 を頂 き,時
に陰 とな リシステ ム設計 に多大なるご助力 を頂 きなが ら,不
慣れ な研究 と向き合 う私 を,公
私共 に,厳
しくも温か く
,そ
していつ も真剣 にご丁寧 に ご指導 ご助言いただいた こと,大
学院での生 活のきつかけ となった,あ
の 日,や
さ しく声 をかけて くだ さつた ことに対す る,小川修史先生への感謝 は
,私
の稚拙 な筆舌には尽 くしがたい ものがあ ります.こ
の様 な 素晴 らしい時間 と経験 をさせ て頂いた こと,こ
の上な く感謝いた します。本 当にあ りがとうございま した。
研 究室は
10人
を超 える大所帯で したが,院
生同士での,同
じ研究室 とい う場であ り なが ら,休
憩 中 と研 究に関す る話 をす る場面 とで,そ
れぞれ の表情がガ ラ リと変わ り,に とってかけがえのない宝物 とな りま した。公私 を共 にす ご した多 くの時間を思い返す だけで
,こ
の2年
間がいかに充実 した時間であつたかを強 く感 じることができます.ま た,学
部生の皆 さんには,大
学院 と学部 とい う垣根 を越 え,さ
ま ざまな場面で研究室で の生活 を共有できた ことで,フ レッシュな観点な らではの新たな気づ きも多 くあ りま し た。皆 さんのおかげで とて も研 究室が充実 して,楽
しい場所 とな りま した。素敵 な時間 をあ りが と う。さらに
,予
備実験,評
価実験 には多 くの兵庫教育大学 の学生の皆 さんに,快
くご協力 いただきま した。皆様 の ご協力 をな しに,本
研究は成 り立ちませんで した。この場 を借りてお礼 申 し上げます。あ りが とうございま した。
最後 にな りま したが
,一
般 的な学生生活の倍以上の期 間を学生 として送 る私 を,何
も 言わず に,い
つ も見守 り,そ
して支 えて くれ,誰
よ りも理解・応援 して くれた,両
親, 弟 とい う温かい家族 は,こ
の大学院生活 を通 して,こ
れ まで よ りもさらに私 の何 よ りの 誇 りとな りま した。いつ も本 当に, あ りが とう。
この
2年
間で得た経験 と,支
えていただいたすべての方 々への感謝の念 をこめて,今
後私が関わる子供たちに還元 させていただ くことをここに約束 し,謝辞 に代 え させてい ただきます。
2016.1.20 り││[ヨ像彗太凛「
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