第3章 緊急事態応急対策
第9節 住民等への的確な情報伝達活動
流言、飛語等による社会的混乱を防止し、民心の安定を図るとともに、被災地の住民等 の適切な判断と行動を助け、住民等の安全を確保するためには、正確かつ分かりやすい情 報の速やかな公表と伝達、広報活動が重要である。また、住民等から、問い合わせ、要望、
意見等が数多く寄せられることから、これらに適切に対応できる体制を整備する。
1.住民等への情報伝達活動
(1)県は、放射性物質及び放射線による影響は五感に感じられない等の原子力災害の特 殊性を勘案し、緊急時における住民等の心理的動揺あるいは混乱をおさえ、異常事態 による影響をできるかぎり低くするため、住民等に対する的確な情報提供、広報を迅 速かつ分かりやすく正確に行うものとする。
(2)県は、住民等への情報提供にあたっては国及び市町村と連携し、情報の一元化を図 るとともに、情報の発信元を明確にし、あらかじめわかりやすい例文を準備するもの とする。また、利用可能な様々な情報伝達手段を活用し、繰り返し広報するよう努め るものとする。さらに、情報の空白時間がないよう、定期的な情報提供に努めるもの とする。
(3)県は、周辺住民のニーズを十分把握し、原子力災害の状況(原子力事業所等の事故 の状況、モニタリングの結果、参考としての気象情報等)、農林畜水産物の放射性物質 調査の結果及び出荷制限等の状況、県が講じている施策に関する情報、交通規制、避 難経路や避難所等周辺住民に役立つ正確かつきめ細やかな情報を提供するものとする。
なお、その際、民心の安定並びに要配慮者、一時滞在者、在宅での避難者、応急仮設 住宅として供与される賃貸住宅への避難者、所在を把握できる広域避難者等に配慮し た伝達を行うものとする。
(4)県は、原子力災害合同対策協議会の場を通じて十分に内容を確認した上で住民等に 対する情報の公表、広報活動を行うものとする。その際、その内容について国の原子 力災害対策本部及び原子力災害現地対策本部、指定行政機関、公共機関、関係地方公 共団体、原子力事業者等と相互に連絡を取り合うものとする。
(5)県は、情報伝達に当たって、テレビやラジオ等の放送事業者、通信社、新聞社等の 報道機関の協力を得るものとする。また、安否情報、交通情報、各種問い合わせ先等 を随時入手したいというニーズに応えるため、インターネット等を活用し、的確な情 報を提供できるよう努めるものとする。
なお、被災者のおかれている生活環境、居住環境等が多様であることに鑑み、情報 を提供する際に活用する媒体に配慮するものとする。特に、避難所にいる被災者は情 報を得る手段が限られていることから、被災者の生活支援に関する情報については紙 媒体でも情報提供を行う等、適切に情報提供がなされるよう努めるものとする。
・図3-14「住民に対する広報及び情報伝達系統図」
・表3-4「住民に対する広報時期及び広報事項」
・表3-5「広報事項における役割分担」
・表3-6「報道機関への広報事項」
図3-14
国
報道機関
原子力災害現地対策本部 原子力災害合同対策協議会
知事(本部長)
災害対策本部
市町村長(本部長)
市町村災害対策本部
消防
地元報道機関
境海上保安部
発表・要請
報道・伝達
船 舶 要請 指示・伝達
指示・伝達
広報車
通報・連絡
通報 放送要請
報道・伝達 漁業無線・船舶通信 広報・指示伝達 広報・指示伝達
広報・指示伝達
防災行政放送有線・無線
県内の住民 防護対策区域内住民
県外の住民 立入制限区域内住民
報 道 責任者
報 道 責任者
警察
住民に対する広報及び情報伝達系統図
表3-4 住民に対する広報時期及び広報事項
広報時期 広報事項
トラブル発生時、警戒事態 発生時、施設敷地緊急事態 発生時、全面緊急事態発生 時(上記に加え、放射性物 質の放出、避難等の防護措 置の実施の指示等、状況に 変化があった場合に、必要 に応じて広報を実施)
・プラントの状況(今後の見込み)
・放射性物質の放出の有無
・身体・環境等への影響(モニタリング結果)
・住民の方がとるべき行動
(警戒事態発生時:特別な対応は必要ないこと)
(施設敷地緊急事態発生時:屋内退避の準備)
(全面緊急事態発生時以降:屋内退避の実施、避難準備、避 難、安定ヨウ素剤の服用、避難退域時検査等の実施、飲食物 の摂取制限等)
避難生活段階、復帰段階、
生活支援段階
・プラントの状況(今後の見込み)
・環境への影響(モニタリング結果)
・被災者に対する生活支援(物資供給、ライフラインの状況等)
に関すること
・被ばく医療に関すること
・飲食物の摂取制限
・各種相談窓口(住宅、生活資金、教育等)の情報
ただし、新たな伝達情報がない場合であっても、住民を不安にさせないよう定期的(概 ね3時間ごと)な広報に努めるものとする。
表3-5 広報事項における役割分担
オフサイト センター
・緊急事態の発生に係る事項、防災対策の重要事項について、テレビ、ラジオ等 の報道機関を通じて県外の住民も含めて広範囲に広報する。
県
・緊急事態、災害の概要、県が実施する防災活動の内容等について、地元報道機 関、インターネット等を通じて県民に広報する。
・オフサイトセンター所管外の情報(避難生活に関連する情報等)を広報する。
このうち、共通内容については、県で作成し、市町村に広報を依頼する。
市町村
・緊急事態、災害の概要、市町村が実施する防災活動の内容、住民のとるべき措 置、注意事項について、サイレン、防災行政無線、広報車等を通じて住民に広 報する。
・オフサイトセンター所管外の情報(避難生活に関連する情報等)を広報する。
表3-6 報道機関への広報事項
事象 広報事項
トラブル状況(異常情 報・事故情報)、警戒 事態、施設敷地緊急事 態、全面緊急事態の発 生時
・施設の概要
・事故等の状況(発生日時、場所、概要、経過、今後の見通し)
・環境への影響(モニタリング結果)
・負傷者の発生状況
・県の対応状況(現地確認、本部体制、本部会議の開催等)
・住民への周知事項 避難生活段階、復帰段
階、生活支援段階情報
・プラントの状況(今後の見込み)
・事故等の状況(発生からの経過、今後の見通し)
・環境への影響(モニタリング結果)
・負傷者の状況等
・県、市等の対応状況(本部体制等)
・避難所の設置状況及び避難者数
・被災者に対する生活支援(物資供給、ライフラインの状況等)に 関すること
・被ばく医療に関すること
2.住民等からの問い合わせに対する対応
(1)は、国、市町村及び関係機関等と連携し、必要に応じて、速やかに住民等からの問 い合わせに対応する専用電話を備えた窓口の設置、人員の配置等を行うための体制を 整備するものとする。また、住民等のニーズを見極めた上で、情報の収集・整理・発 信を行うものとする。
(2)県は、被災者の安否について住民等から照会があったときは、被災者等の権利利益 を不当に侵害することのないように配慮しつつ、消防、救助等人命に関わるような災 害発生直後の緊急性の高い応急措置に支障を及ぼさない範囲で、可能な限り安否情報 を回答するよう努めるものとする。この場合において、県は、安否情報の適切な提供 のために必要と認めるときは、関係周辺市町、所在県、所在市町、所在周辺市、消防 機関、県警察本部等と協力して、被災者に関する情報の収集に努めることとする。な お、被災者の中に、配偶者からの暴力、ストーカー行為等、児童虐待及びこれらに準 ずる行為の被害者が含まれる場合には、その加害者等に居所が知られることのないよ う当該被害者の個人情報の管理を徹底するよう努めるものとする。
第 10 節 自発的支援の受入れ等
大規模な災害発生が報道されると、国内・国外から多くの善意の支援申し入れが寄せら れるが、県及び国、関係団体は、適切に対応するものとする。
1.ボランティアの受入れ等
県及び国、関係団体は、相互に協力し、ボランティアに対する被災地のニーズの把握 に努めるとともに、ボランティアの受付、調整等その受入れ体制を確保するよう努める ものとする。ボランティアの受入れに際しては、被ばくに留意し、老人介護や外国人と の会話力等ボランティアの技能が効果的に活かされるように配慮するとともに、必要に 応じてボランティアの拠点を提供する等、ボランティアの活動の円滑な実施が図られる よう支援に努めるものとする。
2.国民等からの義援物資、義援金の受入れ
(1)義援物資、義援金の受け入れの基本方針
県は、個人からの義援物資は原則として受入れず、個人に対しては、義援金での支 援をお願いするものとする。
(2)義援物資の受入れ
被災した県は、関係機関等の協力を得ながら、国民、企業等からの義援物資につい て、市町村が受け入れを希望するもの及び受け入れを希望しないものを把握し、その 内容のリスト及び送り先を国の原子力災害対策本部及び報道機関を通じて国民に公表 するものとする。また、現地の需給状況を勘案し、同リストを逐次改定するよう努め るものとする。国及び被災地以外の県は必要に応じて義援物資に関する問い合わせ窓 口を設けるとともに、被災地のニーズについて広報を行うものとされている。国民、
企業等は、義援物資を提供する場合には、被災地のニーズに応じた物資とするよう、
また、品名を明示する等梱包に際して被災地における円滑かつ迅速な仕分け・配送に 十分に配慮した方法とするよう努めるものとする。
(3)義援金の受入れ
義援金の使用については、県が義援金収集団体と配分委員会を組織し、市町村とも 十分協議の上、定めるものとする。その際、配分方法を工夫する等して、出来る限り 迅速な配分に努めるものとされている。
第 11 節 行政機関の業務継続に係る措置
(1) 県は、県の庁舎等の所在地が避難のための立退きの勧告又は指示を受けた地域に含 まれる場合、あらかじめ定めた退避先へ退避するとともに、その旨を住民等へ周知す