3. 中間成果の詳細報告
3.3 データ解析ソフトウェアの開発
3.3.4 今後の展望
ーソンの連絡先といった有用な情報を取得できる。UDASから直接メタデータ・データベ ースにアクセスする方法についても、現在検討中であり、3.3.4節でその一例を紹介する。
ここで、本プロジェクトと先に述べたERGミッションの解析ソフトウェア開発方針の 違いを述べておく。ERGミッションでは、IUGONETと異なり、ERGミッションに関連 する衛星・地上観測データの統合データベースを構築する。また、ERGミッションでは、
THEMISミッションと同様に、全てのデータファイルをCDF形式に変換する。IUGONET
でも、一部の観測装置(フラックスゲート磁力計の一部、ELF/VLF帯自然電波受信装置、
リオメータ、イメージングリオメータ25)、SuperDARNレーダー、EISCAT (European Incoherent Scatter)レーダー26)、イメージャ等)のデータのCDF化が進められているが、
これらのデータのCDF化は部分的にERG-SCの協力により行われている。さらに、ERG ミッションで開発されたロードプログラムは、関係者にテスト公開された後、TDASに統 合されUCBウェブページから公開される。既に、TDASバージョン6.00には、ERG-SC が中心となって開発した210 地磁気観測網27), 28)データと昭和基地・アイスランド地磁気 データのロードプログラムが含まれている。
(ii)について、既に述べたように、現状ではUDASはTDASとは別々のパッケージであ り、TDAS にパッチを当てる形でインストールを行う。しかし、今後、UDAS を TDAS の中に含め、THEMIS ウェブサイトから公開することを検討している。これには、(a) TDAS ユーザーに IUGONET が所有するデータを利用してもらえる可能性が高くなるこ
と、(b) UDASを含めたTDASについてIDL-VM環境で走る実行ファイルの公開が容易に
なること、等のメリットがある。(a)は、 IUGONETのウェブページにアクセスしUDAS をダウンロード・インストールする手間を省略することで、TDASユーザーがIUGONET データを利用する機会が増加することが期待できる。(b)は、(a)よりも本質的な問題である。
UDAS は TDAS のプラグインソフトであるため、IDL-VM 環境で走らせるためには、
UDASとTDASを同時にコンパイルし実行ファイルを作成する必要がある。即ち、UDAS をTDASと切り離してIDL-VM用実行ファイルを作ることはできない。そのため、UDAS
(+TDAS)の実行ファイルはIUGONET単独では公開できない可能性がある。この問題 を解決する最も簡単な方法は、TDASの中にUDASを含めてしまい、THEMISウェブサ イトから公開することである。
そこで、我々は、2012月12月のアメリカ地球物理学連合2011年秋季大会(AGU Fall
Meeting 2011)において THEMIS サイエンスサポートチームと会合を持ち、UDAS と
TDAS の統合について議論した。現在、2012 年中旬にリリース予定の TDAS v7.1 で、
UDASを含めることを検討している。この際、IUGONETのパッケージは、themis、erg 等と同様に tdas_7_1/idl/以下の iugonet ディレクトリの中に置かれる計画である。また、
統合後に新たに作成した IUGONET データのロードプログラムは、これまでと同様に
IUGONETウェブサイトからパッチとして公開する予定である。
(iii)のメタデータ・データベースとの連携として、解析ソフトからメタデータ・データ ベースにアクセスして、データファイルの所在情報を動的に取得することを検討している。
前述のように、TDASでは、個々のデータのロードプログラムの中でデータのURLが静 的に与えられる。しかし、この方法は、データの所在が変わる度にロードプログラムを修 正しなければならず、あまり賢いやり方とは言えない。そこで、図 3.2.4 に示すように、
メタデータ・データベースと連携してデータの URLを取得する。流れは以下の通りであ る。1. 解析ソフト(IDL)から IUGONET メタデータ・データベースに対して目的のデ ータを検索するためのクエリーを送信する(図3.2.4(1))。2. OpenSearch29)により出力し た検索結果をXML形式のファイルで受信する(図3.2.4(2))。3. IDLのXMLパーサを使
ってURLを抽出する(図3.2.4(3))。4. 取得したURLを使ってロードプログラムにより データファイルをクライアントPCにダウンロードし、IDL上にデータをロードする(図
3.2.4(4)〜(6))。既に、我々は、上記のサンプルプログラムを作成し、データをロードでき
ることを確認している。
図3.2.4:UDASとIUGONETメタデータ・データベースの連携の流れ。
このようなUDASとメタデータ・データベースとの連携は、UDASのメンテナンスの 負担軽減という点からも極めて有効である。上記のようにロードプログラムに必要な情報 をメタデータ・データベースから取得することで、メンテナンス作業はメタデータの更新 のみに抑えられ、UDASのプログラム変更の手間を最小限にすることができる。また、様々 なデータのロードプログラムをある程度統一した形式で記述することができるというメリ ットもある。
(iv)について、IUGONET 参加機関の中には、太陽画像やオーロラ画像、レーダーデー
タ、イメージングリオメータデータ等、2次元データが複数存在し、これらをTDASでロ ード、描画する要求がある。しかし、IUGONETの2次元データのロードプログラムは、
現時点でSuperDARNレーダーを除いてUDASに含まれていない。一方、同じ地理座標
上にオーロラ画像やSuperDARNレーダーデータ、イメージングリオメータデータ、地磁 気から推定される電離層等価電流系、衛星のフットプリント等を重ね描きすることは、超
高層大気科学、特に、磁気圏電離圏物理の分野でしばしば求められる機能である。
図3.2.5:SuperDARN北海道レーダーデータとTHEMIS 地上観測点で得られた全天カ メラ画像を地図上に重ね描きした例。
図3.2.5は、UDAS v1.00.1に含まれているSuperDARNレーダーのプロットルーチン を使って、SuperDARN北海道レーダーのデータとTHEMIS地上観測点の全天カメラ画 像を重ねて描画した例である。今後、IUGONETが所有する複数の2次元データを同様の やり方でプロットするためには、プロットルーチンの開発は元より、2 次元データを地理 座標上へマッピングするための情報の整備、公開も必須である。
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