(1) 出生数減少の抑制
本市は、自然増減が人口増減に大きな影響を与えることから、結婚や出産、
子育てに関わる若年層の市民の希望をかなえ、市全体として一定水準の出生 数を維持していくことが必要です。
【出生に関わる若年層の市民の動向・希望】
・ 初婚年齢は全国と同じく上昇傾向にあり、合わせて第一子出産年齢も上昇し ています。
・ 既婚者は未婚者よりも子どもをより多く希望する傾向があります。
・ 若年層は結婚に対して概ね肯定的ですが、一方で「独身生活のほうが自由」
「男女の出会いの場が少ない」「精神的・金銭的自立ができていない」とい った意見も多くなっています。
・ 市民意識調査の結果によると、若年層の 88%が2人以上の子どもを希望して おり、平均の希望出生数は 2.27 人となっています。さらに子どものいる既 婚者に限れば、希望出生数は 2.71 となります。
・ 子育てに対し「子どもに関する不安や悩みが増える」といった意識をもって いる人が多く見られます。
・ 本市の女性の就業率は全国的にも高い水準にあるにも関わらず、既存施策に 対しては、「仕事と子育てを両立するための支援」が最も満足度の低い施策 となっています。
【出生に関わる目指すべき将来の方向性】
・ 結婚に対する先入観や心理的な障壁の緩和と男女が出会う機会の提供
・ 子育て中の女性を孤立させない地域でのフォロー体制の構築
・ 子育て世代の仕事と子育ての両立支援
・ 女性の負担感を軽減するための男性の家庭参画支援
(2) 若年層の転出抑制と転入促進
若年層が東京圏等へ転出することが社会増減に大きな影響を与えている ことから、転出を抑制し転入を増加させるため、転出者に対する地元とのつ ながりを維持し、雇用の場や創業の機会を確保するとともに、雇用に関する 求職者ニーズと求人者ニーズの情報発信とマッチングの適正化を図る必要 があります。
【若年層における転出入の傾向】
・ 高校卒業後の若年層が、進学・就職に伴って主に東京圏へ転出していること が、本市の人口減少に大きな影響を及ぼしています。特に女性は、大学卒業 後も本市に戻る人数が少なく、結婚・出生数の低下にも影響しています。
・ 転出理由は「職業」が多くなっています。
・ 若者は、能力・個性を生かせる仕事、面白い仕事を希望しています。一方で、
一企業で安定して働くことを望んでいる若者が多くなっています。
【転出入に関わる目指すべき将来の方向性】
・ 一定量の雇用数の持続的な創出と業種や職種に対する選択肢の増加
・ 大学等への進学時に市外に転出した若年層や、地方での生活を望む若年層に 対する交流維持と適切な時期・手法での就職情報の提供
(3) 本市人口の将来展望
① 総人口
本市では、若年層の東京圏等への流出に歯止めをかけることにより、2020 年 までに社会増減が転出超過から均衡水準に改善し、以降も均衡水準を保つとと もに、出生数は現在と同数程度(600 人)を維持する(出生率が 1.89※まで上 がる)と、2040 年の人口は 69,321 人になると推計されます。
※出生率 1.89 は、現在と同数程度の出生数 600 人を維持すると仮定し、出生数から逆算 して算出した 2040 年の数値。
図表 31 人口の将来展望
(出所)実績:総務省「国勢調査」
社人研推計:国立社会保障・人口問題研究所による推計 直近の実績値に基づく推計・戦略的推計:本市による独自推計 82,984
84,181
83,377 84,051
84,297 83,269
81,876
78,064
75,312
72,211
68,955
65,549 80,337
78,616
76,496
74,158
71,763
69,321 79,583
76,861
73,636
70,063
66,371
62,613
60000 65000 70000 75000 80000 85000
1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 実績
凡例
直近の実績値に基づく推計 戦略的推計
社人研推計
(人)
Ø
国立社会保障・人口問題研究所の推計2005 年~2010 年の人口の動向(国勢調査結果)を勘案し将来の人口を推 計しました。純移動率は、今後、縮小していくと仮定(2005 年~2010 年の 実績の半分となると仮定)して推計すると、本市の人口は 2040 年に 62,613 人となります。
Ø
直近の実績値に基づく推計2010 年国勢調査以降の本市の傾向を反映させるため、出生率は、直近(2013 年)の本市出生率 1.43、純移動率は 2010 年から 2013 年における各年の移 動率の実績平均値(-0.00185)がそれぞれ同水準で 2015 年以降も推移する と仮定して推計すると、本市の人口は 2040 年に 65,549 人となります。
Ø
戦略的推計「まち・ひと・しごと創生総合戦略」等により人口対策の効果が発現し、
社会増減は、現行の転出超過から 2020 年までに均衡水準に改善し、以降は 転出入が均衡水準を維持するとともに、出生数は、2016 年~2020 年が 625 人(2010 年~2014 年の平均出生数と同数/図表 33 参照)、2021 年以降も 2014 年の 600 人の水準を維持(出生数から逆算した出生率は 1.89)した場合(図 表 34 参照)、本市の人口は 2040 年に 69,321 人になります。
図表 32 各推計の出生率と純移動数
推計方法 区分 2015 年 2020 年 2025 年 2030 年 2035 年 2040 年
社人研の 推計
出生率 1.43 1.40 1.37 1.37 1.38 1.38
純移動数(人) -828 -480 -406 -395 -344 -215
(純移動率) (-0.01011) (-0.00603) (-0.00528) (-0.00536) (-0.00491) (-0.00323) 直近の実
績値に基 づく推計
出生率 1.43 1.43 1.43 1.43 1.43 1.43
純移動数(人) -152 -149 -145 -140 -134 -128
(純移動率) (-0.00185) (-0.00185) (-0.00185) (-0.00185) (-0.00185) (-0.00185)
戦略的 推計
出生率
1.45 1.62 1.69 1.78 1.86
(+0.08)
1.89
(増減数) (+0.17) (+0.07) (+0.09) (+0.03)
純移動数(人) -152 0 0 0 0 0
(純移動率) (-0.00185) (0) (0) (0) (0) (0)
図表 33 直近5年間の出生数
(出所)出生数:新潟県人口移動調査
合計特殊出生率:新潟県福祉保健年報
図表34 直近5年間の転入・転出数
(出所)新潟県人口移動調査
図表35 戦略的推計における5年毎の出生数(2005年~2010年のみ実績値)
2010 2011 2012 2013 2014 合計 平均
出生数(人) 636 621 630 640 600 3,127 625
合計特殊出生率 1.37 1.34 1.53 1.43 (未公表)
2010 2011 2012 2013 2014 合計 平均 転入数(人) 1,773 1,763 1,871 1,842 1,814 9,063 1,813 転出数(人) 1,941 1,819 1,900 1,866 1,902 9,428 1,886 差引(人) -168 -56 -29 -24 -88 -365 -73
2005~
2010
2011~
2015
2016~
2020
2021~
2025
2026~
2030
2031~
2035
2036~
2040
出生数(人)
<5 年毎の平均出生数> 660 625 625 600 600 600 600
図表36 社人研推計2040年人口ピラミッド(単位:人)
(出所)国立社会保障・人口問題研究所による推計
993 1,047 1,111 1,114 1,137 1,418 1,585 1,707 1,870 1,884 1,791 2,006 2,360 2,577
2,220 1,818
1,487 1,176
1,096
942 986
1,048 1,066 1,088
1,309 1,438
1,574 1,733 1,699 1,653
1,978 2,296
2,684 2,423 2,098 1,862 1,868
2,471
0~4歳 5~9歳 10~14歳 15~19歳 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65~69歳 70~74歳 75~79歳 80~84歳 85~89歳 90歳以上
男 女
図表37 直近の実績値に基づく推計2040年人口ピラミッド(単位:人)
(出所)本市による独自推計
図表38 戦略的推計2040年人口ピラミッド(単位:人)
(出所)本市による独自推計
男 女
1,082 1,166 1,260 1,346 1,345 1,348 1,533 1,738 1,943
1,911 1,706 2,208 2,464 2,652
2,285 1,866
1,535 1,219
932
1,045 1,106
1,195 1,278 1,274 1,275 1,449
1,657 1,859 1,828 1,712
2,263 2,422
2,797 2,509 2,175 1,931 1,964
2,271
0~4歳 5~9歳 10~14歳 15~19歳 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65~69歳 70~74歳 75~79歳 80~84歳 85~89歳 90歳以上
男 女
1,533 1,574 1,585 1,598 1,537
1,396 1,599 1,806 2,013
1,946 1,706 2,208 2,464 2,652
2,285 1,866
1,535 1,219
932
1,467 1,493 1,504 1,518 1,461 1,329
1,519 1,730
1,934 1,866 1,712
2,263 2,422
2,797 2,509 2,175 1,931 1,964
2,271
0~4歳 5~9歳 10~14歳 15~19歳 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65~69歳 70~74歳 75~79歳 80~84歳 85~89歳 90歳以上
② 3地区別人口
①の人口展望を 3 地区別に推計すると、2040 年の人口は、旧燕市約 36,000 人、旧吉田町約 21,000 人、旧分水町約 12,000 人となります。
図表39 3地区別の推計人口
43,097 42,450 41,577 40,426 39,112
37,770 36,437
14,555 14,081 13,684 13,280 12,866 12,431 11,976
24,224 23,806 23,355 22,790 22,180 21,562 20,908
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000
2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040
(人)
旧燕市
旧吉田町
旧分水町
③ 年齢3区分別人口
年齢 3 区分別で見ると、2040 年の年少人口は約 9,100 人、生産年齢人口 は約 36,000 人、老年人口は約 24,000 人となります。なかでも生産年齢人 口は 2010 年の約 50,000 人から、30 年間で約 14,000 人(28%)の大幅な減 少となります。
図表 40 年齢3区分別の推計人口
81,876 80,337 78,616 76,496 74,158 71,763 69,321
10,837 10,046 9,678 9,374 9,253 9,130 9,157
50,561
47,355 44,739 42,894 41,005 38,762 36,028
20,478 22,936 24,199 24,228 23,900 23,871 24,136
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000
2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040
(人)
総人口
生産年齢人口
老年人口
年少人口
経済・観光 分析資料
1 経済の現状
(1)産業
産業別(大分類)の売上を、本市と東京都で比較すると、本市は製造業、東京都は 卸売業・小売業が 50%以上の割合を占めています。産業の種類は東京都の方が多く、
職業の選択肢も多くなっています。
また、域外からの消費や資金流入によって示す「稼ぐ力」と域内全産業の従業者数 に対する当該産業の従業者数の割合によって示す「雇用力」を見ると、本市は金属製 品製造業に特化しています。特に「雇用力」は群を抜いて高くなっています。
本市の製造品出荷額等は、2008 年に起こったリーマンショックにより大きく落ち込 みましたが、本市と同様に製造業を基幹産業とする他都市と比較すると、順調に回復 しています。
図表 1 産業別の売上高構成(燕市・東京都)
(出所)2012 年経済センサス 産業別売り上げ構成(燕市) 産業別売り上げ構成(東京都)
n=6,933億円
製造業 (56.4%) 卸売業,
小売業 (34.5%) サービス業等
(9.0%)
卸売業, 小売業 (62.7%) 医療・
福祉 (9.9%) 不動産 (5.2%) サービス業等
(12.8%)
製造業 (4.8%)
情報通信 (4.6%)
n=262兆9,567億円
図表 2 産業別稼ぐ力と雇用力
(出所)2012 年経済センサスを総務省統計局にて加工
図表 3 リーマンショック後の製造品出荷額等の推移(2009 年を 1 としたときの変化)
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4
2 4 6 8 10 12 14 16 18
雇用力
(従業者割合)
稼ぐ力
(修正特化係数の対数変換値)
金属製品製造業
生産用機械器具製造業 飲食料品小売業
全国平均
0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 1.10 1.20
2009 2010 2011 2012 2013
燕市 三条市 大田区 東大阪市
稼ぐ力(X軸)
域外からの消費や資金流入
(全国=1)
雇用力(Y軸)
域内全産業の従業者数に対する当 該産業の従業者数の割合
2009→2013 年 の変化率 燕市 +14.4%
三条市 -0.9%
大田区 -22.7%
東大阪市 -0.4%
①製造業
本市は中小企業の割合が高く、主要産業である金属製品製造業における従業者の 過半数は、20 人未満の規模の企業に所属しています。
図表 4 業種別従業者数
(出所)2012 年経済センサス
本市の基幹産業である金属製品製造業の製造品出荷額等及び従業者数(常用雇用 者)は、ともに下降傾向でしたが、2011 年からは徐々に回復基調にあります。近年 の従業者一人当たりの製造品出荷額等は約 1,500 万円で推移しています。
図表 5 事業所数の推移(金属製品製造業)
(出所)工業統計
n=42,890 (人)
卸売業, 小売業 (21.6%) 産業別従業者数
金属製品 製造業
(41.6%) 生産用機械 器具製造業
(11.6%) 製造業分類別従業者数
n=18,494 (人)
卸・小売業分類別従業者数 n=9,251 (人)
飲食料品小 売業
(26.1%) その他
サービス業 (35.3%)
その他 製造業
(46.8%)
その他 小売業
(19.6%) その他
卸売業
(19.4%) その他
(34.9%) 製造業
(43.1%)
金属製品製造業における 従業者の規模別
従業者数
飲食料品小売業における 従業者の規模別
従業者数 20人未満の
事業所
(56%) 20人以上の
事業所
(44%)
n=7,696 (人)
n=2,413 (人)
20人未満の 事業所
(44%) 20人以上の
事業所
(56%)
463 431 425
397 384
397 353
345
377 341
336
0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500
2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013年