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次に、将来交通量における分析および施策導入効果について述べる。
Scenario2における、NumberofVehiclesの総量つまり、3時問当りに通過した台数は2350台 であることが示された(表5−5−2)。供給に問題がある現況の通過台数でさえ2485台であるこ
とを考慮すると、算出された2350台という値からはさらなる道路交通環境の悪化を想像させ られる。一方、施策を導入したScenario3では、総通過台数が2546台とScenario2と比べて改 善されており、またどの時間帯別においても若干ではあるがScenario2を上回っていることが 示された。
遅れ時間をみた場合、Scenario2ではピーク時で15分の遅れが算出されている。同時刻、施 策を導入したScenario3では9分の遅れにまで短縮されていることが示された。しかし、遅れ 時間9分という値は、現況がさらに悪化した状態であり、決して見過ごせる値ではない。
導入した施策のみでは将来対応できないのではないかと推察することができる。さらに、滞留 長を見た場合もScenario3において3000m超が長時間継続していることからも状況の深刻さが 充分示されているといえる。
さいごに旅行時間をみると、施策を何も施さなければ最長で2248秒、約38分の時間を必要 としており、現況1131秒の約2倍の時間を要することが示唆されている。
一方、施策導入時では最長で1432秒の時間を要している(図5−5一)。7時台半ばまでは大きな
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cenario 2 ‑ scenario 3 l 5‑5‑19 DclayTiu]e ] 5‑5‑18 Maximum Queue Length
Approximation3について
現在の交通量の場合、ScenarioOとScenario1における通過台数に差はみられないが、遅れ時 間の指標からは、施策影響効果が大きく表れていることが判断できる。Scenario Oにおいて遅 れ時間が100秒以下であったことに対しScenario lでは最大値250秒超という値を算出してお
り、施策導入後、現況を悪化させていることが示された。これは、施策を導入したことによる 交通負荷であると考えられる。
しかし、本施策の場合、相模川沿道にかかる一定の負荷は事前に推察されており、ここで重 要となるのは、負荷が許容される範疇であるかという点である。
そこで、滞留長および通過台数も考慮に入れつつ、遅れ時間の指標を主眼に負荷にっいてみ ることとする。
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ここでは、施策の効果と負荷の関係を示すことを目的とする。効果が負荷を上回っているこ とを示すことができればもっとも望ましいと考え、「遅れ時問の差」に注目した(図5−5一)。
正の値は遅れ時間の増加を示し、負の値は遅れ時間の減少を示している。
7時20分以前は遅れ時間の減少はあまり確認されず、負荷である遅れ時間の増加の傾向が見 受けられた。7時20分以降は、施策効果が時間経過ごとに表れてきたことが見受けられる。
8時10分時点では、遅れ時間が発生していないApproximation3に対し、Approximation1では 減少していることが示された。8時45分以降では、効果が負荷を大きく上回っていることが判 断できる。
一時点では効果が負荷を上回っていることを示すことができたが、総合的に見た場合、遅れ 時間の差のみで示すことはできなかった。しかし、指標そのものに着目するとApproximation3 にて発生する遅れ時間はApproximation1の遅れ時問を下回るか、同等の値であり交通流に大き な影響を及ぼす負荷ではないと判断できる。
他リンクに与える負荷を加味した上でも、本施策の持つ効果に期待を寄せることができると 考えられる。
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第6章おわりに
6・1 まとめ
第1章では、はじめにとして、本研究の背景および目的を示した。
第2章では、TDMおよびミクロシミュレーションとして、TDM施策の事例およびミクロシミ ュレーションの特質を示した。
第3章では、相模原市の概要とケーススタディ地区の現況として、ケーススタディ地区の現 在の問題、TDMワークショップ活動とシミュレーションに対するアンケート結果について示し
た。
第4章では、県道54号沿線地区のシミュレーション現況の再現として、シミュレーション ソフトの概要と本研究で使用したデータ概要、シミュレーションによる現況再現性について示
した。
第5章では、交通改善代替案の作成とシミュレーションによる評価として、導入施策の比較 と導入後の改善効果の比較評価を示した。
本研究では、改善代替案としてボトルネック交差点に着目し、適切な信号現示への変更を試 み、交通渋滞改善を図った。具体的には、ボトルネック交差点部分に車両感知機を導入しケー ススタディ地区の交通改善効果を定量的に明らかにした。
6−2 今後の課題
複数のTDM施策を導入し効果を比較評価することを目的とし取り組んだが、私の力不足に よる研究進捗の遅れが主原因でボトルネック交差点の改善にしぼる内容となった。シミュレー ション現況再現の難しさと限られた時間内で分析結果を算出できなかったふがいなさを胸に 今後精進していこうと思う。しかし、本研究を通してTDM委員会や作業部会などの場に参加 できたことが何よりも勉強になり、非常に有意義であった。このような機会を与えてくださっ た高橋先生、兵藤先生にこの場をかりて心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
今後の課題としては多く挙げられるが、主に以下が考えられる。
・車両感知機導入が効果的である他の交差点も検討し、導入効果を検証することが求め られる。
・信号現示の変更以外のTDM施策を他の場所でも複数導入し、その導入効果を比較評価 することが必要である。
・本研究では評価指標として滞留長、通過交通量、旅行時間などを用いたが、他の側面 からの評価をすることも必要である。経済指標やNOx、CO2など排気有害物質に着目し た環境指標が考えられる。
・ ODデータを基にマクロ分析も行う。
謝辞
本論文作成にあたり、御指導、ご協力いただいた方々に深く感謝を申し上げます。
東京海洋大学教授の高橋洋二先生、同助教授の兵藤哲朗先生には、本論文をまとめるにあた り、貴重なご意見、ご指導を承りましたこと、厚く御礼を申し上げます。
ありがとうございました。
同大学教授の苦瀬博仁先生には、本論文の副査をはじめ貴重なご意見を多くうけたまわりま した。厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
相模原市都市部都市交通計画課の中澤様、田野倉様、白井様、田加井様には、本研究を進め るにあたりデータの提供をはじめ、様々な協力とご意見を大変多くうけたまわりました。ここ に、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
東京海洋大学地域計画研究室修士課程のSideneyさんには、本研究を進めるにあたり、多大 なるご協力をいただきました。使用したシミュレーションソフトの指導をはじめ、信号制御の 指導やプログラミング構築の手助けなど、本当にお世話になりました。ここに厚く御礼を申し 上げます。ありがとうございました。
同研究室の博士課程のNashさん、徳永さんには本研究を進めるにあたり、貴重なアドバイ ス、ご指導を多くいただきました。これらのアドバイスがなければ本論文は成り立たなかった です。ありがとうございました。
同期の前田鉱太、上原新之介には修士課程の2年問、色んな意味で支えて頂き、本当に助け て頂きました。心から御礼申し上げます。ありがとうございました。
同研究室修士課程の大和田さん、土田くん、中村くん、松橋くん、神谷くんには本研究を進 めるにあたり、随所に協力して頂きました。ここに御礼申し上げます。ありがとうございまし た。同研究室学部生の伊藤さん、大野くん、木下くん、鈴木さん、長谷部くん、限られた短い 時間ではあったけれども、研究室で一緒の時間を過ごすことができ嬉しく思います。先輩らし いことは何ひとつできていないけれども、「この研究室に入って良かったです」という言葉が 嬉しかったです。ありがとうございました。
この場をかりて皆様に心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
八代 渉