8.5 CAS における 1 回限りの聴聞会
13.2.4 交差不服申立て及びその他認められる後続の不服申立て
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を有するものとする。不服申立てを行う当事者は、不服申立ての対象と なる決定を下したアンチ・ドーピング機関からすべての関係情報を取得 するためにCASからの支援を受けることができるものとし、また、CAS が命じた場合には当該情報は提供されるものとする。
WADAによる不服申立ての期限は、遅くとも、次の各時期のうちいずれ か遅い時期までとする。
(a) 当該事案における他の当事者が不服申立てを行うことができる最 終日から21日後
(b) WADAが決定に関する完全な書類を受け取ってから21日後
本規程の他の規定にかかわらず、暫定的資格停止について不服申立てを 行うことができる人は、当該暫定的資格停止が課された、競技者又はそ の他の人に限られる。
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ング機関からWADAに対して償還されるものとする。
[第13.3項の解説:個々のアンチ・ドーピング規則違反のドーピング捜査及び結果の管 理の過程における様々な事情に鑑みると、WADAがCASに対して直接に不服申立てを行 うに先立ちアンチ・ドーピング機関が決定を下すための期限を、確定的に定めることは現 実的ではない。但し、当該行動が取られる前に、WADAはアンチ・ドーピング機関と協議 し、かつ、アンチ・ドーピング機関に対し決定が未だ下されていない理由について説明す る機会を与えるものとする。本項は、国際競技連盟が、その傘下にある国内競技連盟によ り実施された結果の管理が不適切に遅延したことについて管轄権を有する旨を定める規則 を持つことを禁じるものではない。]
13.4 TUEに関連する不服申立て
TUE決定に対しては、第4.4項に定められているとおりにのみ、不服申立てを提 起することができる。
13.5 不服申立決定の通知
不服申立ての当事者であるアンチ・ドーピング機関は、第 14.2 項に定めるとお り、競技者又はその他の人並びに第 13.2.3項に基づき不服申立てを提起する権 利を有する他のアンチ・ドーピング機関に、不服申立決定を速やかに提供するも のとする。
13.6 本規程第3部及び第4部に従って下された決定に対する不服申立て
第23.5.4項に基づくWADA による不遵守の報告書又は本規程の第3部(役割
及び責務)の規定に基づき課せられた措置について、WADA の報告書に関係し、
又は、本規程の第3部の規定に基づき措置が課された団体は、CASの適用のある 関連規定に従ってCASのみに不服申立てを提起する権利を有するものとする。
13.7 分析機関の認定を猶予し、又は、取り消す決定に対する不服申立て
分析機関のWADA認定がWADAの決定によって猶予され、又は、取消された場 合、当該分析機関のみが不服申立てを行うことができるものとし、また、当該不 服申立てはCASのみに行うものとする。
[第13 条の解説:本規程の目的は、終局的な不服申立ての途も開かれた、公平かつ透明 な内部手続を通じてアンチ・ドーピング関連の諸問題を解決することである。アンチ・ドー ピング機関によって下されるアンチ・ドーピング関連の決定は、第14 条により透明性が 確保されている。そして、特定の人及び WADA を含む団体には、これらの決定に対し不
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服申立てを行う機会が与えられている。なお、第13 条に基づいて不服申立てを行う権利 を有する利害関係人及び利害関係団体の定義には、他の競技者に対して失効処分が下され た場合に利益を得ることになるであろう競技者本人又はその所属競技連盟は含まれていな いことに注意を要する。]
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第 14 条:守秘義務及び報告
アンチ・ドーピングの結果、公的な透明性及び説明責任並びに競技者又はその他の人のプ ライバシー権の尊重との間における調整に関する原則は次のとおりである。
14.1 違反が疑われる分析報告、非定型報告、その他の主張されたアンチ・ドーピング
規則違反に関する情報
14.1.1 競技者又はその他の人に対するアンチ・ドーピング規則違反の通知 主張されたアンチ・ドーピング規則違反の通知の様式及び方法は、結果 の管理について責任を負うアンチ・ドーピング機関の規則に定めるとお りとするものとする。
14.1.2 国内アンチ・ドーピング機関、国際競技連盟及びWADAに対するアン
チ・ドーピング規則違反の通知
結果の管理について責任を負うアンチ・ドーピング機関は、アンチ・ドー ピング規則違反の主張につき、競技者又はその他の人に通知を行うのと 同時に、当該競技者が所属する国内アンチ・ドーピング機関及び国際競 技連盟並びにWADAに対しても通知を行うものとする。