第3章 木質バイオマスを原料とする金属吸着剤の開発
3.3 結果と考察
3.3.1 二酸化炭素を用いた気相酸化処理
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3.2.5.6 化学結合状態の分析
炭素、酸素、窒素、ニッケルの化学結合状態の分析に、光電子分光装置(JEOL:
JPS-9010MX)を用いた。中和銃は使用しなかった。また、C1s のピークの位置を
284.4eVに合わせる帯電補正を実施した。炭素および酸素の結果から、O/Cの算出を行
った。
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図3.2 カリウム担持WBの重量減少率の変化(300℃)
図3.3 カリウム担持WBの重量減少率の変化(400℃)
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図3.4 カリウム担持WBの重量減少率の変化(500℃)
図3.5 カリウム担持WBの重量減少率変化(500℃)の拡大図
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反応ガスを窒素から炭酸ガスへ変更したあと、アルミニウムバックに5分間収集した 排気ガスをガスクロマトグラフで分析した。式(3.3)より、カリウムが触媒として働き、
二酸化炭素による酸化が起きれば、排気ガス中に一酸化炭素が含まれるはずである。ま ず、一酸化炭素および二酸化炭素のピークの位置を調べるため、ガスクロマトグラフで 標準ガスの分析を行った。この標準ガスの成分を表3.5に、結果を図3.6に示す。カラ ムに充填したのは、活性炭である。検出器は、水素炎イオン化検出器である。カラム出 口と水素炎イオン化検出器の間に、メタナイザーを取り付けた。よって、標準ガスを分 析した場合、検出する成分の順番は、一酸化炭素、メタン、二酸化炭素の順である。図 3.6より、本実験条件下において、一酸化炭素は約1.6分後、二酸化炭素は約9.6分後 に検出されることを明らかにした。次に、炭酸ガスをガスクロマトグラフで分析した結 果を図3.7に示す。図3.7より、一酸化炭素は検出されず、多量の二酸化炭素が検出さ れた。よって、炭酸ガス中に一酸化炭素は含まれない。
熱処理温度300℃における排気ガスを、ガスクロマトグラフで分析した結果を図 3.8 に示す。図3.8より、非常に小さな一酸化炭素のピークを観測した。熱処理温度400℃
における排気ガスを、ガスクロマトグラフで分析した結果を図3.9に示す。図3.9より、
一酸化炭素のピークを観測した。また、熱処理温度500℃における排気ガスを、ガスク ロマトグラフで分析した結果を図3.10に示す。図3.10より、比較的大きな一酸化炭素 のピークを観測した。各熱処理温度における一酸化炭素ピークの面積を、表3.6に示す。
ピークの面積が一酸化炭素の量を表す。表3.6より、熱処理温度が高いほど、一酸化炭 素の量が多い。つまり熱処理温度が高いほど、二酸化炭素による酸化が進むと考えられ る。したがって、二酸化炭素雰囲気中で熱処理をすることにより、カリウムが触媒とし て働き、酸化することを明らかにした。また、その量は熱処理温度に依存することも明 らかにした。
表3.5 標準ガスの成分 [%]
H2 CO CO2 CH4 C2H6 C2H4 C3H8 N2
5 3 3 3 3 3 3 Balance
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図3.6 ガスクロマトグラフによる標準ガスの分析
図3.7 ガスクロマトグラフによる炭酸ガスの分析
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図3.8 ガスクロマトグラフによる排ガスの分析(300℃)
図3.9 ガスクロマトグラフによる排ガスの分析(400℃)
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図3.10 ガスクロマトグラフによる排ガスの分析(500℃)
表3.6 各熱処理温度における一酸化炭素ピークの面積