4−1 市民共同発電所導入に向けた条件整理
市民共同発電所の導入にあたっては、全国における市民共同発電所の動向や先進事例調査、
アンケート調査結果を踏まえ、以下の前提条件のもと、3 つのモデルを検討します。
1.モデル検討の前提条件
○ 事業主体は、環境基本計画策定にも携わっており、環境活動団体として市民へ広く浸透し ている市民団体を中心とした事業主体を想定します。
○ 基本的には NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の補助が期待できる 10kW以上 の設備規模での検討を行います。
○ 導入して終わりではなく、市民共同発電所の導入が地域の活性化や市民のさらなる環境活 動へとつながり、2 基目以降の導入へと継続していける仕組みを検討します。
2.モデルの検討
早期の導入をめざした
寄付型モデル
リユース活動やイベントと 連携した地域協働型モデル
地域通貨と連携した
地域活性型モデル
■ 全国における市民共同発電所の動向
・寄付による設置例が最も多い。
・規模については、10kW規模と 1〜3kW規模に 2 極化。
■ アンケート調査
・資金調達の方法としては「寄付型」がよいと考 えられており、寄付額は「100〜500 円」が多い。
・市民共同発電と連携したエコポイント制度の活 用意向は 8 割以上。
■ 先進事例調査
・できるところからはじめる。
・事業主体の負担を軽減。
・出資に対する早急な還元。
■ 池田市における取り組み(特徴)
・サイクル&エコカーニバルやリサイクル品のバ ザー等、環境に関する様々なイベントが開催さ れている。
・エコポイント制度の取り組みが展開されている。
3.早期の導入をめざした寄付型モデル
(1)目的
まず動き出すことが重要であるという観点から、市民共同発電所の取り組みの第 1 段階とし て、事業者や市民からの寄付金をもとに、市民共同発電所を導入するモデルを検討します。
早期に導入し、市民への啓発を図ることが目的となることから、設置場所として、多くの市 民の目にふれることができる市役所や駅前広場等を想定します。
また、寄付の拠出方法の一つに、市民参加型による環境イベントを開催します。
(2)モデルの条件整理
駅前等シンボルとなる場所への設置を想定します。また、太陽光発電設備の耐用年数を 20 年と想定します。
モデルの条件整理 事 業 主 体 市民団体
事 業 期 間 20 年間
設 置 費 用 100 万円/ kW(国内平均設置価格単価・工事費込み)
導 入 規 模 10kW以上
導 入 場 所 駅前等シンボルとなる場所 寄付 事業者及び市民からの寄付 資金
計画 補助金
NEDO補助
グリーン電力基金 電気料金
削減
発電された電気を設置施設で全量消費し、その電気料金削減分を事 業主体に支払う。購入電気価格を 11. 06 円/ kWh(高圧)と設定。
グリーン 電力証書
太陽光発電の環境価値をグリーン電力証書で取引。
3. 5 円/ kWh と設定。
運営 資金
メンテナン ス費用
設置費の 5%と設定。(20 年間)
※ 太陽光発電でのデマンド値低下による基本料金削減分の収入は含んでいない。
金額 備考
①設備コスト 10, 000, 000 10kW× 100万円/ kW(想定)
②グリーン電力基金 500, 000 10kW× 5万円/ kW(想定)
③NE DO補助 3, 000, 000 10kW× 30万円/ kW 6, 500, 000 ①−(②+③)
金額 備考
④ワンコイン募金 750, 000 1口500円 1, 500人想定
⑤イベント参加記念品 150, 000 ワンコイン募金促進のための記念品(100円と想定)
⑥企業からの寄付 5, 900, 000
6, 500, 000 ④−⑤+⑥
金額 備考
収入
⑦電気料金削減金額(円/ 年) 116, 263
10kW× システム利用率(0.12)× 8, 760(時間/ 年)× 電力会社から の購入単価(11.06円/kWh)
⑧グリーン電力証書 36, 792 10kW× システム利用率(0.12)× 8, 760(時間/ 年)× 3.5円/ kWh 支出
⑨メンテナンス費用 25, 000 設備コストの5%と想定 128, 055 収入(⑦+⑧)−支出(⑨)
資金計画
合 計 合 計 イニシャルコスト
合 計
年間ランニングコスト
(3)モデルイメージ
(4)収支計算
(5)推進に向けての課題
・イニシャルコストとして、650 万円を事業者及び市民からの寄付で集める必要があります。
・年間収益 12 万 8 千円だけでは、2 基目以降の導入が難しいため、継続的に環境イベントを開 催し、市民からの寄付を募る必要があります。
寄付
事業主体
お金の流れ 電気の流れ その他の流れ
太陽光発電 の設定 市民参加型
イベント開催
ワンコイン 募金
補助金
電気料金削減分の 金額支払 イベント参加
イベント 支援
設置者
市民
N E D O 補助金 グリーン電力基金 グリーン電力購入
事業者
グリーン電力証書環境価値
(6)推進に向けての方策
①企業からの寄付について
池田市には、環境保全活動への協力や I SO14001 の取得など環境に対して意識の高い企業が 数多くあります。市民共同発電所の第 1 段として市民の目にふれることのできる場所への設 置を検討しており、同時に協賛企業がわかるような企業 PR も含めた設置方法を検討していき ます。企業としても、環境にやさしい企業としてアピールする絶好の機会と考えられ多くの 寄付が期待できます。
②市民参加型イベントの開催について
池田市には、「サイクル&エコカーニバル」のような市民・事業者・行政が共に連携しあい 取り組んでいるイベントがあり、協賛企業・団体数や市民の参加数は年々増加傾向にあり、
環境への関心がうかがえます。
今後は本イベントを「市民参加型イベント」とし、市民に対しワンコインの募金を参加費 として募り、その基金を市民共同発電所への設置費に充てていきたいと考えています。市民 共同発電所の設置が進めば、市民にとってより環境への親しみがわき、環境意識が高まるこ とが期待できます。
表 サイクル&エコカーニバルの集客数の協賛企業数
協賛企業・団体数 集客数
平成 18 年度 29 300 人(雨天)
平成 19 年度 28 1, 000 人 平成 20 年度 34 1, 500 人
■ 太陽光発電所設置イメージ
市役所前
池田駅前 石橋駅前
4.リユース活動と連携した地域協働型モデル
(1)目的
市民の環境に対する意識の高まりを踏まえ、リユース活動やバザー等、市民が気軽に取り組 めるしくみを活用し、市民共同発電所を導入するモデルを検討します。
保育園・幼稚園・小・中学校等への導入を目的とすることで、児童・生徒が身近に太陽光発 電を体感することができます。さらに、学校から家庭へ、家庭から地域へと、草の根レベルで の取り組みを促し、新エネルギーの普及啓発につながります。
(2)モデルの条件整理
イニシャルコストが高くなるため、市民・事業者にエコ債権(協力金)をお願いすることと します。また、太陽光発電の耐用年数を 20 年と想定します。
モデルの条件整理 事 業 主 体 市民団体
事 業 期 間 20 年間
設 置 費 用 100 万円/ kW(国内平均設置価格単価・工事費込み)
導 入 規 模 10kW以上
導 入 場 所 保育園・幼稚園・小・中学校等公共施設への設置 市民共同活動
による収益
リユース品販売による収益 エコ債権
市民・事業者からの協力金
(+1%で 20 年償還)
資金 計画
補助金
NEDO補助
グリーン電力基金 電気料金
削減
発電された電気を設置施設で全量消費し、その電気料金削減分を事 業主体に支払う。購入電気価格を 11. 06 円/ kWh(高圧)と設定。
グリーン 電力証書
太陽光発電の環境価値をグリーン電力証書で取引。
3. 5 円/ kWh と設定。
運営 資金
メンテナン ス費用
設置費の 5%と設定。(20 年間)
※ 太陽光発電でのデマンド値低下による基本料金削減分の収入は含んでいない。
※ リユースショップ運営・管理コストは含んでいない。
(3)モデルイメージ
(4)収支試算
収益
債権
事業主体
お金の流れ 電気の流れ その他の流れ
太陽光発電 の設定 品物提供
補助金
電気料金削減分の 金額支払 イベント参加
保育園・幼稚園・
小・中学校等
市民
N E D O 補助金 グリーン電力基金 グリーン電力購入
事業者
グリーン電力証書
環境価値 イベント支援
物品提供
償還(5 年)
債権 償還
(5 年)
金額 備考
①設備コスト 10, 000, 000 10kW× 100万円/ kW(想定)
②グリーン電力基金 500, 000 10kW× 5万円/ kW(想定)
③NE DO補助 3, 000, 000 10kW× 30万円/ kW 6, 500, 000 ①−②−③
金額 備考
④エコ債権 2, 500, 000 1口1万円、250口
⑤リユース品販売収入 4, 000, 000 想定 6, 500, 000 ④+⑤
金額 備考
収入
⑥電気料金削減金額(円/ 年) 116, 263
10kW× システム利用率(0.12)× 8, 760(時間/ 年)× 電力会社から の購入単価(11. 06円/kWh)
⑦グリーン電力証書 36, 792 10kW× システム利用率(0. 12)× 8, 760(時間/ 年)× 3. 5円/ kWh 支出
⑧メンテナンス費用 25, 000 設備コストの5%と想定
⑨エコ債権支払い 126, 250 ④÷ 20× 1. 01
1, 805 収入(⑥+⑦)−支出(⑧+⑨)
資金計画
合 計
合計 イニシャルコスト
合 計
年間ランニングコスト
(5)推進に向けての課題
・イニシャルコストとして、650 万円をリユース品販売収入および、エコ債権で集める必要が あります。
・エコ債権については、1%の利子をつけることで、出資へのインセンティブを与えていますが、
約 250 口の協力が必要となります。
・年間収益は 1, 800 円となり、ほとんど収益は出ませんが、リユース品販売を継続することで、
2 基目以降の設置も可能となります。
(6)推進に向けての方策
①リユース品回収・販売について
池田市では現在、家庭で不用になった使用済み天ぷら油の回収を各小学校、エコプラザ、
市役所前等で実施しています。今後、使用済み天ぷら油の回収と同時に不用になった衣類等 の回収ができればと考えています。回収した衣類等については、エコプラザでの販売や保育 園・幼稚園・小・中学校等への導入を検討した際の環境イベントでリユース販売していきま す。
リユース品の売上げは保育園・幼稚園・小・中学校等の太陽光発電施設設置費となり、環 境教育に使われるといった、明確な道筋を示せば、職員の方、PTA の方からの協力が期待で きると考えられます。
表 バザーによる売上金等
名称・主催等 概要
K市社会福祉協議会バザー 物品寄付点数:約 7, 150 点 入 場 者 数:約 1, 000 人
バザー売上げ:約 173 万円(寄付金含む)
収益金の使途:経費を差し引いた収益金は、福祉事業( 一人 暮 し 老 人 の 給 食 サ ー ビ ス 、 在 宅 ケ ア サ ー ビ ス、心配ごと・弁護士・結婚・介護などの各 種の相談事業) 等に活用。
S小学校PTAバザー 物品寄付点数:約 1, 300 点
バザー売上げ:約 15 万円(寄付金含む)
I小学校PTAバザー 出 品 点 総 数:618 点 バザー売上げ:約 10 万円 商店街と連携したバザー
(A中学校)
バザー売上げ:約 83 万円
運 営 方 法 等 :駅前商店街とPTAがタイアップし、駅前通 りを歩行者天国とし、道路上にてバザーを開催。
学園祭におけるバザー
(S学園)
出品点総数:約3, 000点 バザー売上げ:約128万円