第 5 章 画像計測による微小傷の検出
5.5 予備実験
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5.5 予備実験
5.5.1 実験目的
以下の点について確認することを本実験の目的とした.
z 良品と不良品を用い,傷画素数を求め傷占有率で良品・不良品の判定が行えるこ とを確認する.
z 時間が経過しても同様の結果が得られることを確認する.
使用する傷検査装置は,全工程を周囲に開放してあるため,時間とともに僅か だが輝度変化を生じる.このため,同一の製品を用いて,複数回の検査を行うこ とで時間の経過に伴う輝度変化の影響を確認する.
5.5.2 実験方法
実験条件
以下に実験条件を示す.
z 検査対象の内壁全面を検査する
z 検査対象として,予め熟練した検査員が判定した良品2個(OK-1, OK-2),不良品2 個(NG-1, NG-2)を用いる
z 検査面は周囲に開放し,実際に装置を運用する状態と同じ環境で検査を行う
実験手順
以下に実験手順を示す.
1. 検査面を30分割し,12°毎に画像を取得する.
2. 本傷検出方法を適用し,検査面を評価する.
3. 良否・不良品,計4個の製品にそれぞれ30回検査を適用する.
- 106 - 5.5.3 実験結果
良品と不良品の傷検出画像の1つを図 5.13と図 5.14に示す.図 5.13は良品の画像 であるため,傷画素はほとんど検出されていない.図 5.14は傷がある不良品の画像で あり,傷の部分が検出されていることがわかる.
図 5.13 OK-1の画像
図 5.14 NG-1の画像
Original Image
Scratch Image
Original Image
Scratch Image
5.5 予備実験
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良品・不良品2個ずつに対して,30回,傷画素数を検出した結果を図 5.15と図 5.16 に示す.図 5.15は,OK-1とNG-1の結果であり,図 5.16は,OK-2とNG-2の結果 である.それぞれの図の横軸は傷画素数,縦軸は度数である.図中の m は平均値,σ は標準偏差である.
図 5.15 OK-1とNG-1の検出画素数の度数分布
図 5.16 OK-2とNG-2の検出画素数の度数分布
500 1000 1500 2000
NG-1
OK-1 ( m=305.8 / σ=35.1 ) ( m=1091.4 / σ=66.2 )
0 2 4 6 8 10 12 14
Frequency
0
Total of Detected Pixels
500 1000 1500 2000
NG-2
OK-2 ( m=255.2 / σ=30.9 ) ( m=1333.6 / σ=165.9 )
0 2 4 6 8 10 12 14
Frequency
0
Total of Detected Pixels
- 108 - 5.5.4 考察
良品(OK-1, OK-2)は不良品(NG-1, NG-2)と比べ,傷画素の標準偏差が小さく,
毎ステップ安定した結果が得られており,微小時間での輝度変化に対して,提案した傷 検出アルゴリズムはほぼ影響がないことがわかった.このことから,良品の判定には良 い精度が期待できる.これに対して,不良品は,傷で光が乱反射するため,検出画素数 に大きいばらつきが生じているが,図 5.15 と図 5.16 の平均値に示されているように 良品と不良品の傷画素数は明確に異なっており,不良品を良品と判定する可能性は非常 に低い.さらに,1ステップあたりの良品・不良品の傷画像数にあまり差がない場合で も,傷検出ルーチン数を増やすことにより,傷画像を加算していくことで,良品・不良 品は,より差別化でき,確実な良品判定が可能である.
以上のことから,提案した傷検出アルゴリズムは有効であり,良品判定は,傷占有率 Osによって,要求仕様を満たすに十分な判定結果が期待できる.