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中間解析と試験の早期中止

ドキュメント内 JCOGプロトコールマニュアル version 2.3 (ページ 74-77)

12. 統計的事項

12.3. 中間解析と試験の早期中止

・ 試験期間の途中において、試験の主たる目的が達成されたかどうかを判断するために主として有効性のエ ンドポイントの解析を行うことを中間解析と呼ぶ。ちなみに、英語での「interim analysis」は第Ⅲ相試験(通常、

ランダム化第 II 相試験も)の中間解析をさし、2 段階デザインの単群の第Ⅱ相試験における“中間解析”は、

「interim analysis」とは呼ばず、「1st stage decision」と呼ぶ。日本語では「中間解析」と呼んでなんら支障はな いことから、これまでの慣習に則り、JCOG では 2 段階デザインの単群の第Ⅱ相試験における「1st stage decision」も「中間解析」と呼ぶ。

・ ここでは中間解析の目的、時期、解析方法について記述する。定期モニタリングにおいて安全性の点から試 験を中止する場合の規準については、「14.1.定期モニタリング」に記述する。

・ 中間解析・最終解析の詳細な手順については、解析を行う前に別途「解析計画書」を作成してもよい。中間解 析を行わない場合には理由とともにその旨を明記する。

・ 非劣性試験(phase III)の場合、中間解析の場合の有効中止(非劣性中止)、無効中止の規準について十分 に検討する。例えば以下のようなものが考えられる。

有効中止:優越性 or 非劣性+secondary endpointの優越性

無効中止:試験治療群の標準治療群に対するハザード比の点推定値が許容ハザード域(ハザード比

<1.16)を超えて上回った場合

・ 中間解析で登録中止となった場合のその後の追跡期間は、あらかじめ登録完了後の追跡期間としてプロトコ ールで予定していた期間を標準とする。予定していた期間よりも追跡期間を短縮もしくは延長する場合は、効 果・安全性評価委員会に改訂申請が必要である。標準以外の設定を用いる場合、プロトコールに明記するこ と。

12.3.1. 中間解析の目的と時期

例):phase III

試験の途中で本試験の主たる目的が達成されたかどうかを判断する目的で2回の中間解析を行う。1回目 の中間解析は、登録中に登録を続けることが妥当かどうかを判断する目的で、2 回目の中間解析は登録終 了後早期に、予定した期間の追跡を続けるかどうかを判断する目的で行う。いずれの場合も試験の主たる目 的が達成されていると判断された場合は試験を中止し、速やかに試験結果を学会および論文にて公表する。

1回目の中間解析は、予定登録数の半数の登録が得られた時点以降に問い合わせを行う最初の定期モニ タリングのデータを用いて行い、2回目の中間解析は、登録が終了し、すべての登録患者のプロトコール治療 が終了する時期を目途に、データセンターと研究事務局で相談した上で適切と思われる時期の定期モニタリ ングに合わせて行う。

原則として1回目の中間解析中も登録は停止しない。

なお、試験進捗が予定どおり進んだ場合、12.2に示す前提の下での中間解析実施時の期待イベント数は、

JCOGプロトコールマニュアルversion 2.5 74/99

第1回中間解析が登録開始後●年時点、第2回中間解析が登録終了後●年時点で行われるとした場合、そ れぞれ●、●となることが予想される。

例):phase II

登録途中で予想したよりも明らかに有効性が劣っていることが判明した場合に登録を中止する(無効中止)

目的で登録中に1回の中間解析を行う。

逆に予想したよりも有効性が優れていることが判明した場合は、それ以上試験に参加する患者に対する倫 理性は問題とならず、かつ、次の第 III 相試験のために安全性についても十分なデータを蓄積する必要があ ることから、登録は中止しない(有効中止はしない)。

原則として中間解析中も登録は停止しない。ただし、登録ペースが予想より大きく上回っていた場合には、

中間解析がなされるまでに過剰に患者が登録されてしまう可能性があるため、登録の一時停止を行うことが あり得る。予定外の登録一時停止を行うかどうかは、データセンターと研究事務局/研究代表者で相談した上 で決定する。研究事務局/研究代表者、グループ代表者、データセンターの間での意見の調整が困難な場合 には、登録一時停止の有無は効果・安全性評価委員会委員長もしくは副委員長が決定する。

12.3.2. 中間解析の方法

例1)phase III:Lan & DeMetsのα消費関数

中間解析はデータセンターが行う。試験全体のαエラーを片側2.5%(あるいは片側5.0%)に保つために、中間 解析と最終解析における検定の多重性をLan & DeMetsのα消費関数を用いて調整し、群間の生存期間の 差について統計学的有意性を調べる。α消費関数として、O’Brien & Fleming タイプを用いる(→引用: Lan KKG, DeMets DL. Discrete sequential boundaries for clinical trials. Biometrika 1983;70(3):659-663.)。

中間解析の詳細について、データセンターの当該グループ担当統計スタッフは、中間解析の時点までに解 析計画書を作成する。実際の中間解析は、当該グループ担当ではない統計スタッフが行い、中間解析レポー トを作成する。

【優越性試験】

中間解析において、B群の生存期間がA群のそれを上回り、層別ログランク検定のp値が上記方法により 規定された水準を下回った場合、統計的に有意と判断し、原則として試験を中止する。B 群の生存曲線が A 群のそれを下回っている場合には、検定による判断を行わず、総合的に試験中止の是非を検討することとす る。

【非劣性試験】

中間解析において、「12.1 主たる解析と判断規準」に定めた方法で、治療効果のハザード比およびその解 析時点での有意水準に対応する信頼区間を算出し、B群(XX療法)の全生存期間がA群(XX療法)のそれを 上回り、多重性を調整したハザード比の信頼区間の上限が許容ハザード比1.XXXを下回った場合、統計的に 有意に非劣性が証明されたと判断する。

また、非劣性が証明された場合、引き続き優越性の検証を行う。多重性を調整したハザード比の信頼区間 の上限が1を下回った場合、統計的に有意に優越性が証明されたと判断する。

本試験の中間解析結果に基づく判断規準は以下のとおりである。

・ 標準治療群(XX療法)に対して試験治療群(XX療法)が全生存期間で上回っているものの、非劣性が 証明されなかった場合、あるいは、非劣性が証明されたものの優越性が証明されなかった場合はいず れの場合も試験を継続する。

・ 標準治療群(XX 療法)に対して、試験治療群(XX 療法)の全生存期間での非劣性が証明され、さらに 優越性まで証明された場合、試験を中止する(有効中止)。

・ 試験治療群(XX 療法)の全生存期間が標準治療群(XX 療法)のそれを下回っている場合には検定等 の統計学的な判断に制約されずに総合的に試験中止の要否を検討することとするが、ハザード比の 点推定値が許容ハザード域(ハザード比=1.XXX)を超えて上回った場合(試験治療群の許容範囲を超 えて悪い場合)には、試験を中止する(無効中止)。

例2)phase III:SWOGの方法

中間解析はデータセンターが行う。試験全体の有意水準を 5%に保つために中間解析と最終解析による 多重性を考慮し、それぞれの時期における primary endpointの解析においては The Southwest Oncology Group(SWOG)の方法(→引用: Green S, Benedetti J, Crowley J. Interim Analysis and Data Monitoring Committees. In: Clinical trials in oncology. 2nd ed. Boca Raton: Chapman & Hall/CRC; 2003. p.97-122.)に従 JCOGプロトコールマニュアルversion 2.5 75/99

う。下記の有意水準(いずれも片側)を用いる。

1回目中間解析: 0.005 2回目中間解析: 0.005 最終解析: 0.045

それぞれの時期の解析において、○○群の全生存期間が標準治療群のそれを上回り、層別ログランク 検定のp値が上記の有意水準を下回った場合、「統計的に有意」と判断する。

○群の全生存期間が標準治療群のそれを下回っている場合は検定による判断を行わず、総合的に試験 中止の是非を検討することとする。

例3)phase II:SWOGの方法

中間解析はSouthwest Oncology Group(SWOG)の方法(→引用: Green S, Benedetti J, Crowley J. The design of clinical trials. In: Clinical trials in oncology. 2nd ed. Boca Raton: Chapman & Hall/CRC; 2003.

p.41-77.)に準じて以下のようにデータセンターで行う。

登録数が XX 例に達した時点で、データセンターは研究事務局にその旨を通知し、中間解析を行えるデー タが得られる解析時期(○か月後)を予想する。データセンターは研究事務局と協力して予想した解析時期に 適切な中間解析が行えるよう、記録用紙の督促や記録用紙の不明点の問い合わせなどを行う。研究事務局 は解析に先だって記録用紙の検討(CRF review)を行い、解析に用いる効果判定などのデータを確定する。

データセンターは、研究事務局により確定された最良総合効果(11.1.9.)を用いて奏効割合(11.3.6.)を算出 し、得られた奏効割合に基づいて、対立仮説HA(真の奏効割合が○%以上である)が棄却できるかどうかを有 意水準0.05で調べる。対立仮説が棄却された場合、「本治療レジメンは期待された効果が得られる見込みが ない」と判断して試験を中止する。対立仮説が棄却されない場合、「本治療レジメンは期待された効果が得ら れる見込みがある」と判断して登録を継続する。

※オリジナルのSWOGの方法は、全体のαが0.05、中間解析の対立仮説の検定の有意水準は0.02。

例4)<第Ⅱ相試験、2ステージデザインの場合>

中間解析はSouthwest Oncology Group(SWOG)の方法(→引用: Green S, Benedetti J, Crowley J. The design of clinical trials. In: Clinical trials in oncology. 2nd ed. Boca Raton: Chapman & Hall/CRC; 2003.

p.41-77.)に準じて以下のようにデータセンターで行う。

登録数が XX 例に達した時点で、データセンターは研究事務局にその旨通知し、中間解析を行えるデータ が得られる解析時期(○か月後)を予想する。データセンターは研究事務局と協力して予想した解析時期に 適切な中間解析が行えるよう、記録用紙の督促や記録用紙の不明点の問い合わせなどを行う。研究事務局 は解析に先だって記録用紙の検討(CRF review)を行い、解析に用いる効果判定などのデータを確定する。

データセンターは、研究事務局により確定された最良総合効果(11.1.X.)を用いて奏効割合(11.3.X)を算出 し、得られた奏効割合に基づいて、対立仮説 HA(真の奏効割合が〇%以上である)が棄却できるかどうかを 有意水準0.05で調べる。対立仮説が棄却された場合、「本治療レジメンは期待された効果が得られる見込み がない」と判断して試験を中止する。対立仮説が棄却されない場合、「本治療レジメンは期待された効果が得 られる見込みがある」と判断して登録を継続する。

以下に全登録例が全適格例であった場合の判断規準を示す。

表12.3.2.:奏効割合の設定値と判断規準

期待奏効割合 閾値奏効割合 主たる解析で有効 と判断する奏効数

第1ステージ(中間 解析)で無効中止と 判断する奏効数

○○% XX% ≧■(/■■例) <△(/△△例)

*オリジナルのSWOGの方法は、中間解析の対立仮説の検定の有意水準は片側0.02。

12.3.3. 中間解析結果の報告と審査

例)phase II

中間解析結果は中間解析レポートとしてデータセンターより効果・安全性評価委員会に提出され、試験継 続の可否および結果公表の可否について審査を受ける。効果・安全性評価委員会は、審査結果に基づいて 研究代表者またはグループ代表者に試験継続の可否および結果公表の可否を勧告する。

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