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中越金型産業 と EC

「ティア

Ⅰ」

化のためにはマーケティング機能強化 も欠かせない。「ティア

Ⅰ」

化 とは取引関係にお いて相対的に独自性を高めることで もあるのだか ら、それに応 じて販売機能強化の必要性 も高まらざる をえないか らだ。そこで、 この点をやはりIT論 との関連で検討 しておかなければな らない。すなわち 金型EC論をどのように考えるのかということである。

1 .金型 EC と ビジネ ス ・モ デル

では、そもそも金型ECとは何か、またその場合、金型企業のビジネス̲・モデルはどのように変化す るのか。われわれはまず、以上の二点の考察を通 じて金型EC論の解明か ら始めなければな らない。

(1)市場構造の変化と金型EC

まずITがそもそも市場構造を大きく変える可能性を秘めているとい うことに注 目してお こう 製造 業におけるSCM/CALSの浸透は 「バーチャル ・マニュファクチュア リング」 を生み出す とともにそ れと表裏の関係でアセンブラー対パーツ ・サプライヤーの関係をも変化させつつあるという点は先に述 べたところであるが、 ここで見落としてな らないのは両者の関係変化は単にサプライ ・サイ ドにおける 変化だけに止まってはいないという点だ。すなわち供給構造の変化は市場構造の変化にも繋がるのであ る.何故な らば、アセ ンブラーとパーツ ・サプライヤーの関係には当然取引関係 も含まれているのだか ら、取引関係の変イぬ 市場構造の変化に否応な く繋がるか らである。そこでITに関 して も、サプライ ・ サイ ドとディマンド・サイ ドを結びつける媒体 としていわゆるEC一尤 もこの場合のECはとりあえず は

BtoB市場か ら出発 したものであるが‑が必要 とされ(注 1)、その結果SCM/CALSは新たにSCM/CA LS/ECへと変容を遂げることになる。か くして金型版ECすなわち金型ECが登場 して くるのである。

そこで以下では、金型ECとは何か、またその意義は何か‑ということを考察 してお こう。 まず理論 モデルとしての金型EC論を考えてみることにする。それを図示すると以下の通 りである。

[金型産業におけるtT導入と市場構造の変化 ] く従来の金型市場と金型産業)

自動車産業 電機 ・電子産業 機械産業 航空 ・宇宙産業

,L , , A l l

/ , .′+ ̲

金型産業

( 注 )

MP :MarketPlace

† 機械産業 MPP ;Market・PlaceProvider

: 電子 ・電機産業

「金型EC」

く一一∴アセンブラー く‑‑ ティア Ⅰ

<‑I‑.ティアII く=‑ティアⅢ

金型産業

上図は、金型産業におけるⅠでの導入がアセ ンブラTとパーツ ・、サプ ライヤーとしての金型産業 との 取引関係およびそれが依拠 している市場構造を如何に決定的かつ劇的に変化させるか、●またその場合、.

金型ECが何故に重要な役割を果たすか‑ということを端的に示 している。

まず、アセ ンブラーや金型の直接のユーザーである●「ティア

十 と、金型産業 との関係についてみて みると、従来は前者か ら後者へ と一方的にオーダーが出される垂直的かつ一方的な関係であった。従 っ て金型市場の構造も垂直的かつ一方的であった。 ところが、金型産業 にITが導入 され ると両者の関係 が一変することになる。オーダーの流れは水平的かつ双方向的になる訳だか ら両者の関係 もまた自ずか ら水平的 ・双方的な関係に移行する。両者の関係が取引関係を包含する以上、その変化 もまた当然取引 関係に反映す ることになる.か くLt取引関係は水平的 ・双方向的なそれへ と移行するのであるoその 結果金型市場の構造 もまだ水平的 ・双方向的なそれへ と変化する。それに連動 して金型産業におけるビ

1J.

ギネス ・プロセス ・ネットワークもまた変化を遂げることになる.何故な らば取引関係はそもそもビジ ネス ・プ占セス ・ネットワークと表裏の関係にあるか らだ。

ところ'T取引関係の変化が ビジネス ・プロセス ・ネットワークに連動す る場合には新たに 「販売プロ セス」が ビジネス ・プロセスに加わることになる。新 しい取引関係は、独 自のマーケティングを必要と する以上、 ビジネス ・プロセスの‑環をなす 「A 販売プロセス」を伴 うのは当然だか らである.だが取引 関係の変化がそのまま無媒介的に新 しい ビジネス ・.プロセ女 丁ネットワーク形 成に繋がる訳ではない。

この場創 串まいわゆる金型ECの役割が重要である。ITの下での 「販売プロセス」を包含 したビジネス.・ プロセス ・ネッ,hI,ワTクを形成す冬た軸 こ昼、媒介的機能を果たすIT・.すなわ ち

SqM/CALS

が 「販売

41 ‑

プロセス」に密接に関わる金型

EC

と融合 し新たに

S CM/CALS /EC

へ と移行す る必要があるか らだ。

(なお、金型

EC

論に関 しては、 ビジネス ・プロセス論か らのアプローチに加えて、企業経営戦略におけ るIT化の意味 とい う観点か らも捉えてお く必要があろう [第 Ⅱ部第4章 「金型製造業 におけるⅠで活用 の現状 と経営管理上の課題

(山北晴雄)参照]。)

要す るに、ITの下で は、 金型産業 における取 引関係変化が 「新 ビジネス ・プ ロセス ・ネ ッ トワー ク」(注2)形成に繋が るためには、

S CM/CALS /EC

によって支え られ る必要があるとい うことだ。か く して金型

EC

と昼金型産業における新 ビジネス ・プロセス ・ネ:ッ トワーク形成の媒介者 に他な らない とモ い うことになる。言い換えれば金型産業における新 ビジネ ス ・プロセス ・ネ ッ トワークの形成 にとって

金型

EC

は不可欠な存在であるとい うことだ。 7I

しか もこの場合、金型産業の特性 もまた重要な意味を持つ。合金型産業が基盤産業たる金属加工産業 の一翼を担 っているとい うことを想起 されたい.つ まり基盤産業が持つ産業連由性が市場構造の変化を 増幅させ る効果を発揮す るとい う点が重要である。その意味で金型産業は市場構造の変化を牽引す る役 割す ら担 っているのだ。その結果、少な くとも理論モデルとしての金型

EC

は金型市場構造を "劇的"

に変化 させ る役割を担 っていると云えるのである。金型

EC

論の意義 は正にこの点にある。

(2)金型企業の ビジネス ・モデル

① ビジネス ・モデルに関す る方法論的整理

ところで、′ビジネス ・プロセス ・ネ ッ トワーク論 はビジネス ・モデル論 (注3)と密接に関わっている。

従 って この問題に関 して も論点を整理 しておかなければな らない。だが問題の複雑性を考慮すれば、そ れに先立ち方法論的な整理が必要であると考え られる。すなわち、 ビジネス ・モデルは引引関係および その背景をなす ビジネス ・プロセスと密接に関連 している。従 って、 ビジネス ・モデル論 はこの関連性 抜 きに論 じることはで きない。そ こで、媒介的技術であるITの導入 によ って金型産業 における 「取 引 関係」 と 「ビジネス ・プロセス」 さらには 「ビジネス ・tモデル」が どのように変化す るのかという観点 か ら問題を整理 してみよ う。̀その結果 は下図の通 りである。

[lTの導入による金型産業における 「ビジネス ・リレーション (取引関係) [BR]は4)」 ・「ビジネス ・ プ ロセス [BP]」 i 「ビジネス ・モデル [BM]」の変化 ]

A.汀導入前

くパーツ ・サプライヤーを巡るBR・BP関係) rH(.'.‑+lアセ ンブラー・ユーザー

= 1

パーツ .サ

」 I I il

プライヤー

(a) (β) 〜(γ) (6) (e)

(() (

77)

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‑ BP

*業種別 ・企業別BP (汀導入前)

業種企莱

B

P J W. イ ヤ ア ー セ ン

A

自 動

1

.A2.A3(A) B1.

情 報 機 器

(B2.B3B) C

1

.C2.C3(C)

叩;2 〇 〇 〇

● ● ●

〇 〇 〇

叩3 〇 〇 〇 〇 〇 〇

● ● ●

● 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

〇 〇 〇〇 〇 〇 〇 〇 〇〇 〇 〇 〇 〇 〇〇 〇 〇

○印 ;アセンブラーBP

●印 ;パーツ ・サプライヤーBP

‑ 43

*ビジネス ・プロセスと付加価値構造

付加価値

部品生産部門 組立製造部門 販売関連部門

(877 [部品 77]) (aβγ6(叩 [部品 か]) (0 L化)

:‑ BP

(注)BR;BusinessRelation(取引関係) : > ;オー ダー . BP;BusinessProcess .ち与 ‑∴ ・・ト ;財 (製品 ・部品)及びサービスの声れ BM ;BusinessModel

B.汀導入後

くパーツ ・サプライヤーを巡るBR・BPN関係)

'+'ア セ ンブ ラー ,ユ 「ザ ‑

ー ツ .サイ ヤ 消費者

l■ l I

i ispS SCM/LCAL'JEP::

(.a.) I(.β.) (

. T. ) ( . 6. ) (f)

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*業種別 ・企業別BP(汀導入後) 一金型企業のケースー

業種

BP

パ ー . イ ヤ ア ー セ ン

All

自 動 車

.A2.A3(A) B情 報 機 器1.B2.B3(B) C

1

.C2.C3(㌔,C)械

● ● ●

対応T

l. :IIlII

0̀日 ;IlllL ̲

● ● ● 〇 〇 〇 〇 〇 〇

SDS.CALS

‑‑I(773)

一一 ● 一一 ●

I L‑‑ +

;‑‑三‑E

L . 二 [ 壬 0]

∴2 L‑e

[ o]3‑ i

I

1 I

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〇 〇 〇. 〇 〇 〇 ′ ● ● ●

SDS.CA.LS

OpO O, 〇 〇 〇 ̲ 〇 〇 〇

SDS.CALS

;〇 〇 〇 l〇 〇 〇

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iSDS.CALS

:〇 〇 〇 I

i l

t

● O.0 0 i〇 〇 〇 ● ● i E○ ○.○ l ● ● ● 】 lc)o o〇 〇 〇 ● ●

EIl EC芸cECECc

○印 ;アセ ンブラーBP

●印 ;パーツ ・サプライヤーBP

4 5

*ビジネス ・プロセスと付加価値構造 付

加 価 値

部品製造部門 組立製造部門 販売関連部門

(aβγ6r77部 品17]0… ) (aβγ68叩[部品 77]0) (0L凡)

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T . . i L . ‥ H T . . ‥ I ‖‖. I. : L . . ‥. t. ; l l .

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(荏)BR;BusinessRelation(取引関係)

>

;オーダー

BP;BusinessProcess

‑ ‑ ・ ト

;財 (製品 ・部品)及びサ‑ ビスの流れ BM ;BusinessModel ;IN(InformationNetwork) ・BPN BPN;BusinessProcessNetwork

SDS;SolidDataSystem

KSTS;KnowledgeSynthesizingTechnologySystem(なお、KSTS+SDS‑ 「金型 ソフ ト」)

② 金型ECと新 ビジネス ・モデル ・

ところで上図に基づいて金型企業におけるビジネス ・モデルを整理す ると以下の通 りである

A. ー I T

導入前

まずIT導入前についてはどうか.金型企業がパーツ ・サプライヤーの一つであ る以上こ その背景 をEi なすアセ ンブラーとパーツ ・サプライヤーの関係について観ておかなければな らない。まず取引関係の 構造について次の点が指摘 されよう。すなわち、(イ)アセ ンブラー、パーツ ・サプ ライヤーが消費者 に卸 して優位に立 ってお り、その意味で生産者 ・供給者主導型である、(ロ)だが、アセンブラー、パー ツ ・サプライヤー問ではユーザーとしてのアセ ンブラーが優位に立ち、従 って両者の関係は垂直的かつ 片方向的である‑とい うことだ。それは生産者 ・供給者主導型市場構造を反映 していると考え られよう。

次に ビジネス ・プロセスの特徴についてはどうか。■ここでは、アセ ンブラーの ビジネス ・プロセスが 中心をな しているとい うことを強調 しておかなければな らない。 ビジネス ・プロセスは製品別に編成 さ れてお り、そこでパ‑ツ ・サプライヤーは 「製作」 ・ 「生産」プロセスのみに関わってお り、従 ってア セ ンブラーが圧倒的に優位な立場を占めるという結果になっている。つまりパーツ ・サプライヤー企業 の場合にはビジネス ・プロセス別に編成されているために、極めて不利な立場に立たされているのであ る。 こうしたアセ ンブラー主導の ビジネス ・プロセスは上記のアセ ンブラー主導の取引関係 と表裏の関 係をな している。

ところで、 こうした ビジネス ・プロセスが形成される背景には製造業における特殊な付加価値構造が 横たわ っている。すなわち、最 も付加価値の高い ビジネス ・プロセスは製品の組立部門すなわち組立製 造部門であ り、部品生産部門や販売関連部門はその後塵を拝 しているにす ぎない。 こうした付加価値構 造がアセ ンブラー主導の ビジネス ・プロセスを支えているのである。

アセ ンブラーとパーツ ・サプライヤーにおける以上の関係を反映 して、金型企業の ビジネス.・モデル は 「金型製作者」に止まっている。すなわち、 (イ) アセ ンブラー (すなわちユーザー) との取 引関係 においては垂直的かつ片方向であ り、(ロ)従 って ビジネス ・プロセスにおいて も単 に金型製作 とい う

‑プロセスを担 っているに過 ぎない、 ということだ。その結果、金型企業の ビジネス ・モデル もまた

「金型製作者」に止まらざるを得ないのである。

最後に、「金型製作者」の下での 「労働」 はいわゆる熟練労働の レベルに止ま っているとい うことも 指摘 しておかなければな らない。金型製作においては、必要 とされているのは熟練をベースに した労働 の調達であって、そこで問題にされるのはあ くまで も 「労働の熟練度」に過 ぎない。つまり、そこでは モノ作 りのための 「知識」ではな くあ くまで も 「労働」が求め られているのである。

B.IT導入後

では以上の関係は、IT導入によってどのように変化す るのか。 この場合 もやはりアセ ンブラーとパー ツ ・サプライヤーの関係をまず検討 しておかなければな らない。最初に取引関係が市場構造の変化 (注5)

を背景に水平化 し双方向化す る。すなわち、(イ)生産者 ・供給者 と消費者の関係がECを媒介に して水 平的 ・双方向的な関係に移行す るとともに、(ロ)ユーザーであるアセ ンブラーとパーツ ・サプライヤ‑

の関係 もまたSDSを介在 して同様の変化を遂げる。

ビジネス ・プロセスと企業関係に関 して も、ITの導入は企業 を して ビジネス ・プロセス別再編成へ と導いている。SDSに主導 されたSCM/CALS/ECを通 じて新たに形成 されたBPNによ って プロセス 別企業関係が飛躍的に増大す る結果、アセ ンブラーが主導す る製品別 ビジネス ・プロセスとパーツ ・サ プライヤーが依拠す るビジネス ・プロセス別企業関係が並存 し融合す ることになる。その結果、産業組

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