NSKグループでは、お客様や社会のニーズに応えていくため、自動車の技術進化やIoT※、社会インフラ、医療、ロボット などの市場動向を見極めながら、新領域の開拓や新技術の投入によって新しい価値を創造していきます。また、生産面におい ては、スマートファクトリー化を推進し、次世代のモノつくりを目指します。
■ グローバルな技術開発体制
NSKは各地域のお客様の幅広いニーズに柔軟かつ迅速に対応していくため、日本、北米、南米、欧州、中国、韓国、アセアン、
インドの10カ国15拠点にテクノロジーセンター(TC)を展開しています。これらのテクノロジーセンターでは、さまざまな 分野のエキスパートが、産業機械製品、自動車製品、新領域製品の3つのカテゴリーにおいて、地域のニーズに対応した新技 術や次世代製品の開発に取り組むと同時に、情報をグローバルで共有しながら技術サービスの向上に努めています。
2016年度の主な取り組み
2016年度は持続可能な社会の実現に向けて、産業機械設備の効率改善や自動車の低燃費や小型化、安全性向上に貢献する 製品開発に取り組みました。また、第5次中期経営計画の経営課題に掲げる「新成長領域の確立」に向けた取り組みを進めま した。
2016年度の研究開発費は約139億円でした。
● 技術開発の流れ
日本 北米 南米 欧州
グローバル顧客サポート
(グローバルTCネットワーク)
中国 韓国 アセアン インド
アプリケーション開発 産業機械商品開発 自動車
商品開発 新領域
商品開発
コア技術研究&開発 生産技術開発
NSKグループ
について ガバナンス 研究開発 品質保証 労働慣行 地域社会との共生 環境 補足資料
研究開発
■ 状態監視システム(CMS)の開発
IoT化の流れの中で、機械設備のダウンタイム低減や安定操業を目的とした機械設 備の状態監視(CMS=Condition Monitoring System)に対する注目が高まってい ます。NSKでは、一般産業機械用軸受や直動製品、風力・車両用軸受の領域でCMS の開発に取り組んでいます。2016年には、NSKの解析技術を駆使して回転機械の 予知保全技術を実現する軸受異常診断装置「Bearing Doctor BD-2」を開発し、現 在、海外展開に向けて準備を進めています。
また、2017年4月には、産業機械技術総合センターの直下に新たにCMS開発部 を設置しました。これまで製品ごとに個別に進めてきたCMS開発を集約し、プラッ トフォームとなるシステム開発を行うとともに、商品化プロセスや品質管理を共通化 し、CMSにかかわる技術開発や商品開発をより効果的に進めていきます。
■ 生産技術の革新
NSKグループでは、生産設備の設計や製品の加工技術などの技術革新を進め、最低限の人員や消費エネルギーで最大限の 生産を実現することを目指した活動を進めています。徹底的にコンパクト化した生産設備の開発や既存設備に使用する油圧機 器やモータなどを最新の高効率のものに換装するなど、開発部門と生産部門が連携しながら取り組みを推進しています。
■ 技術人材の育成
NSKグループは、グローバル規模での技術の伝承と人材育成に取り組んでいます。グローバルな技術人材の育成を目的と して2007年に設立した教育機関「NSKインスティテュート・オブ・テクノロジー(NIT)」では、学部別・学年別にカリキュ ラムと到達レベルを設定し、試験による単位認定制度を設けるなど、体系的な教育を行っています(詳しくはP.52をご覧くだ さい)。
■ 外部研究機関との連携
NSKの得意分野に外部の技術や視点を取り入れることで、研究開発の領域を広げることが可能となります。このため、
NSKは独自に研究開発を進めるだけではなく、外部のさまざまな研究機関との共同プロジェクトを行っています。
■ 技術ショールームのリニューアル
創立100周年を機に、技術開発センター(神奈川県藤沢 市)にあるショールームのリニューアルを行いました。NSK の100年の歩みや4つのコアテクノロジーを紹介するとと もに、自動車や新幹線、風力発電機、工作機械などのアプリ ケーションごとにエリアを分け、製品やカットモデルを展示 しています。また、ドライブシミュレーターの展示もあり、
実際に、見て、触れて、体験しながらNSKの技術を知って いただけるような内容となっています。
技術開発センター内のショールーム
◦国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の風力発電高度実用化研究開発プロジェクト
◦東京大学大学院新領域創成科学研究科および東洋電機製造株式会社とのワイヤレスインホイールモータの開発
● 外部機関との共同研究開発例
Bearing Doctor BD-2
❶ 高負荷駆動用2倍寿命ボールねじ 「S-HTFシリーズ」
近年、プラスチック製品は自動車向け大型部品から日用品、電子小型部品まで サイズや形状などが多様化し、今後も需要が拡大する傾向にあります。このため、
電動射出成形機の生産性向上や成形部品の多様化への対応が求められています。
NSKは、独自のTF(タフ)処理技術を適用することでボールねじの長寿命化と 耐荷重性の向上を実現し、高負荷駆動用ボールねじ『S-HTFシリーズ』を開発 しました。この製品は電動射出成形機やサーボプレス機などの生産性向上に貢献 します。
❷ 世界初、変速機付きホイールハブモータの実証試験 環境問題への関心が高まる中、ハイブリッド車(HEV)や電気 自動車(EV)、燃料電池車(FCV)など自動車の駆動形式の多様化 が進んでいます。自動車の車体構造にかかわらず、さまざまな 駆動形式に対応できるインホイールモータは、環境性能、安全 性能、快適性能の面からも期待が高く、次世代の駆動装置とし て注目されています。
NSKは、2つのモータと特殊な変速機を用いることでインホ イールモータを小型化し、世界で初めて実証試験を行いました。
ホイールハブモータの試作と評価で得た知見に基づき、今後、減速機内蔵ハブ軸受ユニットやワンウェイクラッチユニッ ト、ミニアチュアケージ&ローラ軸受、耐電食軸受など、構成部品の商品化を目指します。
❸ 「ガイダンスロボット LIGHBOT™」の実用化開始
すべての人々が安全で快適かつ自由に生活できる社会づくりに貢献するため、NSKは、
メカトロ技術を活かして、2004年より人々の生活を支援するヒューマンアシストロボッ トの研究開発を進めています。
2016年度は、「ガイダンスロボット LIGHBOT™」の実用化に成功しました。2017 年4月よりレンタルの受付を開始し、病院などを訪れる視覚障がい者や高齢者などの 利便性を高めるとともに外来者案内の負担を軽減します。なお、「ガイダンスロボット LIGHBOTTM」は、生活支援ロボットの安全性に関する国際規格であるISO13482の認 証を取得しました。(P.60に関連情報を掲載しています。)
製品紹介
http://www.nsk.com/jp/company/news/2016/press1007a.html
http://www.nsk.com/jp/company/news/2017/press0330b.html http://www.nsk.com/jp/company/news/2016/press1226a.html NSKグループ
について ガバナンス 研究開発 品質保証 労働慣行 地域社会との共生 環境 補足資料
研究開発