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中国舶用工業製品の国産化政策

3 中国政府の舶用品国産化政策の動向

3.1 中国舶用工業製品の国産化政策

中国政府が政策の指針として定める「国民経済及び社会発展第 12 次五カ年計画(2011~2015)

要綱」中「第三篇第九章第一節 重点産業の構造調整を推進」の「船舶業界」に関する計画及び中 国工業発展方式の行動プログラムとして定める「工業のモデルチェンジとグレードアップ計画」中 の「船舶及び海洋構造物分野」に関する計画」に基づいて、「船舶工業第12次五カ年計画」、「船舶 工業構造調整加速・変革促進実施方案(2013 年-2015 年)」の二つの要綱が定められ、うち「船舶 工業第12次五カ年計画」は 2011 年 12月に工業信息化部より公布され、舶用工業製品国産化の重 要な指針と位置づけられた。

また、2006 年 9月に国家発展改革委員会及び工業信息化部より公布された「船舶工業中長期発展 計画」は 2006 年から 2015 年までの 10 年間の船舶工業計画が定められ、舶用工業発展の中長期的 な指針となる。

その他に、「工業のモデルチェンジとグレードアップ計画」と「船舶工業第12次五カ年計画」の 政策指針に従って、2012 年 8 月に工業信息化部より「ハイテク船舶科学研究プロジェクトガイド 2012」が策定され、その後、「ハイテク船舶科学研究プロジェクトガイド」の 2013 年版と 2014 年 版も策定され、舶用工業製品の国産化開発・製造の重要なガイドとなっている。

番号 主要政策 計画期間

ア 国民経済と社会発展に関する第 12 次五カ年計画 2011 年~2015 年 イ 工業のモデルチェンジとグレードアップ計画 2011 年~2015 年 ウ 船舶工業第 12 次五カ年計画 2011 年~2015 年 エ 「船舶工業構造調整加速・変革促進実施方案」 2013 年~2015 年 オ 船舶工業中長期発展計画 2006 年~2015 年 サ ハイテク船舶科学研究プロジェクトガイド 2012 2012 年~

シ ハイテク船舶科学研究プロジェクトガイド 2013 2013 年~

以下、上記における中国舶用工業製品国産化政策に関連する内容について取り纏める。

3.1.1 国民経済及び社会発展第 12 次五カ年計画(2011~2015 年)

公布機関:第11 回全国人民代表大会4より審議・決定

公布時期:2011 年 3月16 日

計画期間:2011 年~2015 年

4 「中華人民共和国憲法」に従って、全国人民代表大会は中国最高の国家権力機関である。米国の議会に相当する機関で ある。全国人民代表大会の常設機関は全国人民代表大会常務委員会である。

「国民経済及び社会発展第12次五カ年計画(2011~2015 年)要綱」は、主に中国の国家戦略意 図を明確化し、政府の重点項目を明らかにし、市場を一定の方向へ導き、2011 年から 2015 年まで の計画期間における中国の経済発展の指針となるものである。

「国民経済及び社会発展第12次五カ年計画(2011~2015 年)要綱」は、16編62章から構成さ れ、うち「第三編第九章 製造業のグレードアップ」における「ハイテク・高付加価値船舶と舶用 機械の発展」は、中国造船業及び舶用工業の第12次五カ年計画期間の政策指針である。また、「特 別欄4 製造業発展の重点方向」における「舶用工業と搭載率のレベルを向上する」は中国舶用品 製造業の発展方向を明示し、「国民経済及び社会発展五カ年計画要綱」では始めて「搭載率レベル の向上」が取り上げられており、舶用品国産化向上への関心の高まりが窺える。

以下、「国民経済及び社会発展第12次五カ年計画(2011~2015 年)要綱」における船舶関連政策 を取り纏める。

第三編 グレードアップして、産業の中心的な競争力を高める

産業構造を最適化し、品種・品質を改善し、産業集積度を向上し、遅れている産業 を淘汰し、先端的な装置製造業を発展させ、原材料工業を調整・最適化し、消費材工 業をグレードアップし、製造業を「大」から「強」まで変化させる。

第九章 製造業のグレードアップ 第一節 重点産業の構造調整を推進

船舶業界は国際的な新基準に適応し、近代的な造船モデルを構築し、ハイテ ク・高付加価値船舶と舶用機械を発展させなければならない。

特別欄:製造業発展の重点方向 02 船舶

・国際造船新規範に従って、ばら積み貨物船、オイルタンカー、コンテナ船の三大主 流船型のグレードアップを推進し、舶用工業と搭載率のレベルを向上する。

・大型液化天然ガス(LNG)船、大型液化石油ガス(LPG)船、遠洋漁船、クルーズ船 等ハイテク・高付加価値船舶を重点的に発展させる。

・海洋移動掘削プラットフォーム、浮体式生産システム、オフショア作業船と補助船 及び主要搭載機械・システムの自主設計と製造を加速する。

3.1.2 工業のモデルチェンジとグレードアップ計画

公布機関:国務院

公布時期:2011 年 12月30 日

実施期間:2011 年 1月1 日~2015 年 12月31 日

「国民経済及び社会発展第12次五カ年計画(2011~2015 年)要綱」の具体的な施策として「工 業のモデルチェンジとグレードアップ計画」が工業信息化部、発展改革委員会、科学技術部、財政 部、国土資源部、環境保護部、商務部、国有資産委員会、国防科学工業局、煙草局等と共同で作成 され、2011 年から 2015 年まで5年間中国工業発展方式の行動プログラムとなっている。

船舶と海洋構造物は「工業のモデルチェンジとグレードアップ計画」での六つの重点分野として 取り上げられており、うち舶用品国産化関連内容については「主要船型における国産機器・設備の 平均搭載率は 80%を目標とする。」と明確に定められている。

以下、「工業のモデルチェンジとグレードアップ計画」における船舶及び海洋構造物分野に関す る計画内容について取り纏める。

項目 主要内容 2015 年

目標

主要船型における国産機器・設備の平均搭載率 80%

海洋構造物の世界市場シェア 20%

船舶工業上位 10 社の企業の産業集積度 70%以上

主要船型

新しい国際的な基準及び規則に対応した船舶の新しいモデルを構築し、

製品ラインナップの最適化に力を注ぎ、ブランド力を高める戦略を実施 し、バラ積み貨物船、タンカー(ケミカル船を含む)、コンテナ船等の主 要船型のモデルチェンジとグレードアップの推進を加速させる。

ハイテク船

LNG 船等のハイテク船舶の設計建造技術を把握し、基礎的な共通技術と 将来的な技術の研究を強化することを通じて、船舶分野でのイノベーシ ョンを行う仕組みを構築する。

舶用機械

自国製の舶用機械の搭載率をアップし、優位性の高い舶用機械製品の市 場におけるポジションを固め、舶用機械製品の技術レベルをアップする とともに主要な機器・設備の交換部品等の供給体制を整備する。

海洋構造物

大水深で使用する設備の鍵となる技術課題をブレークスルーし、海洋石 油・ガス等の海洋資源の開発に全力をあげ、海水淡水化設備及び海洋観 測機器設備の産業化を積極的に推進し、珠江デルタ、揚子江デルタ、環 渤海で三大海洋構造物産業集積地区を建設する。

省エネ船

省エネ船舶、船舶推進装置

システムインテグレーション(SI)

、深 海資源探査採掘設備、深海ステーション等のプロジェクトの実施を組織 的に行い、その過程で、省エネ・高効率船の建造、情報技術を応用した 近代造船、自国製品の搭載率向上を実現する。

「本計画」における工業モデルチェンジとグレードアップの重点項目の中に、電子機器の開発 と産業化を加速して、船舶業界の製品の情報処理技術レベルの向上に力を入れることが求められて おり、この要求を具体化するために「本計画」の中に統合船橋システム技術、全世界測位システム

(GPS)製品システムインテグレーション(SI)技術、舶用自動認識技術等が含まれている。

3.1.3 船舶工業第 12 次五カ年計画(2011~2015 年)

公布機関:工業信息化部

公布時期:2011 年 12月12 日

計画期間:2011 年~2015 年

船舶工業第12次五カ年計画は、中国「国民経済と社会発展の第12次五カ年計画綱要」、「工業モ デルチェンジ・グレードアップ計画(2011~2015 年)」及び「船舶工業中長期発展計画(2006~2015 年)」に基づいて策定され、金融危機後 2009 年に公表された「船舶工業調整と振興計画(2009 年~

2011 年)」と関連性を有している。

「船舶工業第 12 次五カ年計画」において、舶用工業製品についての国産化政策を次のように定 めている。

2015 年までの発展目標値

3.1 舶用工業製品の年間売上高を 3,000億元とする。

3.2 売上高 100億元以上の舶用エンジン・甲板機械メーカーを 5~6社つくる。

3.3 主要舶用機械の平均搭載率を 80%とする。

3.4 知識財産権の持つブランド舶用機械の搭載率を 30%とする。

3.5 海洋構造物用機械の搭載率を 30%とする。

技術進歩・革新の推進(舶用関連)

技術の導入・理解・独自化を強化し、重点舶用機械の設計力を高める。

舶用機械とシステム等分野の基礎共通技術研究を強化し、先進的な設計方法と設計ソフ トウェアの研究開発を行う。

重大創造プロジェクトを実施し、製品開発、重要技術の問題解決、舶用機械と重点部品 の研究・製造、試作機の研究・製造、工事モデル応用等を融合させ、関連分野の技術課 題を系統的に解決する。

中核企業は、国家級の舶用機械研究開発実験センターの構築を主導・支援する。

重大創造プロジェクトにより舶用低・中・高速ディーゼルエンジンと舶用補機の自主研

究開発プラットホームの確立と整備を行う。

自国ブランドの品質向上

舶用中高速ディーゼルエンジン、舶用発電機、甲板機械、機関室内クレーン等の船内機 械等のアドバンテージのある舶用機械分野において、国際競争力を有する中国ブランド 製品を樹立する。

大型船舶企業集団の海外有名ブランドへの投資・買収を推奨する。

船舶建造システムの効率化

情報技術を利用した造船設備の開発で得られた知見を活用し、主要な舶用企業の生産設

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