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下水道管理者の空洞発生防止に向けた取組の現状

第2章 既往の技術・研究

2.4 下水道管理者の空洞発生防止に向けた取組の現状

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2.4.2 下水道管が原因の空洞成長メカニズムと調査技術 図‐2.4.1に一般的な下水道管の布設状況を示す.

下水道施設は,下水が流下する管路とマンホールの管路施設と宅地内の汚水を 管路施設へ接続する取付管と汚水ますからなる.近年の下水道施設は,水密性を 高めるため,また耐腐食性能を高めるために塩化ビニル管を採用することが多い が,老朽化が顕在化している管路施設の多くは,陶管や鉄筋コンクリート(ヒュ ーム)管である.前述したように,供用している下水道管は,原則として下水を 自然に流下させている.このため,何らかの原因で管路施設が開孔してもその不 具合を発見できずに時間経過する場合が多い.また,その破損孔などから土砂が 流入しても,最下流の下水処理場でその異常を発見することは困難である.こう した状況のなか,管路施設の脆弱部分が老朽化によって破損した場合や硫化水素 ガスによりコンクリート管が腐食破損し,破損箇所から周辺土砂が流入すると予

(断面図) (縦断図)

図-2.4.1 下水道(汚水)管布設状況

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想される.特に,陶管や鉄筋コンクリート管(ヒューム管)などの材質は,それ ぞれの部材を接続して連続した一体の施設となっているが,接続部の強度や偏荷 重などの原因や“抜け”や“屈曲”によって破損や破断しやすい.

一般的な下水道管の埋設状況を図‐2.4.2 に示す.地盤の条件は埋設する環境 によって異なるが,老朽化が懸念される10年以上経過した管路の埋戻し土には,

山砂が使用されていた.このような状況で降雨時に雨水が浸透する経路は,

① マンホール・汚水ますの蓋穴から直接内部へ浸入.

② 蓋受枠の外側から掘山に浸透し,管継手部・管とマンホールの接続部,マ ンホール部材の接合部,汚水ます部材の接合部から浸入.

③ 道路側溝とアスファルトの間,もしくはアスファルトクラックなどから路 盤,掘山へと浸透し,上記②と同様に浸入.

④ 側溝の継ぎ目から路盤,掘山へと浸透し,上記②と同様に浸入.

図‐2.4.2 下水道管の埋設状況と雨水の浸入経路

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⑤ 宅内の誤接合,もしくは汚水ますや蓋の破損.

であると考えられる.なお,①~④は図‐2.4.2 の番号に対応する(以降,経路

①,②…と記す).

降雨開始とともに,雨水はまず,道路側溝へ流入するとともに経路①~⑤へも 流れ込む.このため,降雨開始直後は,経路①,⑤からの雨水で水温が低下し,

一定時間経過後からは,経路②~④で浸透した雨水が掘山内に滞留し,徐々に管 路内へ浸入すると推測する.

以上,述べたように降雨時に雨水が地中を浸透して破損した下水道管に流入す る場合,下水道管周辺の土砂が雨水と一緒に下水道管に流れ込み,その結果,空 洞が発生し,その空洞が徐々に大きく進行し,かつ段々と地表面へと上昇して道 路陥没に至ると考えられる.したがって,何らかの原因で破損,あるいは開孔し た下水道管路の周辺には,空洞が発生しているリスクが高い.換言すれば,道路 陥没を未然防止するためには,下水道管路の不具合箇所を発見すること,さらに は雨天時浸入水などの不明水が流入する箇所を特定することが重要であるといえ る.

不明水の調査手法としては,大別して浸入水を目的とした流量調査,注水試験,

水圧・圧気試験,また,誤接合をターゲットとした送煙調査,音響調査,染料調 査,温度センサーによる調査技術などがある.さらに詳細は,管路内を TV カメ ラによって調査するのが一般的である.

例えば,温度センサーによる技術 15は,比較的広域な調査範囲から異常箇所 を効率的に絞り込むスクリーニング技術の一手法として,主に雨天時浸入水が管 路内水温に影響することに着目し,対象区域に対してマンホールごとに温度セン サーを用いて水温を測定し,専用ソフトで解析することで,不明水の流入箇所,

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すなわち管路の異常箇所を特定,絞り込むものである.

水温センサーによる不明水調査は,下水道管理者が維持管理で実施して,不明 水が下水管路施設に浸入箇所を特定し,補修することによって,路面下空洞の発 生を未然に防止するものの一例であるが,膨大な管路延長から効率的・効果的に 施設の不具合箇所を絞り込むスクリーニング技術の開発が望まれるところであり,

管理者による維持管理対策が進められている.

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