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ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 30-33)

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大振幅一回繰り返し載荷

漸増振幅繰り返し載荷

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図3.38 軸力一曲げモーメント相関関係と実験結果

‑142‑

3.4.3  まとめ

本節では,角形

CFT

短柱の一定軸力下における繰り返し等曲げ実験と中心圧縮実験の結果について 示したo等曲げ実験の実験変数は加力方法と幅厚比が30,60, 90と軸力比が0

0.4であり,合計11 体の試験体を作成して実験している。また,本節では,実験の最大曲げモーメントと,コンクリート強 度の低減係数を1.00として計算した一般化累加耐力とコンクリ ート強度の低減係数を0.85として計算

したものとの比較を行ったD

この実験では,鋼管の幅厚比と軸力比と加力方法を変数として,角形

CFT

短柱の曲げ履歴挙動につ いて考察し,以下の結論を得た。

( 1 )中心圧縮耐力は鋼管の幅厚比によらず,第2章で提案している中心圧縮耐力式で概ね評価が可能 である口

( 2 )中空鋼管と

CFT

の鋼管との座屈性状を材軸方向に連続して添付したひずみゲージによって比較し たところ,中空鋼管柱の2体の実験結果に関しては観測区間で局部座屈が発生しなつかったので 比較ができなかったが,中空鋼管試験体CRA4‑2‑0と

CFT

試験体CR4‑25に関しては明確な差異を 観察できた。これより,大変形時の

CFT

の鋼管は座屈波が数波観測され, C円の鋼管の負担軸力 は中空のそれよりも大きいと考えられるデータを得た。

( 3 )曲げモーメント 曲率関係および重心軸ひずみ一曲率関係より,軸力比が高い試験体ほど最大耐 力後の劣化が激しく,重心軸ひずみも大きくなる現象が示された。軸力比が小さい試験体におい ては,幅厚比の影響による耐力低下の勾配の差はそれ程顕著には見られないが,軸力比が大きい 試験体については一般化幅厚比が大きくなるほど脆性的な挙動を示すことが示された。

( 4 )実験の最大曲げ耐力に関しては,コンクリート強度の低減係数を1.00として計算した一般化累加 耐力でほぼ精度良く最大曲げモーメントを評価できる。しかしながら,幅厚比が一番大きいB/t= 98.0で軸力比が0.4の試験体に対しては,計算値は実験値を過大に評価する結果となった。これは,

鋼管の幅厚比の増大に伴う局部座屈耐力の低下が原因と考えられる。

( 5 )軸力比が0.2の試験体に関しては,大振幅一回繰り返し載荷の実験結果は概ね漸増振幅繰り返し 載荷の実験結果の包絡線と一致することが示された。

( 6 )漸増振幅繰り返し載荷を受ける軸力比が0.4の試験体に関しては,幅厚比が98.0の試験体を除い て重心軸ひずみは載荷に伴い累積するが,曲げモーメントがある一定値に収束する現象が観測さ れた。

( 7 )繰り返し変形挙動に関しては,幅厚比が小さいものは鉄骨部材の履歴特性に近く,幅厚比が大き いものはRC部材のそれに近い挙動を示す。

( 8 )軸方向変形の累積現象に関しては 軸力比の影響が支配的で幅厚比や載荷方法の影響はそれ程顕 著ではない。このことは,重心軸ひずみの累積の有無を安定挙動の判定基準とする場合,これを

‑143‑

決定する主要な因子は振幅や繰り返し回数,幅厚比ではなく,軸力比が主要な影響因子であるこ とを示している。

結論(7 )に関しては コンクリート強度を一定としている本実験から得られたものであるため,コ ンクリート強度の影響については現段階では不明であり,今後の課題としたい。また,最大曲げモーメ ントは概ね一般化累加耐力で評価できることが示きれたが,変形能力に関しては鋼管の幅厚比と軸力比 と載荷方法によって異なる性状が観察された。これらは応力一ひずみ関係の除荷および再負荷則のモデ ルを検討する資料となる。角形CFT短柱の履歴性状に関する詳細な検討は,本節で示した実験と曲げ せん断実験の履歴性状と比較して考察する必要があると考えられ,第5章「繰り返し曲げおよび曲げせ

ん断性状j において述べる。

~

~ 3.5  結論

本章では,最も基礎的な複合応力である軸力と曲げモーメントを受ける柱の実験を行い,一定軸力下 での曲げモーメントー曲率関係について考察したoまた,曲げ実験と共にCFT試験体の中心圧縮試験 と試験体に用いた中空鋼管の中心圧縮試験も行っており,等曲げ実験における耐力と破壊現象の考察用 の資料として本章に示した口

本章では,異なる研究目的を持つ二種類の実験, 一つは高強度コンクリートを用いた角形CFT短柱 の単調等曲げ実験, もう一つは一般的に用いられている強度の組み合わせを持つ角形CFT短柱の一定 軸力下における繰り返し等曲げ実験について述べた。両者の実験より得られた結果を以下に纏めるが,

前者の実験を97年実施実験,後者の実験を98年実施実験と略す。

( 1 )高強度コンクリートを用いた97年実施実験より得られた中心圧縮耐力は,幅厚比が比較的小さい ものでも単純累加耐力を下回り,鋼管の局部座屈およびコンクリートのす法効果を考慮した提案 式においても実験耐力を過大に評価する結果となった。一方,普通強度のコンクリートを用いた 98年実施実験に関しては,提案耐力式で実験耐力を安全側に精度良く評価できた。

( 2 )材軸方向に連続して添付したひずみゲージによる中空鋼管とC町の鋼管との座屈性状を比較した ところ, 97年実施実験および98年実施実験ともに明確な差異を観察できたo鋼管の幅厚比の違い により,充填コンクリートの膨張による鋼管の局部座屈性状の促進が考えられることや,内部コ ンクリートの存在により,大変形時のCFTの鋼管の軸負担力は,中空のそれよりも大きいと考え られるデータを得た。

( 3 )曲げモーメント一曲率関係と重心軸ひずみ一曲率関係より,試験体の軸力比および鋼管強度が高 くなるほど最大耐力後の劣化が激しく,軸ひずみも大きくなる現象が示された。軸力比が小さい 試験体においては,幅厚比の影響はそれ程顕著には見られないが 軸力比が大きい試験体につい ては一般化幅厚比が大きくなるほど脆性的な挙動を示すことが示された。このことは, 97年実施 実験および98年実施実験ともに同じ結論でコンクリート強度に関係なく前述したことは示される。 ( 4 )実験の最大曲げ耐力に関しては, SRC規準の終局曲げ耐力式である一般化累加耐力との比較を

行った。一般化累加耐力の算定にあたっては,コンクリートの強度低減係数/uの値として1.00と 0.85を用いているが, 98年実施実験の結果に関しては, /uを1.00として計算した曲げ耐力でほぼ 実験値を評価できることが示されたO しかしながら, 97年実施実験に関しては荷重一変形関係に おいて最大耐力後の顕著な劣化が観測された軸力比が高い試験体 鋼管強度が高い試験体は累加 耐力を大きく下回る結果となった。以上より,曲げ耐力にはコンクリート強度が大きく影響する

ことが示された。

‑146‑

第3章 の 参 考 文 献

3.1)松井千秋,津田恵吾,尾崎功,石橋靖夫:コンクリート充填鋼管長柱の耐力,日本建築学会構造 系論集,第494号, pp.137144,1997.4. 

3.2)美野英司,松井千秋,津田恵吾,石橋靖夫,中村秀司,岡田忠義:高張力鋼を用いたコンクリート 充填角形鋼管長柱の座屈実験,日本建築学会大会学術講演梗概集, pp.811‑812, 1995.8. 

3.3)鄭真安,津田恵吾,松井千秋:高強度コンクリートを用いたコンクリート充填角形鋼管長柱の耐 力,鋼構造論文集, Vo.I5,No.20, pp.323‑334 ,1998.12. 

3.4)松井千秋,津田恵吾,藤永隆:実験データベースに基づくコンクリート充填鋼管柱の終局曲げ耐 力,構造工学論文集, Vo.143B, pp.587‑595, 1997.3. 

3.5) Kawaguchi,J., Morino,S., Shirai, J.  and Tatsuta,E.: Database and Structural Characterisitics of CFf Beam‑

Columns, Proceedings of Fifth  PSSC, Seoul, Korea, Vo1.2, pp.955960,1998. 10.  3.6) 日本建築学会:コンクリート充填鋼管構造設計指針, 1997. 

3.7) Furlong,R.W. : Strength of Steel‑Encased Concrete Beam‑Columns, ASCE J.Struct. Div., Vo1.93. No. ST5,  pp.113‑124,1967.1O. 

3.8) Tomii,M. and Sakino,K. : Experimental Studies on the Ultimate Moment of Concrete Filled Square Steel  Tubular Beam‑Columns, Transactions of AIJ, Vo1.275, pp.55‑65, 1979.1. 

3.9) Nakahara,H. and Sakino,K. : Axial Compressive and Uniform Bending Tests of High Strenghth Concrete  Filled Square Steel Tubular Columns,Proceedings of Fifth  PSSC, Seoul, Korea,Vo.I2, pp.943948,1998. 10.  3.10) Varma,A.H., Hull,B.K.,  Ricles,J.M., Sause,R. and Lu, L.W. : Experimental Studies of High Strength CFf 

Beam‑Columns, Proceedings of Fifth  PSSC, Seoul, Korea, Vo1.2, pp.893‑900, 1998. 10.  3.11 )日本鋼構造協会:JSSC, No.28, 1998. 

3.12) Popovics,S. : A Numerical Approach to Complete Stress‑Strain Curve of Concrete, Cement and Concrete  Research, Vol.3, pp.583‑599, 1973. 

3.13)宇佐美勉,他:鋼圧縮部材の連成座屈強度実験と有効幅理論による解析,土木学会論文報告集,

第326号, pp.41‑50, 1982.10. 

3.14)宇佐美勉,他:溶接箱形断面柱の局部座屈と全体座屈の連成強度に関する実験的研究,土木学会 論文報告集,第308号, pp.4758,1981.4. 

3.15)津田恵吾,他:一定軸力下で水平力を受ける角形鋼管柱の耐力,日本建築学会構造系論文集,第 512号, pp.149‑156, 1998.10. 

3.16)中村敏治,他:プレーンコンクリートのす法効果に関する実験的研究,日本建築学会大会学術講 演梗概集, pp.883‑884, 1997.9. 

147‑

3.17)姥 川 利 彦 , 他 : 引 張 力 を 受 け る コ ン ク リ ー ト 充 填 円 形 鋼 管 柱 の 拘 束 効 果 , 構 造 工 学 論 文 集 , VOL.43B, pp.573‑579, 1997.3. 

3.18)姥川利彦,中原浩之,崎野健治:コンクリート充填角形鋼管柱の終局曲げ耐力算定法に関する考 察 (曲げ引張側の拘束効果を考慮した場合),日本建築学会大会講演梗概集, pp.911912,1997.9.  3.19)日本建築学会:鋼構造計算規準, 1973.5. 

3.20)日本建築学会:鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説, 1988.7. 

3.21)鈴木敏郎,元結正次郎,太田秀彦:純圧縮を受けるコンクリート充填角形鋼管短柱の座屈および 座屈後挙動,日本建築学会構造系論文集,第486号, pp.143151,1996.8. 

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 30-33)

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