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12 2.4.4 まとめ
~ 2.4では,日米共同研究の中心圧縮実験結果を基に構成したコンクリート充填角形鋼管短柱の単軸 応力一ひずみ関係モデルについて述べた。本節で提案したモデルは高強度コンクリートを除く材料強 度と鋼管の幅厚比に対して実験結果を精度よく予測できる。高強度コンクリートを用いた試験体に関し ては,モデルは剛性を過大に評価する傾向が見られ,高強度コンクリートを充填した試験体に関する適 用性が十分ではないことが示された。これらの点の改良法は,今後の研究課題である。
図2.33(a)に,実験耐力と提案モデルを用いて求めた最大耐力との比を示す。同 図 (b )は実験値 と前節「中心圧縮耐力jで示した中心圧縮耐力算定式との比である。応力一ひずみ関係モデルを用いて 得た計算値には,鋼管のひずみ硬化,鋼管およびコンクリートの強度時ひずみの差異の影響を含んでお り,式 (2.22)の中心圧縮耐力算定式よりも平均値は1.0に近く,標準偏差も小さくなっていることが 分かる。しかしながら,両者の平均は, 1.020と1.032で,標準偏差は0.054と0.058となっており,こ の差はそれ程大きなものではない。従って,鋼管のひずみ硬化,鋼管およびコンクリートの強度時ひず みの差異の影響を考慮に入れない式 (2.22)の中心圧縮耐力算定式でも精度上の問題は無く,簡便な評 価法としては,前節の耐力算定式が妥当であることを示している。
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図2.32(a) 中空鋼管の実験結果と提案する鋼管モデルの比較 (95年発表文)
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1.0 0.8
( a )応力一ひずみ関係モデルから求めた計算値 ( b )前節の提案耐力式より求めた計算値 図2.33 実験耐力と計算値の比較
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図2.32(b) 中空鋼管の実験結果と提案する鋼管モデルの比較 (96年発表文)
0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
ー78‑ ‑79‑
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2.5 結論本章では,日米共同研究における21体の中空鋼管および48体の角形CFI'短柱の中心圧縮実験結果に 基づき,中心圧縮耐力算定式の提案と中心圧縮性状のモデル化を行った。また,中心圧縮耐力算定式の 精度については,文献調査より得た角形CFI'短柱112体の実験結果を用いて検討したロ本章で示した実 験結果は,大きな幅厚比の鋼管や高強度材料を用いた試験体を含む広い範囲の実験変数を持ち,提案し た中心圧縮耐力算定式および中心圧縮性状のモデルは, C町指針の適用範囲を超える実験結果に関して
も適用可能なことが特徴として挙げられる。本章において得られた結果を以下に示す。
中心圧縮耐力に関しては,鋼管の拘束による充填コンクリートの強度上昇の有無に関して様々な意見 がある中,拘束効果によるコンクリートの強度上昇が中心圧縮耐力に及ぼす影響はあまり無くむしろ鋼 管の局部座屈による耐力低下が重要であることを示し, 一般化幅厚比の関数とした中心圧縮耐力の低減 法を示した。また,日米共同研究の円形 CFI'柱の中心圧縮実験において得られた知見と同様に,角形 CFI'柱にもコンクリートの圧縮強度に関するす法効果が耐力に及ぼす影響が認められ,これを米国開拓 局の実験結果を用いて評価した。実際の設計式においては,コンクリートの低減係数を従来のSRC規準 や, RC規準と同じく0.85を採用したが,これは寸法効果によるものとしている。文献収集より得た既 往の実験結果及び日米共同研究の実験結果に対して,提案する中心圧縮耐力式はやや安全側に精度良く その耐力を予測できることを示した。実験結果と計算値の比の平均および標準偏差は,日米共同研究の 実験結果に関しては 1.032. 0.058で,既往の実験結果に関しては, 1.062, 0.076であった。安全側に 耐力を評価する理由としては 鋼管のひずみ硬化が主な原因として挙げられるが,これは設計上の余力
と考え,中心圧縮耐力の評価式を構築している。
中心圧縮性状のモデル化に関しては,中心圧縮耐力算定式の提案の際に得られた知見を基に充填コン クリートおよび鋼管の断面における平均的な応力一ひずみ関係モデルの提案を行った。充填コンクリー トの応力一ひずみ関係は,崎野・孫の提案による応力一ひずみ関係を基に鋼管の拘束によるコンクリー トの耐力上昇は無視するが,拘束による靭性改善効果を考慮に入れたモデルの提案を行った。鋼管の応 力‑ひずみ関係に関しては その最大耐力がひずみ硬化により降伏強度に比して大きくなる場合,局部 座屈により小さくなる場合 降伏強度と等しい場合の3通りに区分して この判別を鋼管の一般化幅厚 比の関数とする方法を提案している。また,日米共同研究の中心圧縮実験の荷重一変形関係と提案した 充填コンクリートの応力一ひずみ関係から,鋼管の局部座屈による耐力下降域,その後の相互拘束効果 による耐力の安定域を定義して, 4線形または3線形モデルで鋼管の応力一ひずみ関係を構築した。提 案した応力一ひずみ関係を用いれば鋼管および充填コンクリートの強度,鋼管の幅厚比によらず,精 度良く実験の中心圧縮挙動を評価できることを示した。また,実験の最大耐力に関しては,提案した応 力一ひずみ関係を用いて求めた場合と提案している中心圧縮耐力式を用いた求めた場合とでは精度の違 いはそれ程無く,鋼管およびコンクリートの強度時ひずみの差異や鋼管のひずみ硬化はさほど中心圧縮
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耐力に影響しないことを明らかとし,提案した中心圧縮耐力式の妥当性を示した。
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第2章の参考文献
2.1)日本建築学会:コンクリート充填鋼管構造設計施工指針, 1997.
2.2) Tomii,M., Yoshimura,K., Morishita,Y. : Experimental Studies on Concrete Filled Steel Tubular Stub Col‑ umns under Concentric Loading, Proceedings of the Intemational Colloquium on Stability of Structures under Static and Dynamic Loads, SSRC, ASCE, Washington D.C., pp.718‑741, 1977.3.
2.3)加藤勉:コンクリート充填鋼管短柱の圧縮強さ,変形能力(コンクリート充填鋼管柱の耐力,変 形能力の研究,その 1),日本建築学会構造系論文集,第468号, pp.183‑191, 1995.2.
2.4)宮木聡,松井千秋,津田恵吾,畑戸龍夫,今村輝武:遠心成形コンクリート充填角形鋼管柱の軸 圧縮耐力式,構造工学論文集, Vo1.43B, pp.581・586,1997.3.
2.5)岡本達夫,前野敏元,益尾潔,西津英和,他:高強度遠心成形鋼管コンクリート柱の圧縮耐力に 関する実験的研究,日本建築学会構造系論文集,第469号, pp.137・147,1995.3.
2.6)向井昭義,他:ハイプリッド構造に関する日米共同構造実験研究 (C町ー1)コンクリート充てん鋼 管柱の軸圧縮特性,実験計画,日本建築学会大会学術講演梗概集, pp.735・736,1995.8.
2.7)馬場武士,他:ハイプリッド構造に関する日米共同構造実験研究 (CFT‑2)コンクリート充てん鋼 管柱の軸圧縮特性,角形断面柱の実験結果,日本建築学会大会学術講演梗概集, pp.737‑738, 1995.8. 2.8)向井昭義,他:ハイブリッド構造に関する日米共同構造実験研究 (C打ー9)コンクリート充てん鋼
管柱の曲げせん断性状,その1.実験計画,日本建築学会大会学術講演梗概集,pp.1023‑1024, 1996.9. 2.9)馬場武士,他:ハイプリッド構造に関する日米共同構造実験研究 (CFT‑I0)コンクリート充てん
鋼管柱の曲げせん断性状,その2.コンクリート充てん鋼管柱の中心圧縮実験,日本建築学会大会 学術講演梗概集, pp.l025‑1026, 1996.9.
2.10)藤本利昭,他:高強度材料を用いたコンクリート充てん鋼管短柱の軸圧縮特性,日本建築学会構 造系論集,第498号, pp.161・168,1997.8.
2.11) 日本建築センター:構造計算指針・同解説, 1991.
2.12)崎野健治,姥川利彦:鋼管内の充填コンクリートの強度に関する一考察,日本建築学会大会学術 講演梗概集, pp.1731‑1734, 1993.9.
2.13)上遠野明夫,山口種美:充填型鋼管コンクリート柱に関する研究,その2.中心圧縮実験,日本建 築学会大会学術講演梗概集, pp.1615‑1616, 1989.10.
2.14)山口育雄,菅野俊介,長嶋俊雄,平井亨,沢田博:充てん型鋼管コンクリート短柱の中心圧縮実 験,日本建築学会大会学術講演梗概集, pp.1353・1354,1988.10.
2.15)山田大彦,山田聖志,笠松富二夫:板要素が点支持されたコンクリート充填箱形断面柱の局部座 屈と変形能力,日本建築学会大会学術講演梗概集, pp.2731・2732,1984.10.
2.16)富井政英,吉村浩二,森下陽一,吹原正晃:中心圧縮を受けるコンクリート充填鋼管短柱の弾塑
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