個々の語についてみるならば, 「Fナリ」では教員と研究老層に送らないものが多く, 「オタ ガイ」 「サイワイ」では一般公務員と教員/轡に,「ナサケ」では大学生と教員層に送らないもの がやや穆立つ程度であり,「ウシロガワ」では大学生と一般公務員屡に送らないものが多くなっ ている。つねに1音節送る人が送らない人よりも多いのは,中学生・高校生・広報被内報の3腰 のみである。このように層によってかなりの違いがあるのは,各層の年齢別構成の違いや内閣告 示など三栖政策に対する態度の遼いによるものと思われる。
⑱単純名詞B1(「ワリ」(割)など8語)
動詞から転じた名詞の送りがなは,音節数・これまでの慣用などの濠かに,その動詞が被調査 者の意識の中にあるか,また,その動詞の送りがながどのようであるかなどによって左右され
る。
「ッ判はいずれの暦でも90パーセント以上の入が「次」と書き,r次ぎ」と書く人はほとん どない。また,「イキオイ」はいずれの層でも「勢い」が70〜90パーセントを占め,「勢」は教 員・研究者摺にわずかに見られるに過ぎない。この2語は他の語に比して送りがなのゆれが少な
いと患えよう。「ツギ」は「次」, 「イキオイ」は「勢い」が多いのは,音節数の差と, 「次」に は誤読の危険性がないが「勢」には「セィ」と読まれる危険性がある,という差とによるものと 患われる。
「ハレjは一般公務員層のみ「晴」が多く,他ぱ「晴れ」が多い。「晴れ」と書く人は学生で は中学。高校・大学生の顯に多く,祖二会人では研究者・広報社内報・教員の順に多い。この語は 年齢による差がはっきりしているので,学生履の順位は年齢差によるものと思われる。また赴会 人の順位は現行の筆記どおりに書こうとする人がいる程度の差によるものと思われる。
「ワリ」とrマツリ」は「ハレ」と似た様相を堕する。全般的にはもとの動詞の活規語尾に栢 当する部分を送った「割りj 「祭り」が多いが,この傾向はとくに社会人よりも学生層に著し く,中でも中・高校生に「割り」 「祭り」が多く,界層人では広報社内報の層が他と比べてr割 り」 継り」が多い。 「ハナシ」は〜般的に「話」が多いが,学生層および社会人贋の中におけ る「話し」と書く人の占める割合は「ハレ」などと同じである。
このように,「ハレ」「ワリ」「マツリ」「ハナシ」の4語は,学生贋では年齢の低い厨ほど納言斑 の活欄語羅を送っており,単純動詞2や複合動詞1と同じ傾向を示しているが,社会入では研究 看・教員のほうが広報社内報・一般公務員よりも動詞の活用語電にあたる部分を送らない人が多
く,単純動詞2や複写動詞1と相反する傾向を示している。
「オコナイ」と「コトワリ」はその動詞「オコナウ」 「コトワル」が漬用語尾のほかに1音節 送るかどうかでゆれている語である。「オコナイ」は「オコナウ」に比べて「な」を送る入が少
ないが,各屡における「な」を送る人と送らない人との比率は似ている。また「コトワリ」も「オ コナイ」1こ似ている。これらの語は被調査春自身の動詞の送りがなと対応させることによって問 題点を一層はっきりさせることができると思われる。(5.2参照)
⑳単純名詞B2(「アツマリ」(集)など3語)
これは単純動詞2の名詞化したグループである。ここに属する3語では,いずれも1音節送る
ものと2音節送るものとが対立しており,1音節も送らない人はほとんどいない。各層における
一43一
1音節送る入と2音節送る人とを比べると,一般公務員が最も2音節送る人が少なく,中学生・
硬究者が最:も多く,高校生・教員がこれに続いて多く,さらに大学生・広報社内報が続いている。
この関係は単純勤詞2と同じである。ただ研究者層では他と比べて「終わり」が少なく「終り」
が多い。また,3語のあいだでは,「アツマル」が最も2音半送る人が多く,各層の中で最も2 音節送る人の少ない一般公務員が「集り」と書く人が「集まり」と書く人より多いほかは,どの 層も「集まり」と書く人の方が多い。次に2音節送る人が多いのは「オコリ」で,「オワリ」が 最も少ない。また,「アツマル」に比べて「アツマリ」は2音節送る人が少ないが,「オワル」に 比べて「オワリ」は2音節送る人がほぼ同じか層によって少ない程度である。これら動詞と名詞
との関連についてe# .5.2で分析する。
●複合動詞A1(「tih Z一ウリダシ」(大・売・出)など4語)
「立志ウリダシ」は「大売出し」と書く人と「大売り出し」と書く人とが大半を占めている。
すなわち,複合語の前部分を送るか送らないかに,ゆれが集中している。そして一一般公務員層の みが「大売出し」が多く,他は「大売り出し」が多い。「ワリアイ1は4選択肢に散らばってい
るが,前部分を送るか送らないかでまとめると,IK] 47−36iのようになり,全般的に前部分を送ら ない人が多いが,一般公務員には比較的多く,中学生には比較的少なく,各層間の相対的関係で は「オオウリダシ」と類似している。「ハライサゲ」もほぼ同傾向でr払下げ」と「払い下げ」
とが対立し,一般公務員腰でほぼ同数である以外は,「払い下げ」1が「払下げ」より優勢であ
る。
「ウケツケガカリ」は他と様相を異にしている。8選択肢に散らばっているが,最も多くの人 が善いているのが「受付係」である。一一一tw公務員・広報社内報の2暦では,ほぼ半数の人が「受 付係」と書いている。しかし,学生では中学生,社会人では教員溜で「受付係」が少なく,他の 喪記に散らばっているのが目立つ。 「ウケツケ〜」の部分に注際してまとめてみるとわかるよう に,「受付〜」が最も多く,これと「受付け〜」「受け付け〜」とが対立している。つまり,複 合名詞A1の他の語が前部分を送るか送らないかでゆれていたのに対して,「ウケツケ〜」はか
なを送るか送らないかでゆれている◎
●複合名詞A2(「クミアワセ」(組・合)など2語)
rクアミアワセ」は「組合せ」と書く人と「組み合わせ」と書く人とが過半数を占めて対立し ている。各号の関係でみると,一一般公務員層ではヂ組合せ」と書く人が多く,大学生・広報社内 報の2履では「組合せ」と書く入と「組み合わせ」と書く人の数がほぼ同じで,その他の層では
「組み合わせ」と書く人の方が多い。この関係は「ウマレル」や「サソイアワセル」と同じであ る。ここで注意すべきことは,前部分を送らないか,前部分を送り後部分も,含まれる動詞の活 用語尾まで送るかで対立しているということである。これは単純動詞1の送りがなのゆれの傾向
と複合動詞2のゆれの傾向が類似していたことと関係があると思われる。また,選択肢をまとめ て前部分を送るか送らないかに整理してみると,図47−38 のようになり, 「オオウリダシ」など と同じ様相を呈する。
「モウシアワセジコウ」は「申し合わせ事項」と書く人が一般公務員層以外のすべての層で多
く,他の衷記をする人は少ない。ただ,「クアミアワセ」は「組合せ」と「組み合わせ」の二通
一44一
りの書き方をする人で大半を占めていたのに対して,「モウシアワセジコウ」は「申合せ事項」
r申し合せ薯項」 F申し合わせ事項」の三通りの表記をする人で大半を占める。つまり「クミア ワセ」の場舎,前部分の「み」を送らないものは露都分は「せ」だけ,Fみ」を送るものは「わ
・せ」を送るの2種の送りがなが中心だったのに対して,「モウシアワセジコウ」の場合は,前部 分の「し」を送る場合に,後部分を「わせ」と送るほかに「せ」と送る入が相当数いるため,三 通りの表記に散らばると考えられる。「申し合せ事項」と書く人が「組み合せ」と書く人に比べ て多いのは,前部分「モウシ」が3音節であるために1音節送る人が「クミアワセ」より多い
・のであろう。実際,同一個人の「クミアワセ」と「モウシアワセジコウ」との関係を調べてみる と,「組合せ1と書く人で「塾舎せ事項」と書く人は26,7パーセンi・で,37,6パーセントの人は
「申し合せ事項」と書き,「組合わせ」と書く人の67.9パー七ソトは「申し合わせ事項」と書い ている。なお,前部分を送るものと送らないものとに分け整理した結果を図47−39 に示す。
㊧複合名詞B(「ハレギ」G庸・着)・「アガリグチ」(上・m))
「ハレギ」は,学生層では「晴れ着」,一般公務員は「晴着」が多く,他の社会人の各層では
「晴れ着」と「晴着」がほぼ相半ぼしている。 rハレ」と比較すると,いずれの層でも「晴」と 書く人の割合より「晴着」と書く人の割合の方が多い。
「アガリグチ」は,「晴着」のように動詞の名詞化した部分を送らずに「上口」と薔く人はほ とんどなく,「上りEコ」か「上がり1:II」と書いている。そして研究者願は「上がり口」が多く,
教員層は「上がりW」と「上り1=弓力湘半ぼし,他の層は「上りll」が多く,その中でも一般公 務員層にとくに多く,高校生に少ないと言える。これら各層間の様相は「アガル」に類似してい
る。
㊧複合名詞C1(「テツヅキ」(手・続)。「ヤクワリ」(役。割))
「テッヅキ」は全般に「手続き」と書く人が大半を占め,「季続」と書く人はどの麟でも少数 である。各層間の持微としては一般公務員層が他のどの屡よりも「手続」と書く人の占める害拾 が大きいこと,学生より社会人の層の:方が「手続」と書く人の占める割合が大きいこと,などが 挙げられる。後者は年齢による違いかと想像される。(事実,表48−44にみるように,「テツヅキ」
の送りがなは年齢による違いがはっきりしている。)
「ヤクワリ」は「轟く割り」と書く人はほとんどなく,「役割り」か「役割」と書く人が大部 分である。そして「役割り」と書く人が「役割」と書く人よりも各層を通じて多く,研究者層の みやや「役割」と書く人の方が多くなっている。この様相は「ワリ」と類似している。違う点は
「ワリ」における「害1り」の占める率よりも「ヤクワリ」における「役割り」の占める率の方が やや大きいことである。
「ウケツケガカリ」は後部分「〜ガカリ」のみに注騒すれば,この複合名詞Cのグループと同 様に考えることができる。「〜ガカリ」に注臼してまとめてみると,全般的に「〜係」が多く,
学生層より社会人摺の方が「〜係Jと書く人の占める比率が高く,教員磨のみ「〜係」が比較的 少なく,「〜係り」が比較的多くなっている。枇会人の各層の中で教員層が多く送る語は,ほか に「ウシロガワ」 「コトワリ」などがある○
㊧複合名詞C2(ザショウワウマレ」(昭和・生)・「ネアガリ」(鰹・上))
ドキュメント内
送りがな意識の調査
(ページ 47-50)