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Table 14 評価条件別と社会的承認欲求の旺・L劉にみた持鏡性結果

評価条件

教師評価 自己評価 評価なし

社会的承認

@欲 求

HL

 N=70 P.57(3.14)

@N=31

Q.03(2.90)

N=45 D46(2.59)

m=55 D34(1.75)

N=40 D80(1.87)

m=47 D44(2.85)

1.71(3.06) .40(2.16) .60(2.44)

  表中の数値は平均値、( )内は漂準瘍差である。平均僖の殖が大きい程、持緯性拮果が上昇したことを示す。

 Table 14のデータについて評価方法の違い(3)× 社会的承認欲求(2)

を変動因として分散分析した結果がTable 15である。

29

Table 15 持緯性結果の分析

変 動 因 SS df 皿S F

評価方法の違い(A)

ラ?I承認欲求(B)

̀XBの交互儒

@ Error

102.10

@    00

@  8.00 P942.81

  2

@ 1

@ 2

Q82

51.05

@ .00

S.00 U.88

7.41*

@ 00

D58

 Table 15より、評価方法の主効果に有意な差があったため、フィッシャ ーのLSD検定による多重比較を行った。その結果、教師評価群と自己評価 群との間、教師評価群と評価なし群との間に有意な差が認められた。このこ とから、テスト結果において、教師評価群が他の評価群よりも持続性に優れ ていることが分かった。

 7.評価方法と社会的承認欲求の違いによる般化性の検討

 評価方法の違いおよび社会的承認欲求のH。しによる他教科(算:数)に関 する学習行動への波及的な彫響は、算数自主ノート(分数問題の解説を読み、

練習問題を独自に行うもの)による学習の有無と算数事後テストから事前テ ストを引いた得点差のテスト結果の2つに関して検討した。まず、算数自主 ノートによる学習結果について述べる。Table 16はノートの使用状況であ

る。

      一 30 一

Table 1 6  般化性意欲のノーF使用状況

教師評価群

   H群    L群

N−101 11(90)

N一 70 9(61)

N一 31 2(29)

自己評価群    H群    L群

N−100 N= 45 N一 55

19(81)

10(35)

9(46)

  表中の数値は人数を示す。( )内は未使用人数を示す。

 Table 16のデータ(使用率)について、評価方法の違い(2)× 社会的 承認欲求(2)を変動因として逆正弦変換法で分散分析した結果がTable 17

である。

Table 1 7  般化性意欲の使用伏況の分散5}析

変 動 因 SS df κ2

評価方法の違い(A)

ミ会的承訴求(B)

̀XBの交互欄

66.09 Q7.88 P.03

    K−1=1

@   レ1=1

iK−1)(L−1)霊1

3.71†

P.56

D05

群内分散 σ、=17.79

 分析結果、評価方法の主効果において有意水準10%の傾向がみられた。自 己評価群のノート使用率は、教師評価群よりも高く、漢字学習に際して自己 評価した児童の方が算数という他教科の学習に自主的に取り組む傾向が強い       一 31 一

ことが示された。

 次に、算数事後テストから事前テストを引いた得点差のテスト結果につい て述べる。テスト内容は、事前・事後テストと全く同じ内容のものである。

Table 18は、算数事後テストー事前テストの得点差を評価方法別・社会的 承認欲求別にまとめたものである。

Table 1 8  評価条件別の社会的承認欲求のH・しにみた般化結果

評価条件

教師評価    自己評価 評価なし

社会的承認

@欲 求

HL

N=70       N=:45

D62(1.18)        .60(1.32)

m=31      N=55

D38(1.33)         .03( .98)

N=40 D25(1.58)

m=47 D44(1.26)

.55(1.22)        。29(1.17) 。35(1,41)

表中の数値は平均値、( )内は標準偏差である。平均値の値が大きい程得点が上昇したことを示す。

 Table 18のデータを評価方法(3)× 社会的承認欲求(2)を変動因とし て分散分析した結果がTable 19である・

      一 32

Table 1 9  般化結果の分散分析

変 動 因

ss df

HS F

評肪法の違い(A)

ミ会的承灘求(B)

̀XBの類作用

drorr

  1.77  2

@ 2.88  1

@ 6.54  2 S58.00 282

  88

Q.88 R.27 P.62

.54

P.77 Q.01

 Table 19の分散分析の結果、全ての変動因に関して有意差は認められな

かった。

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【考察】

 本研究は、評価方法の違いが児童の学習過程にいかに影響するかを児童の 社会的承認欲求の強弱を考慮して検討するものであった。そこで、さまざま な評価方法を受ける子どもの側にたち、評価方法の違いを教師評価・自己評 価・評価なしの3群に設定した。これらの評価方法の違いにより、子どもの 学習過程が、どのような影響を受けるか、またそのような影響の受け方を児 童の個人差を考慮に入れて解明しようというものであ?た。

 まず、本研究の第1の特徴として、学習過程を検討するに当って、本研究 では過去の研究においてなされることがなかった、評価によって児童の側に 生じ乙心理的プロセスについて検討したことが挙げられる。本研究で想定し た心理的プロセスとは、「何らかの評価を受けた子ども(または、何の評価 も受けなかった子ども)は、その評価に対して、まず感情を刺激され成就感 の変化として示す、その成就感の変化は、学習意欲の変化に結び付くであろ う、そうした学習意欲の変化は、次の学習行動結果として現われてくるであ ろう。」というものであった。すなわち、評価によって児童の側に生じる心 理的プロセスとして、評価一成就二一意欲一学習結果という連鎖を想定した。

これらの連鎖を検討する点において、従来、一般的に行われていた学習結果 のみを従属変数とした研究に比べ、評価方法の違いが児童の学習過程にどの ような影響を及ぼすのかについて一歩踏み込んだ研究を意図したわけである。

 次に、評価に伴う児童の学習過程を研究するに当って、学習者である児童 の個人的特性について考慮した点が本研究の第2の特徴である。従来の研究 では、児童の個人的特性が全く考慮されないか、あるいは考慮されたとして       一 34 一

も学力もしくは知能のような知的側面に限定されたものであった。知的側面       コずに関する個人差も重要な要因であるが、感情や成就感に及ぼす影響を考えた ときに、「自分が周りの人にどのように思われたいかという欲求」が強い人 聞と弱い人間とではかなり異なってくることが考えられる。すなわち、社会 的動機としての社会的承認欲求の強弱によって、その人が評価によって受け る感情や成就感が異なり、意欲に大きく作用し、結果にも異なった現われ方 が示されるであろうという想定である。そこで、本研究では、個人の社会的 承認欲求の強弱を考慮に入れることにより、これらの違いが評価方法の違い といかに交互作用して学習過程に影響を及ぼしているかを検討した。この検 討により、評価方法の違いが個人の持つ社会的承認欲求の違いといかに交互 作用的に関係し、児童の学習過程に影響しているかを明確にしょうと意図し

たわけである。

 また、本研究においては、評価方法とそれに関わる児童の社会的承認欲求 の違いによる影響が、同一教科に関する持続的な学習行動や他教科学習への 般化においてどのように示されるかについても検討を加えた。これらは、過 去の研究においても検討を加えられたことがなく、今後の教育活動に重要な 手掛かりを示す可能性を秘めでいる。この問題の検討が本研究の第3の特徴

である。

 では、実験によって明らかにされた主な結果についてみてみる。

 まず、学習結果に対して何らかの評価が行われると、それによって児童の 成就感や学習意欲が影響を受け、その影響が次の学習結果に反映されるであ

ろうという心理的プロセスについて述べる。成就感一学習意欲一学習結果の 連鎖に関してピアソンの相関係数により吟味した結果、3っの変数聞の相関 はすべて正の方向で有意であったd本実験でとった手続きからは、成就感の       一 35 一

変化と学習意欲の変化との因果関係は特定できないが、成就感や学習意欲の 変化が次の学習行動の結果として示されたことは明らかである。

 次に、こうした学習過程に評価方法の違いがどのような相違をもたらすの か、またその際、学習者である児童の社会的承認欲求の違いがどのように関 連するかについて述べる。本研究の結果では、教師評価か、自己評価かのよ うに評価方法が異なっても、児童の成就感や学習意欲、さらに次の学習行動 の結果には有意な違いは示されなかった。しかし、教師評価にせよ自己謹価 にせよ、学習結果に対して何らかの評価が加えられた場合の方が、何ら諦価 が行われなかった場合より学習結果を向上させるということが示された。評 価という行為の重要性を示唆する結果である。学習者である児童の社会的承 認欲求の違いという点から学習過租を検討したところ、評価方法の違い如何 にかかわらず、社会的承認欲求の強い児童の方が弱い児童よりも、成就感や 意識レベルでの意欲の程度、さらに次の学習行動の結果において高いという ことが示された。これらの結果に関しては、教師評価という他者による評仙 と自己評価という評価方法の違いによって交互作川に影響が示されるであろ うと考えたこととは合致しない結果であったが、学習過程に対して示された このような相違は、本研究で学習者の個体的変数を考慮したことによる1っ の成果である。

 最後に、同一教科学習への持続性(漢字学習)と他教科学習への般化(算 数学習)について述べる。

 同一教科学習への持続性については、テスト結果に関して、教師評壇i群の 方が、自己評価群や評価なし群より高いという結果が示されたが、自主ノー

トの使用については違いが認められなかった。他教科学習への般化について は、算数自主学習ノート使込率において自己評価群の方が教師評価群より高       一 36 一

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