• 検索結果がありません。

同一労働同一賃金原則

Ⅰ. 調査目的

Ⅱ. ドイツにおける同一労働同一賃金に関する制度・判例

1. 正規・非正規労働者間の不合理な処遇格差を禁止する法制等 2. 裁判例(ドイツ)

3. 裁判例(EU裁判所)

Ⅲ. フランスにおける同一労働同一賃金に関する制度・判例

フランス労働法典 L. 1242-14 条

「期間の定めのない労働契約を締結している労働者に適用される法律および労働 協約の諸規定、ならびに、慣行から生じる諸規定は、労働契約の終了に関する諸規 定を除き、期間の定めのある労働契約を締結している労働者にも平等に適用され る。」

フランス労働法典 L. 1242-15 条

「期間の定めのある労働契約を締結している労働者が受け取る報酬は、同等の職 業格付けで同じ職務に就く、期間の定めのない労働契約を締結している労働者が、

同じ企業において試用期間の終了後受け取るであろう報酬の額を下回るものであっ てはならない。」

※ 「報酬」とは、業務の遂行を理由として使用者が労働者に対して、現金又は現物で、

直接又は間接に、供与する給与、通常の基本若しくは最低賃金その他の諸手当又 は付加給付金のことを意味する(フランス労働法典 L. 3221-2 ~ L. 3221-5 条)

1. 1 平等取扱い原則の適用-有期契約労働者 (1/3)

平等取扱い原則を適用した事例

Cass. soc., 26 February 1997, n°94-41.882

有期契約労働者が受け取る報酬は、同等の職業格付けで同じ職務につく無期契約労働者 が、試用期間の終了後に受け取る報酬を下回るものであってはならない。

【無期契約労働者である事務職員の休職中に4か月のみ雇用された有期契約労働者によ る訴えが認められた事案】

Cass. crim., 14 May 1985

有期契約労働者(この件では、季節労働者)は、労働協約がかかる労働者をその適用範囲 から除外しているとしても、祝日勤務の支払いを受ける権利を有する。

Cass. soc., 2 December 1992, n°91-40.655

有期契約労働者は、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に付与されている 13か月の賞与の支払いを受ける権利を有する。

Cass. soc., 17 December 1996, n°94-41.460

報酬に関する平等取扱い原則は、期間の定めのある労働契約を締結している労働者の勤 務開始初日から(試用期間も含めて)適用されるものと解釈される。

1. 1 平等取扱い原則の適用-有期契約労働者 (2/3)

平等取扱い原則の例外を示した事例

Cass. Soc., 17 March 2010, n°08-43.135

基本賃金と別途定められた特定の賞与において雇用期間の長さが考慮に入れられていな い場合(注:つまり、基本賃金の決定に際して雇用期間の長さが考慮に入れられている場 合)において、雇用期間の長さは、無期契約労働者と、その労働者を代替するために雇用さ れた有期契約労働者との間の取扱いの差異を正当化する理由となりうる。

Cass. soc., 15 October 2002, n°00-40.623

休職中の労働者の代替として採用された、有期契約労働者に対する報酬は、当該労働者 が休職中の労働者と同等の職業格付けで同じ職務に就く場合には、休職中の労働者に対 する報酬と同じでなければならない。仮に代替の労働者が休職中の労働者より低い職業格 付けであり、かつ、一部の職務のみを代替している場合には、より低い報酬で構わない。

関連したドキュメント