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ドキュメント内 コミュニティ形成と住民意識 (ページ 45-51)

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コミュニティ形成と住民意識(中道・滝本)

第10図 分析得点分布図(客体的閉鎮主義(+)と客体的開放主義(‑))

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第11図 分析得点分布図(主体的開放主義(+)と客体的開放主義(‑))

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関西大学『社会学部紀要』第12巻第1号

者団体,労働組合.商工会.同業組合等の既存利益団体や町内会. (I治会の地域団体を頼る。こ れに対し客体的閉鎖主義は「市民参加」に無関心. 「参加寇欲」も不参加と参加に対して消極的 であり,地域意識も主体的閉鎖主義に対して低い。 「社会権利知識」 も低く. 「自治権利意識」

も低い。その他この2つの弁別に特徴的なヴェクトルを示すものとしては, 「社会集団参加」の 準孤立型と「居住年数」の3年未満であり,共に客体的閉鎖主義の方向であり,この両類型間の 弁別に参加などの主体性だけでなく地域意識も寄与している点が注目される。

主体的閉鎮主義と主体的開放主義の弁別

この2類型間の弁別に最も寄与する変数は「社会集団参加」であり地域社会型は主体的閉鎖主 義の方向で.準孤立型が主体的開放主義であり,孤立型もまたマイナス値をとりこの方向である。

ブラスの値をとるカテゴリーとしては「地域意識」が高く,職場は同町内,吹田市内で「労力奉 仕」には進んで協力するo親密かつ連帯的な近所づきあいをし,新しく来た人々と古くからいる 人々とは統合89)されていると考えている。 「住民運動発生因」では無関心であり, 「解決母体」

は町内会・自治会の地域団体をたよる。これは「問題解決ルート」においても既存ルートをたよ るのと方向を同じくしている。地域性が邸く,埋没的な連帯性の麻いグループといえる。これに 対して主体的開放主義は「地域意識」は低く,職場は大阪市内に通勁する者が多く,「労力奉仕」

は求められれば協力するであり,全く地域意識の欠如したクイブではないが, 「近所づきあい」

は親密でない,新来住者と地付者とは統合されていないと考えている。 「住民運動発生因」では 行政がこれまで住民を軽視していたと考え, 「解決母体」では住民運動団体を頼りにし, 「市民 参加」の方法でも運営・管理に参加と最も急進的な考え方をとるグループである。この類型は地 域団体に依存することから脱却し,地域問題の解決には住民運動,住民参加という新しい対処の 仕方を模索しその中から新たな連帯を築こうという方向性を内在させている顆型であり,奥田の 類型と比較するならば「コミュニティ」モデルがシビル・ミニマム的な権利意欲に媒介され

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「個我」の自覚と主体的に地域の問題に対応する類型であり, 「個我」モデルが「個我」の自覚 はあるものの主体的な行動をとり得ない顆型であるとすれば,我々の析出した主体的開放主義の 類型は, 「個我」の自覚がどの程度のレペルにあるかは問題として残るが,主体性を持つが故に

69)  「新旧」は次の質間から構成された。

閻.吹田市でも人口がふえ新しく住む人がふえています。あなたの住むこの地域について,あなたは古 くから住んでいる人たちと新しくやって来た人たちとの蒻係をどのように感じていますか。

ァ.新しく来た人と古くからいる人との近所づきあいはうまくいっていますか。それともうまくいっ ていませんか。

ィ.新しく来た人と古くからいる人との自治会•町内会活動における協力ぐあいはうまくいっていま すか。それともうまくいっていませんか。

ゥ.新しく来た人と古くからいる人の地域のもよおしもの行車における協力ぐあいはうまくいってい ますか。それともうまくいっていませんか。

(1)とてもうまくいっている ⑲まあまあう竃くいっている (8)あ稟りう畜くいっていない (4)全焦う童くいっていない (&)なんともいえない

(1)に答えた人に5点'(I)に4点, (8)に2点, (4)に1点, (6)に3点を与え合計した得点から, 0 10 点を「非統合J,11 15点を「統合」とした。

コミュ.::.ティ形成と住民意識(中道・滝本)

「コミュニティ」モデルに対応するものと考えられる。それ故この類型は現実の地域社会に存在 する頬型の保有する意識レペルがいかなるものであるかを示している。

奥田の当初の分析ではこの両者が類似的なパクーンを示したため,両者の析出の必要に迫られ,

後に受動型一能動型の分析基準を導入するに至っている。その結果前者は体制的価値秩序への同 調性,後者は秩序変革への刷新性阿として把捉された70)0我々の類型間弁別では問題解決の方向 性に乎行しているところから,新たな軸を加えることなく 2軸のみで差を明らかにし得た。

客体的閉鎖主義と客体的開放主義の弁別

プラスの値をとる客体的閉鎖主義は「社会権利知識」が低く, 「自治体と固」との関係に関し ては無関心もしくは協調的関係を志,;,J,し 「市民参加」の方法でも無関心であり,客体的開放主 義に比ぺると「近所づきあい」は親密であり,来住者と地付者の統合もよいと考える。 「居住年 数」も生まれてから, 「就業地」も町内である。一方マイナス値をとる客体的開放主義は「社会 権利知識」が中間,砧いであり, 「自治体と国」とは対立関係にあると考え, 「市民参加」では 公報・説明会,審議会参加の方向であるo共に地域問題に対して主体性を示さないがこの 2類型 の弁別において,客体的閉鎖主義には地域性が残存しており, 「近所づきあい」 「新旧」の来住 者と地付者の統合の面で,また, 「居住年数」 「職場」 「社会集団参加」の弁別に寄与するウェ イトの方向に地域共同体的性格の残滓がみられる。これに対し客体的開放主義は「社会権利知識」

が高く, 「自治体と国」との関係も対立志向である点地域を超えたところに関心を持ち,意識レ ペルでこの類型間では相対的に高いといえるがこれが「個我」の自覚であるか否かは次の類型間 の弁別により一屈明らかになるであろう。

主体的騨披主蘊と客体的闘放主議の弁別

この弁別は精度が最も低く差の見い出されにくいものである。 「市政関心」の偏相関係数が最 も高く,次いで「自治権利庶識」が高く, 「参加意欲」の高い屈で, 「社会集団参加」は近隣型 で, 「自治会存在理由」は親睦とみているのみでルートとしての自治会にたよらず,「市民参加」

の方法には運営・管理に参加とより主体的である。他方において, 「市政関心」が低く, 「自治 権利滋識」が低く, 「参加意欲」も欠如しており, 「地域意識」は低く,孤立型の「社会集団参 加」,「自治会存在理由」としてはルートとしての自治会を認めるo 両類型閻の差は「市政関心」

の凸低, 「参加猛欲」の主体性,客体性にみられる。 「社会権利知識」では差が認められないも のの「自治権利慈識」に差が表われる。客体的開放主滋は地域意識が蚊も欠如している顆型であ りこれと比敏すれば主体的圃放主義は地域怠識を相対的に持つといえる。特に「

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政関心」が弁 別に大きく寄与する点に注目したい0 .::. れを市政関心を持つことによって池域問題に主体的に参 与する契機となることを示陵している。

我々の類型は地域社会の現実の中で住民の庶識や行動の具体的様態から帰納的に析出された諸 70)  奥田辺大「社会的性格と市民意紐」 (1/t沢進編.

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掲出所収) 215瓜,

ー 四 ー

関西大学『社会学部紀要』第12巻第1号

類型であり,演緑的に構成された現実にはない模範的たてまえ的にのみ機能している類型ではな い。類型相互間の弁別精度にも高いものがあった。しかしながら各分析得点分布図とも分布曲線 が相互に入り込んでオーバーラップする部分がある。弁別精度は高いが類似性も残存しており,

弁別のキー変数が変化すれば相互に移行する可能性を内包しているといえる。最終相関比の一覧 をみると対角にある象限の類型の弁別については精度が高い。それだけ類型間の移行の可能性は 少ないといえる。つまり対角象限を弁別するキー変数群としては主体的閉鎖主義と客体的開放主 義の弁別では地域意識を中核とする地域変数群が,主体的開放主義と客体的閉鎖主義の弁別では 市民参加, 自治権利意識,社会権利知識の意識変数である。双方の類型間の移動にはこれらの地 域意識権利意識が変化することで即類型間の移動が実現するのでなく,この移行には主体性一 客体性の軸がかかわってくるのであり,対角へ象限問の移行には2方向のキー変数群の変化の仲 介が要求されるのである。

隣接する類型問の移行には対角の頬型間の移行に比較して阻害要素が少ないo弁別精度の最も 高かったのは主体的閉鎖主義と客体的閉鎖主義であり.この類型間のキー変数は参加意欲と地域 意識であった。この類型間の移行はよくいわれるごとく,伝統的地域社会の崩壊・解体化の過程 で主体性を喪失することで出現する。これに逆行する方向へ移行はムラ回復を要件にすると考え られるが,それはいかにも非現実的であろう。

主体的閉鎖主義と主体的開放主義の弁別は次に弁別精度が高い。先に見たように問題解決の方 向性に対する意識が変化すれば,つまり埋没的地域社会指向性を持って伝統的地域社会を地域問 題解決のチャソネルとするのでなく,住民運動,住民参加という新たな対応から連帯を築くとい う方向に意識が変化すれば移行は可能といえるが,現実には主体的閉鎖主義は潟年齢屈であり,

意識の変革が簡単になし得るとは考えがた<, この類型間の移行には,①問題解決活動による学 習によって意識の変革がなし得られ類型間移動が生じる。②類型間の移行は困難であり,一方は 時代の推移とともに消減し,新しい意識類型にとって変わられる, との2つの仮説が考えられる。

客体的閉鎖主義と客体的開放主義のキー変数としては社会権利知識であったo客体のレペルで の意識の変化が移行を規定していて主体性を伴なう変化ではない。 2変数分析での結果で明らか なように客体的閉鎖主義の無関心聞は客体的開放主義の倍近く存在している。この無関心囮をコ ソトロールすると両頬型閻に有慈な差がなくなるケースが多いことからこの 2つの類型は共に主 体的態度を欠くという点から相当に類似する特性を持つものである。

主体的開放主義と客体的開放主義の弁別梢度は最も低かった。キー変数も数が少なく市政関心,

自治権利意識,参加意欲であり,これらの変数の偏相関係数が高かったo問題解決に対する主体 的な意欲,関心を表わす変数の変化がこの両類型間の移行の必要条件といえる。この主体的開放 主義と客体的開放主義のな識の差は 2変数相弱でみるとかなり差がみられ後者はむしろ客体的朋 鎖主義に近い分布を示すことも多い。

ドキュメント内 コミュニティ形成と住民意識 (ページ 45-51)

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