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ドキュメント内 言語文化研究所年報 8号 (ページ 42-48)

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先 に述べた ように、ChantepageSで は、読む ことと並行 して書 くことを指 導 してヽヽくので、文字の学習 と単語や文 の表記の学習 とが同時におこなわれ る。1日来の方法では分離 していた二つの学習を効果的に結びつけることが指 導上の重要な課題 となって くるのである。

この点でス クリブ ト書体には、問題がある。「 ス クリプ ト書体 〔での文字 学習〕は、草書体 〔による学習〕 よりも実際に使えるようになるまでに時間 がかか るとい うことが明らかにな っている」 と述べ、その理由を「 〔ス クリ プ ト書体での学習では〕すべての文字は、文字に先行する要素、すなわち発 音 と密接に結びついた単語や文のまとま りである文字列か らば らば らに分解 されて」学ぶ ことになるか らだ と指摘す る。つま り、「 単語の発音上の長 さ と 〔ば らば らに された〕文字の配置 との間でおきる不一致や複雑 さ、〔個 々

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書 くことの指導

の文字の〕字形の区別の しがたさ」に子 どもたちを直面 させ ることにな り、

Madam B∝e卜Malsomyをは じめ とす る多 くの研究がい うように、ス クリブ ト書体による文字学習は、表記の習得において「子 どもたちを不利にす る」

し、ひいては読むことにおいても「 しば しば難読症になる」 とい う。

では草書体は どうか。草書体は、「 〔字形を習得 し〕 きちん と表記で きるよ うになるまで時間がかか らない し、 またや さしい」のだが、それは「 〔草書 体に よる表記は〕そのひ とまとま りとなった 〔語や文の〕文字列の総体的な 印象が、〔文字列 と音列 との対応を容易に し〕読みやす さをもた らす」か ら だとされ る。「 子 どもたちを コ ミュニケーシ ョンの状況にお く」 ことを学習 成立 の大事な契機 とす るChantepageSでは、書 くことを とお した コ ミュニ

ケーシ ョンが もとめられ、それはいわゆる文字学習ではな く語や文を書 くこ との学習 とむすびつ く。ひとまとま りの音声表現を表記 し、書 き記 された文 字列が読めること。 この表裏の活動を しっか りと結びつけるための文字学習 に必要なのが草書体に よる学習であ り、それが文字の習得 と表記の習得 とを つな ぐ有効な手だてだと、

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epagesは考えているのである。

以上の ように、Chante geSによる書 くことの学習は、従来の習字 と正書 法に分かれていた学習を、ひ とまとま りの学習 として統合 しようとしている ところに意義があ り、 さらに、書 くことと読むこととの関連を重視 している ところに新 しいフランス語 (母国語

)教

育の姿勢が見 られ る。 まさに、総体 的な学習指導である。

文字を身につけるにあた って、 どの ような書体で学習をは じめさせ るべ きかについてChante lgeSは、次の ように述べている。 いわゆる習字的 な美 しさをそなえたイギ リス書体は「 その字体が洗練されているが故に、

簡単には身につきに くい書写指導の 目印になっている」 といい、入門期 の書写指導の 目的を整 った優美な書体の習得か ら転換 させている。文字 の習字・書写指導か ら文字を もちいての書 くことの指導へ入門期の文字 学習を位置づけなお しているのである。

子 どもたちが周囲のお となや兄姉のなにかを読んでいる様子に興味を持 ち、その模倣をは じめるのは入門期のずいぶん以前か ら観察できる。筆 者の観察例では、新聞や本などを利用 しての模倣 とは別に、紙に クレヨ ンや鉛筆で線をひき、それを新聞や本に見立てて読む真似をすることが しば しばみ られた。 このときの線は、絵を描 く場合の描線 とは明らかに 違 って、長短の直線を意識 した線を同一方向へ並べた ものであった。子 ども自身がそれ らの線 と新聞や本の行 との類比を指摘 し、その線を読ん でいるのだ と自分の行動を説明 した。つま り、読む対象は絵 とは別の も のであ り、それは線状のい くつかのまとま りとして、最初か ら意識 され ているのではないか と考えられ る。 この後に、一字ずつの文字へ関心が むき、文字の模写をは じめる時期が来 るが、 この場合 も絵の模写 とは違 う。文字の模写がおこなわれるのは、ひろ く読む行為の文脈においてで あった。 自分 自身が読むため、あるいは誰かに読 ませるために模写す る のであ り、 したが って、

 1文

字分だけの模写 とヽヽうことは まれであった。

文字学習の レデ ィネスを もっば ら文字の図形的な特徴にもとめているの は、音韻的な単位での分節が文字 と対応 していないか らである。 日本語 の文字学習の重要な レデ ィネスのひ とつは、連続 した音列か ら音節を と りだす ことにある。 これは、かな文字が音韻的音節 と対応 しているか ら であ り、その対応関係 も、若干の例外はあるにせ よ1対 1対応だからで ある。 したが って、 日本語の場合、文字の習得 と表記の習得がほぼ一致 している。だが、 フランス語の場合は、文字の習得 と表記の習得 との間 には隔た りがあ り、文字学習の上では、音声・音韻的な手掛か りは 日本 語ほ どには機能 しえないと考えられ る。Chantepagesで は、む しろすで に身についている図形認知の能力を有効に活かそ うとす る方向で、書 く ことの指導をは じめているのである。 フランスでの児童心理学・認知心 理学の成果を積極的に学習へ取 り込 もうとす る姿勢がそれを可能に した のである。

武庫川女子大学言語文化研究所年報

 

第 8号 (1996)

女子大生の漢字意識

 

 

 

1. 1ましめに

日本語使用者は、漢字、平仮名、片仮名、そ してアルフ7ベツトをも使用 しなが ら生活 している。ただで さえ、複雑な表記 システムの中で、漢字には、

その一つ一つに字形、筆順や送 り仮名 とい う「 書 き方」、音読みや訓読み と い う「読み方」など覚えるべきことが多 くある。

小中学生の嫌いな教科に国語教科が しば しば挙げ られるが、その理由の一 つが、先に述べたような複雑な「 漢字の勉強」であることは、想像に難 くな い。

一方、1992年に文部省認定 とされた漢字検定試験の受験者数は、回を重ね るごとに増加の傾向にあるとい う。た とえば、一級の検定試験では、常用漢 字を含めて約60(Ю字の漢字の音 と訓を理解 し、使えることが基準 となってい る。常用漢字表にある漠字の他に、 さらにその約2倍の数の漢字を覚える計 算になる。

このように、学校教育の中にあるこどもたちに とっては嫌われ、一般社会 の人 々にとっては試験を受けた くなるほ ど魅力のある漢字について、若者の 意識はどのような ものであろ うか。

そ こで、女子大生を対象に、漢字に関するアンケー ト調査を行い、女子大 生たちが、漠字に対 して どのような意識をもっているのかを探 ってみること に した。

2.調

査 の方法

ア ンケー トは、漢字 と仮名に対す る意識、 また、漢字を使用す ることに対 して女子大生たちが どの ように考えているのかを明 らかにす ることを 目的 と した。

実施 した ア ンケー トは次 の通 りである。

1.次

の書き方のうち、どちらが好きですか。好きな方に

Oを

付けてくだ さい。

(1)挨拶

/あ

いさつ

     (2)―

して ください

/…

して下 さい (3)五月雨

/さ

みだれ

    (4)3月

/′3月 ころ

(5)ま ったく

/全

    (6)紫

陽花/あ じさい

(7)あ なた´/貴 方・貴女

  (3)…

申し上げる

/…

申しあげる (9)一寸

/ち

ょっと

     Oo 

また、今度ね

/又

、今度ね

2.次

の①〜⑦について、あなたの意見や気持ちに最も近いものに、○を 付けて ください。

 

漢字が多い本について ア

 

漢字が多い と読みに くい。

 

漢字が多い方が読みやすい。

 

読む ときに、漢字の多い少ないは関係がない。

 

その他

 

他人の名前を書 くとき、漢字が「澤」や「 邊」のような旧字体 (古 い字形

)が

ある場合について

 

ふつ うの「沢」や「辺」に書 き換えるのが よい。

 

「澤」や「 邊」をそのまま使 うのが よい。

 

どちらで もよい。

 

その他

 

漢字を多 く知ることについて

 

漢字をできるだけ多 く知 っている人にな りたい と思 う。

 

ふだん使 う程度の漢字を知 っていれば十分だ と思 う。

 

漢字なんか知 らな くてもよい と思 う。

 

その他

 

レポー トを書 くとき、ち ょっとあやふやな漢字があった場合につい て。

 

だ いた い正 しい と思 え るな ら、 そ の ま ま書 け ば よい。

女子大生の漢字意識

 

少 しで も自信がなければ、辞書や字 典 で調 べ るべ きだ。

 

仮名 で書けば よい。

 

そ の他

 

常 用漢字 表 とい うものがあ ります が、 この表 に入 っていない漢字 を 使 うことにつ いて

 

常 用漢字表 が ど うヽヽうものか、 よ く知 らない。

 

常 用漢字表 に入 っていな くて も、使 ってか まわ ない。

 

常 用漢字表 にない漢字 は使わ ないほ うが よい。

 

そ の他

 

書 こ うとす る ことばが、漢字 で も仮名 で も書け る場 合につ いて ア

 

で きるだけ漢字を使 いたい

 

で きるだけ仮名を使いたい ウ

 

どち らともいえない 工

 

その他

 

あなたが 小中学校 で習 って きた漢字 の数 1945字 につ いて ア

 

多す ぎた。 もっと少 な くすべ きだ。

 

少 なす ぎた。 もっと多 くすべ きだ。

 

どち ら ともわか らない。

 

そ の他

調査 を実施 したのは、 1996年2月。調査対 象者 は、武庫川女子大学 の学生 で、学部、学科の別な く、計931名 か ら回答を得 ることがで きた。

ドキュメント内 言語文化研究所年報 8号 (ページ 42-48)

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