(表3‑5の続き)
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(表3‑5の続き)
このように、学習者は、デジタルストーリーを制作することで、独自の物語に学習者自 身の経験や感じたことを収束させ、経験の中で感じたことや意見などの内容が付け加えら れていた。文章に着目してみると、読書感想文や作文には見られないような、相手を意識
した表現や質問、投げかけなど、個性的な文章に関する工夫がみられた。以下の表3‑ll にナレーションにみられた工夫の内容を示すo
図3‑11大学生のナレーションの内容にみられた工夫
大学生が制作したデジタルストーリーテリングには,‑音声により物語られたものとそう でないものとの2種類に分類されたo 全体の107作品のうち、 31作品(28.7%)が音声を 用いながら物語られたものであったc一方、 48作品(44.80/a)が音声を用いずに字幕とBGM
で物語られており、 24作品(22.4%)は、字幕のみで作品を制作したo 音声を用いた場合 は、 BG.Mや字幕を用いて制作された作品に比べて長い文章で物語られるという特徴がみら
れたo一方、音声を用いない作品は、ナレーションの内容にふさわしいBGMや字幕が工夫 されていたQ 以下の表5は、大学生が音声でナレーションを物語った作品である。本の舞 台となった場所の風景を静止画に用いながら「私のオススメ本」という題名で物語ってい たo 以下の表3‑6に、読書や本の紹介というテーマがデジタルストーリーテリングにふさ わしいと考えられる点をまとめた。
表3‑6 読書活動におけるデジタルストーリーテリングの特徴
①静止画 絵や写真を使うことで、本を読んで感じたことをまとめやすいo
②言葉.音声
感想をまとめる際に、書き言葉による表現だけでなく、話し言葉(ナ レーション)でも表現できる○
③表現
数枚の静止画を音声や音楽、ページ間の変化等でつなげ、1つの映像 作品として内容を物語れるo
④構成 本を読んで感じたことを、短い時間内にまとめて相手に伝えられる○
⑤学び合い コンピュータで作つた作品は、場所や時間を問わず、仲間に観てもら いやすいo
3.3.3 大学生による学習の振り返り 一小学校授業‑の応用を視野に入れて一
教員養成の段階にある大学生は、児童の支援として以下のような内容を自らの実践を通し て提案した。まず、著作権や相手が傷つかない表現に配慮すること等、他者を意識した作品 制作が大切であることが指摘された。支援や評価に関しては、制作に困難を感じている児童 生徒に対して、作品例から構成や工夫を考えさせるというような支援や作品の出来栄えを評 価するのではなく、作品の制作過程や工夫、伝えたいことが伝わったかを評価することが重 要であると答えていた。
この実践の後、小学生を対象とし、デジタルストーリーテリングで本の紹介をする読書 活動の実践を行う予定であった.本実践後、教員を目指す大学生は、小学生を対象とした 活動を想定した場合、デジタルストーリーテリングの学習効果や支援について次のように 指摘した。 95%の大学生は、今回自らが制作した経験より、小中学生の読書‑の意欲が向 上する効果があると返答した。また、 88%の大学生が、他者‑自分が読んだ本の紹介をす ることを通して、読書の内容を理解したり、活かしたりする力の向上に効果があるとして いる。大学生の作品においても、本の紹介をした者は非常に多く、デジタルストーリーテ
リングは、本の良さを印象付けながら相手に伝えることができるという点で、児童にとっ てもふさわしい手法であることが期待された。そこで、読書というテーマの中でも、今後、
特に本の紹介に注目することにした。