変更できない期間 (4週間分) 変更可能
固 届
市場の動きを1ヶ月後の ‑占』販売子会社の ‑占』製品のモデノレごとの 出荷数量に反映できる ーー.,....マーケティング担当者園田~在庫を 30 日分に圧縮
発 注 デ ー タ (33週間分)
│翌週 12週目
18週目19週目
110週目111週 目 淵 目133週目│
L
→
13ヶ月先のことはわからない。│目前 変更できない期間 (9週間分) 変更可能│月次の計画をそのまま入れよう1 1 6 0
百為│約3ヶ月先の出荷‑ー.販売子会社の ‑ー.全体平均で60日分の在庫。
数量しか調整できーー.,....マーケティング担当者・園田F 売れない製品が残る一方,
ない 売れ筋の欠品もあった
阿部俊広「ソニー大研究Jr日経情報ストラテジー』日経BP社, 1998年10月号より
第2はサプライチェーンにおけるグループ外への拡大についてである。この
ノfーソナルAVカンパニーでの取組みについては,主に商品の発注から出荷に あたるサプライチェーンの改革を狙ったものである。しかし,グローパルなサ プライチェーンマネジメントの改革を目差すソニーの改革としては,これでは 不十分なのであった。すなわち,向上から部品メーカーへの発注プロセス,また は逆に営業舞台である販売子会社と取引先である小売庖とを結ぶプロセスを改 革することも,トータノレにサプライチェーンを効率化する上で避けて通れない。
こうして,ソニーでは社内から社外へとサプライチェーン全体の見直しを行 うことになった。そうなると,
EDI ( E l e c t r o n i c D a t a I n t e r f a c e
:電子データ 交換)による受発注データの交換と部品の調達に必要な情報を共有する仕組み が不可欠になる。また,他方では販売子会社と小売庖との聞におけるプロセス‑152 香川大学経済論叢 152 革新も不可欠である。そこで,ここにおいてもEDIによる受発注の比率を増大
させること,物流プロセスを合理化して迅速な納品を実現すること,の
2
点、が 大切になってくる。そこで,ソニーマーケティングを中心にしてすでにこれら への取組みが果敢に行われている。第3は情報スタッフのプロセス改革集団への転換についてである。ソニーに おいては,
1 9 9 8
年の4
月の組織改革によってコーポレートI S
ソリューション ズを新設し,ついでこれを別会社にしてグローパルな対応に備えることになっ た。これが全世界のソニーグループの情報システムをカバーすることが期待さ れている総勢3
,3 0 0
名にも及ぶ大組織なのである。これはまさにソニーグルー プの情報ネットワークシステムを抜本的に改革するための対応であった。ここでの使命は,第1は意思決定のスピードアップ,第2は経営効率の改善,
という
2
点である。そして,具体的には以下のような4
点の施策が展開されて いる。 l点目はビジネスプロセス戦略であり,ビジネスプロセスそのものの改 革とグローパノレ・サプライチェーンマネジメントの確立である。2
点目はグロー パルアプリケーション戦略であり,グローパル連結下記系システム,グローパ ル部品情報管理システム,ERP
パッケージなどアプリケーションの統合化の推 進である。3
点目は情報インフラ戦略であり,グローパノレサプライチェーン構 築に向けて,コンビュータ環境の共通化や,ソフトの自動配布システムなどの 取組みである。 4点目は人事組織戦略であり,第1に核カンパニー所属の'情報システム部門のスタッフを
I S
ソリューションに統合する,第2
に米国,アジ ア,欧州の地区I S
ソリューションをプレジデントの配下に置いて連携を強化 する,第3にマネジャークラスもカンパニーを越えて人事異動を行いスキル ローテーションを行う,という 3点の対応である。こうして,ソニーはまさに縦横無尽なネットワークを整備することができ,
グローパル対応の情報システムが完成することになった。そして,このような 状況下で
I S S
は大きく2
つの業務を全社的視野に立、って行っている。前者は ユーザー部門である各カンパニーの業務の遂行である。後者は全社共通の情報 インフラやアプリケーションの担当である。こうして,ソニーの情報システム153 企業戦略におけるカルトの気配 ‑153‑
はまさにグローパル時代の対応を完全に終了したわけである。
XI GEにおける進化型経営組織
企業経営においては,決定的なブレークスルーは通常の方法によっては現出 しえなものである。そこで,GEなどのピックカンパニーにおいてさえ類稀なる 経営のグルたるウエルチの登場によってようやく再生を果たすことができたの である。彼のマネジメントは米国流の合理的対応を越えたいわば文化的なアプ ローチを主軸にしていることに特徴が見いだすことができる。だからこそ,次 から次へと展開してきたM & Aを多用した事業の再編統合を効果的に実践しえ たわけである。また,昨今話題のGEキャピタルについても,ウエルチのこのよ うな経営哲学に裏付けられることによって多大な成果をあげていると考えるこ とができる。そこで,ここにおいては通常のいわば標準的な米国型のマメジメ ントを越えた経営スタイルのモデルとしてGEにおける進化経営組織について の考察を行ってみる。具体的には,第1はウエノレチによるGE革命,第2はGE に 見 る 市 場 最 強 組 織 , 第 3はGEキャピタルのインテグレーション・マネ ジャー,についての論述である。
1 ウエルチによる GE革命 (1) ウエルチによるワークアウト
過去,多くの会社がそれぞれの時代で史上最強の会社といわれてきたが, GE においてもジャツク・ウエルチの登場によってまさに史上最強の会社と喧伝さ れる希有な業績をあげたことで著名な企業である。このGEの変身については,
ウエノレチによる GEのワークアゥ「と称されている。ウエlレチはGEを再建す るにあたって,全社に対して彼の提唱する企業価値をかえるかそれとも捨て 去ってしまうか,というまさにギリギリの責めぎあいのなかから革新を勝ち 取ったのである。そこで,ここではノエルとストラトフォードのジャックウエ (47) ワークアウト :GEグループ企業における従業員参加型の問題解決セッションである。
クロトンビル経営開発研究所が開発したもので,昨今では他の企業も使用している。
‑154‑ 香川大学経済論叢 154 ルチのGE革命に基づいてGEのワークアウトについて考察を加えてみる。
ジャック・ウエルチは官僚組織化していたGEの事業部制に風穴をあけるべ く彼の事業目的を社員一人ひとりにまで完全に共有できるまでコミュニケー ションを続けたのである。そして,結果的には以下に述べる 4つの目標の設定 とともにGEのワークアウトが開始されたわけである。
第
1
の目標は相互信頼を築くことであり,これは以下のような狙いから行わ れた。すべてのレベルにおける GEの従業員は,自らの立場を気にすることなく 率直に思うことを発言できることに気付くことの重要さを説いている。それは,これによってこそGEは初めて従業員の優れたアイディアによる思恵を受けら れるからである。
第
2
の目標は権限委譲を進めることであり,これは以下のような狙いから行 われた。それは,どんな仕事であっても最も現場に近い従業員のほうが上司よりも仕事についてより多くのことを知っているため,彼らの知識と感情的なエ ネルギーを引き出すには権限を与えることが不可欠だったからである。また,
このことによって彼らに自由にやれるという許可と義務は一対のものであるこ とを理解させたのである。
第3の目標は不必要な仕事を除去することであり,これは以下のような狙い から行われた。それは,単に生産性を上げるだけではなく,従業員のストレスを 軽減させるためからであった。そして,ウエルチはそのためには従業員にとっ てダイレクトに目に見える便益を与えなければならないと考えたのである。
第4の目標はGEにとっての新たなパラグ、イムの創出であり,これは以下の ような狙いから行われた。それは実は,ウエルチが境界のない組織の確立を強 く望んでいたからである。こうして,ウエルチにとってGEの組織全体が自らの 規定するような組織になったわけである。
(2) 高生産性企業に見る共通特徴
このようなワークアウトによってGEにおいては境界のない組織が確立した わげで,これによってGEの企業文化はウエルチ一色に染め上げることに成功 したわけである。しかし,ウエノレチは官僚主義には否定的であったが,職務遂行
155 企業戦略におけるカルトの気配 ‑155‑
にかかわる社員の入念さと熱心さについてはおおいに敬意を払っていた。そし て,
GE
が自らの改革を通じて発見したそして調査によって検証された世界レ ベルの高い生産性を実現している成功企業における秘訣は以下のとおりである。第
1
に,このような企業は人間ではなく仕事のプロセス自体を管理している。彼らは従業員がどのくらい生産しているのかに注目するかわりに,いかに生産 活動が行われているかに焦点をあてている。
第2に,このような企業は生産性改善の機械を見つけるためにプロセスマッ ピングとベンチマーキングの手法を使っている。プロセスマッピングについて は特定の仕事について,たとえそれがいかに小さなものであれあらゆる作業ス テップを書き出すものである。このベンチマーキングとは競合他社のパフォー マンスなどの客観的な尺度で自社の事業を評価するものである。
第
3
に,このような企業は継続的な改善を強調しており,したがって漸進的 に得られた改善の成果を賞賛している。第4に,このような企業は顧客満足を企業のパフォーマンスの主要指標と考 え,これによって顧客よりも社内の目標に焦点を当てようとする傾向を克服し ている。
第
5
に,このような企業は効率的な生産を目差して設計された高品質の新製 品を継続的に導入し,これによって生産性の向上を一層押し進めている。第
6
に,このような企業はサプライヤーをパートナーとしての取扱いを行っ ている。以上の