2. ビルドの基本 7
2.13 ワークスペースの相対プロジェクトパス
HEWでは、プロジェクトをワークスペースに追加する場合、相対パスを使用してワークスペースに追加するこ とが選択できます。これにより、プロジェクトをワークスペースディレクトリの上に置くことができ、HEWワー クスペースの再配置も正確にできます。プロジェクトは常にワークスペースと相対的であるため、プロジェクト がワークスペースの上のディレクトリにある場合、再配置のあと、HEWは、同じ相対場所でプロジェクトを見つ けようとします。このことは、複数のワークスペース間で共有したプロジェクトを使用するとき、特に便利です。
HEWの古いバージョンでは、このプロジェクトは再配置されておらず、オリジナルのプロジェクトパスをアク セスしようとしました。また、ワークスペースディレクトリのサブディレクトリにあったプロジェクトを再配置 することのみ可能でした。これは現在のバージョンでも、HEWの標準的な動作です。
Ü プロジェクト相対パスフラグを変更するには
1. ワークスペースウィンドウでプロジェクトを選択してください。
2. マウスの右ボタンをクリックしてプロパティを選択してください。
3. “Project relative file path”チェックボックスをクリックし、相対ファイルパスの特徴を切り替えてください
(図2.25)。
4. “OK”ボタンをクリックしてください。
図 2.25: Propertiesダイアログボックス
2 ビルドの基本
3. ビルドの応用
この章ではより高度なビルドの概念を説明します。
3.1 ビルド実行の復習
2章「ビルドの基本」では、ビルド実行をコンパイラ、アセンブラ、リンケージエディタを用いて説明しました
(図2.1)。HEWではこれが一般的な実行環境です。しかし、ビルド実行を変更(フェーズの追加や削除など)
するためには、ビルドの機能についてさらに知ることが必要です。
3.1.1 ビルドとは?
プロジェクトのビルド実行とは、複数の特定の入力ファイルに複数のツールを適用して期待する出力を得るこ とです。つまり、オブジェクトファイルを得るために、Cソースファイルにコンパイラを適用したりアセンブリ 言語のソースファイルにアセンブラを適用したりします。ビルドの各ステップ、または、各「フェーズ」におい て、様々な入力ファイルの集まりに各種ツールを適用します。図3.1にビルド処理を示します。
図 3.1: ビルド実行
HEWではビルド処理を変更できます。 [Options->Build Phases…]を選んで“Build Phases”ダイアログボックス
(図3.2) を表示します。左には現在のプロジェクトで定義されたフェーズを示します(図3.2)では標準のビル
ドフェーズを示します)。この章では“Build Phases” ダイアログボックスが提供する様々な機能について説明しま す。
3 ビルドの応用
図3.2: Build Phases ダイアログボックス
3 ビルドの応用