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レーストラックマグネットを用いた回収方法

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 80-83)

第 6 章 回収方法の検討

6.1 強磁性体の最適配置によるレーストラック型マグネットを用いた分離システム

6.1.1 レーストラックマグネットを用いた回収方法

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図6-1 レーストラックマグネットを用いた分離回収システムの提案図 1. レーストラックコイルのサイズの設定

本実験では、実際に粉末サイズの分離実験を行い、銅粉末とアルミニウム粉末の分離に成 功している。しかし、粉末サイズになると粒形状の物質に比べ浮上位置に安定浮上するのに 時間がかかることが問題点となってくる。そのため分離空間がある程度の広さが必要であ ると考えられる。その分離空間を広くしすぎてしまうとレーストラックコイルの磁場空間 が均一でなくなる可能性がある。

2. 磁場分布の均一性

磁場分布がレーストラック上部の水槽の端から端まで均一でなければ分離対象物質が各 浮上位置に設置してある管に吸い込まれて行かない可能性が考えられる。そのため図6-1の 赤い丸枠で囲まれた空間を分離空間としそれ以降にはそれ以上、下に落ちないように板を 配置するなどの解決策が考えられる。これは一つの案として提案する。前項のサイズが磁場 均一性のとれるサイズであれば問題は解決すると考えられる。

3. コスト

本研究が実装される利点として都市鉱山からの有価資源の利用を半永久的にできること にある。しかし、それが回収コスト以下の有価資源の販売コストではどの企業も利用しよう とは考えない。例えば、携帯電話(104g)にはプラスチックが72g、ガラスが8g、銅が12g、

鉄が7g、マグネシウムが3gであり、この5つの物質で約98%と大部分を占める。一方、

銀は11mg、金は7mg、タングステンは0.55gと貴金属やレアメタルの含有量は、携帯電話

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の重量に対してはごく微量である。銀、金、タングステンの1g 当たりの価格は約70円、

6000円、2円(2020年2月時点)なので携帯電話に含まれる有価資源の価格は430円程度で ある。このことから、1kgの都市鉱山に含まれる有価資源の価格は4000円程度出ると考え らえる。携帯電話よりも有価金属が使われていない小型家電からの回収を考えたとなら回 収できる有価金属の販売コストはもっと低下していくと考えられる。

4. 分離対象物質の選別

本研究では銅、銀、金、白金、アルミニウムの分離実験を行い、強磁性体配列を用いるこ とで各金属間に 7 mm 程度の分解能を獲得することができた。携帯電話など有価金属が含 まれている小型家電には本実験で用いた有価金属以上の数が含まれている。図 6-2 には

SQUIDを用いて測定を行い磁化率の算出した有価金属の浮上に必要なBdB/dz値を示した

ものを記載する。ここで問題となってくるのは浮上に必要なBdB/dzが近しい値を持ってい る有価金属の分離である。例えば、10T時の超伝導マグネットを用いてバナジウム、インジ ウムとクロムの浮上分離を行うとき、各金属の浮上位置はそれぞれ159 mm、155 mm、152 mmとなる。各金属の浮上位置を求めるグラフを図6-3に示す。このグラフに注目していた だいてもわかるが、浮上位置が赤枠で囲まれたとこで算出され最小分離分解能は 3 mm と なっている。本実験では銅粉末とアルミニウム粉末で浮上に必要なBdB/dzが大きく違う物 質なら各粉末が相互作用する影響は少ないかもしれないが浮上位置が違いことによって相 互作用する可能性がある。なので、浮上位置が100 mm~110 mmのグループと110 mmと

120 mmグループなど大まかにグループを分ける必要があるのではないかと考えられる。

図6-2 各金属の浮上に必要なBdB/dz

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図6-3 バナジウム、インジウム、クロムの浮上位置算出

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