2017年4月期第3四半期の業績は、事業収益69百万円(前年同期は事業収益73百万円)、営業損失1,203百万円(前年同期 は営業損失1,369百万円)、経常損失1,189百万円(前年同期は経常損失1,404百万円)、四半期純損失1,263百万円(前年 同期は四半期純損失1,925百万円)となった。
事業収益面に関しては欧州・アジアでの吸収性局所止血材TDM-621の製品販売(欧州:約59百万円、アジア・オセアニ ア:約4百万円、及び南米:約7百万円)を計上した。前年同期の事業収益には契約一時金として研究開発事業収益29百万 円を計上したため、製品販売による売上高の比較では25百万円の増加となった。費用面に関しては販管費、研究開発費を 含め通期計画の範囲内で推移した。
経常損失に関しては、第2四半期累計期間では134百万円の為替差損を計上したが、その後の為替相場の変動等により、
第3四半期(11月~1月)に為替差益が149百万円増加し、第3四半期累計期間に15百万円の為替差益(前年同期は34百万 円の為替差損)を計上した。また、吸収性局所止血材や歯槽骨再建材等の医療製品事業に係る資産について、帳簿価額と 回収可能価額を検討した結果、減損処理を行い、特別損失87百万円を計上した。
同社によれば、主要パイプラインの状況は以下の通りであった。
吸収性局所止血材
日本における吸収性局所止血材の状況
日本国内については、2015年3月にの製造販売承認申請の取下げ後、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)
との間で、有効性評価の科学的妥当性を検証するために再度の臨床試験に向けた協議を継続している。臨床試験の施設数 が確定し、第3四半期末以降、治験計画届の提出に向け、より客観性を担保するため止血効果の測定時間等の主要評価や 手技に関する副次的データの取得方法等の詳細検討を進めた。2017年4月期中の臨床試験開始を目標としてきたが、臨床 試験開始には至っていない。今後、早期に治験計画届を提出し、2018年4月期中の臨床試験開始に向けて取り組んでいる。
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Coverage欧州における吸収性局所止血材の状況
欧州においては、2014年1月にCEマーキングの指令適合を受けた後、事業収益化に向けてドイツ・フランス・英国等の有 力医療機関をターゲットに卸売業者/代理店(各国別での販売に特化した販売代理店)を通じた製品販売を開始した。期 初の販売計画に製品導入時のタイムラグを織り込んでいたが、医療施設の製品導入姿勢が慎重であり、製品導入に想定以 上に時間を要したことから、第1四半期末時点では販売計画に対して未達となったが、第2四半期では、19社に拡大した 販売代理店(前期末時点で10社)やターゲット施設数(受注に向けコンタクト実施先)が150件まで増加したことが寄与 し始め、販売計画比で約96%の進捗率に回復し、第2四半期累計の販売実績は計画比約74%となった。第3四半期では、販 売代理店数が23社まで拡大しターゲット施設数も160件まで増加した。ただし、期末までのターゲット施設数250件に対 し各販売代理店のアクセスが進んでいないことから施設への導入ペースも遅延している状況にあり、進捗状況は想定を 下回っている。
1施設当たりの売上高についても、各販売代理店の売上ペースが順調に進んでいないことから計画を下回った。ドイツで の販売代理店の売上高が、計画策定時に比べ製品導入に時間を要しているなどから、販売計画比約56%ととなり、第3四 半期累計の販売実績は計画比約64%となった。ただし、計画比では未達となったが、直前四半期比では約63%増と販売増 加の傾向も見られた。
期末にかけてスペイン・イタリアの医療施設による製品導入に向けた検討状況等の可否判断や、フランスで中規模の販売 代理店契約等を進捗させることに注力している。
欧州の広いエリアで製品販売を開始するため販売提携につき販売パートナー候補先(対象全域に販売網・プロモーション 機能を有する企業)と交渉を継続している。第3四半期においても契約の課題である、欧州・アジア・オセアニアでの販 売・使用実績等の積上げに注力している。引き続き契約合意に向けて協議を継続するとしている。
アジアにおける吸収性局所止血材の状況
アジア・オセアニアにおいても、CEマーキング採用地域であることから、各国で医療機器としての製品登録申請や製品 販売に向けた活動に取り組んでいる。オーストラリアにおいて、Maquet Australia Pty Ltd (以下、Maquet社)を通じ 製品販売を開始しているが、前第4四半期に納入分の製品販売に当第3四半期まで要したため、当期分の計画に影響が出 ている。当第4四半期には再度受注を見込んでいるが、計画未達分を相殺するには至らない状況である。
また、アジアでは香港、シンガポール、マレーシアでも製品販売を行っているが、現時点ではいずれも少額に留まり、イ ンドネシアでの販売進捗にも遅れが生じている。第3四半期累計の販売実績は計画比約6%と低調に推移した。
当該地域の販売計画全体の約60%は各販売パートナーとの契約に基づく最低購買量で計画しているが、前期納入分の販 売消化の遅延により最低購買契約に基づく販売を進めることが難しい状況となった。最低購買量について未達の場合は、
不足分の購入代金の請求が可能であり、請求後に契約破棄も可能となっている。計画策定時には最低購買量の売上分を全 て請求する前提で販売計画に織り込んでいたが、現段階で販売パートナーに不足分の請求を行うより、長期的な販売拡大 のために良好な関係維持が来期以降の事業価値を高めると判断し、最低購買量の請求を行わないこととした。
通期業績予想への影響については、現在進行中の中国の提携契約の動向により、締結可否を含め2017年4月上旬までに判 断し、影響が生じる場合には速やかに開示する。当該契約は同止血材の中国での製品開発/販売に関して候補先企業に権 利許諾する提携であり、現在、デューデリジェンスを終え契約の最終調整に入っている段階である。2017年4月期中の契 約締結を見込んでおり業績予想に影響を与える割合が高い。
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Coverage韓国での製品登録に向けた当局の審査は継続して行われており、当期中での承認・製品販売の開始に向けてDaewoong Pharmaceutical Co., Ltd.が韓国内で行った製品登録は現在審査中である。第3四半期に登録承認に伴う契約一時金等50百 万円の計上を予定していたが、当局からのデータ照会/検証等の審査が継続していることから計上に至らなかった。2017 年4月期中の登録承認に向け審査対応をサポートするとともに、来期の製品販売開始を目指す。
南米における吸収性局所止血材の状況
南米(ブラジル・コロンビア・メキシコ等)については、CEマーキング採用地域であることから、製品登録に関しては前 期にブラジル、コロンビア、メキシコで製品登録承認を取得している。製品販売に向けてブラジル、コロンビア、メキシ コ、チリでは現地の販売代理店と販売契約を締結済みであり、製品販売に関しては第1四半期にチリで販売を開始した。
第2四半期においてブラジル・コロンビアで販売開始を開始したが、第3四半期累計の販売実績は計画比約48%となった。
販売代理店の獲得は概ね計画通りに進捗したが、ブラジルでの輸入手続きに時間を要し、製品供給の遅延から医療施設へ の製品導入が遅れた。 販売数量も初期ロットが当初の見込みより少額に留まったことから計画比で未達となった。第4四 半期は販売の進捗に注視する。最低購買量の請求については可否判断し、各販売代理店への関与を高めるなど、計画達成 に向け活動を進めていく。
米国における吸収性局所止血材の状況
米国においては、米国国内での臨床試験の開始に向け、米国食品医薬品局(FDA)とプロトコルに関する協議を進めてい る。協議に時間を要していることから2017年4月期中の治験開始は難しい状況であり、プロトコル設定の進捗により今後 の開発動向を精査する。
粘膜隆起材
2014年12月より日本において臨床試験を開始したが、有効性をより明確にできる試験方法や製剤の検討を実施するため に、2015年2月に臨床試験を自主的に一時中断した。中期経営計画(2017年4月期~2020年4月期)には織り込んでいな い。
歯槽骨再建材
米国国内での臨床試験を実施しており15症例の施術・経過観察が完了し骨形成に良好な結果やデータを得たことから、
FDA承認を得て第1四半期より次のフェーズでの臨床試験を開始した。骨形成を確認するため経過観察に時間を要するが、
引き続き製品化に向けた開発を進める。
創傷治癒材
米国において、2014年10月にFDAに市販前届510(k)の申請を行い、2015年2月に510(k)の承認を受け、販売の許認可 を得た。他薬とのコンビネーション(抗生物質・抗がん剤・ヒアルロン酸等との混合投与)により治療効果の増大が期待 できることから、引き続き、熱傷治療、皮膚がん治療を中心に美容整形分野において付加価値の高い製品化を進めている。
その他領域
その他領域では、同社と国立がん研究センターの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロ ジェクトに関して、同社は自己組織化ペプチドA6KをsiRNA核酸医薬のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)として 提供している。前期に国立がん研究センター、同研究所と共同開発した新規siRNA核酸製剤「TDM-812(RPN2siRNA/A6K 複合体)」を用いた国立がんセンターによる医師主導治験が開始された。当該治験は治療抵抗性の乳がんで体表から触知 できる局所腫瘤(かたまり)を有する患者を対象とした、世界で初めて人へ投与するファースト・イン・ヒューマンの治 験である。また、国立がん研究センターと共同でがん幹細胞に対する治療薬や診断方法の特許を取得しており、当該分野 や関連分野の共同研究/共同開発に向けた取り組みを進めている。