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リカバリ電流ピーク値 I rr_pk

ドキュメント内 本文(k624) (ページ 36-41)

3.2 SiC SBD 並列接続手法のリカバリ特性評価

3.2.4 リカバリ電流ピーク値 I rr_pk

まず初めにリカバリ電流ピーク値に着目して評価を行う。ダイオード電流1A時 のそれぞれの条件におけるダイオードのターンオフ波形を図 3.7に示す。条件1及 び条件2についてはSCH2080KEはSiC SBDを内蔵しているにも関わらず,リカバ リ電流ピーク値はほぼ同程度である。一方,条件3 は SiC SBD の性能を十分に発 揮し,すべての条件の中で一番リカバリ電流ピーク値が小さいことが確認された。

しかしながら,条件4は条件 3と同じ型番の SiC SBDを使用しているのにも関わ らず,ダイオード電流波形は条件3のものと乖離しており,リカバリ電流ピーク値 も大きい。図 3.8(a)に示すようにダイオード電流が 1A の時の C3D08060A の順方 向電圧値はデータシートより,約1Vとなっている。

SiC SBDの並列接続

(a) Condition 1: SiC MOSFET (SCT2080KE)

(b) Condition 2: SiC MOSFET (SCH2080KE)

※ Built-in SiC SBD

SiC SBDの並列接続

図 3.7 1A時の各条件におけるダイオードターンオフ波形 (c) Condition 3: SiCSBD (C3D08060A)

(d) Condition 4: SiC MOSFET (SCT2080KE & C3D080060A)

SiC SBDの並列接続

図 3.8 ダイオードIF-VF特性 (5)-(6)

図 3.8(b)の SCT2080KE データ上ではボディダイオードの順方向電圧が 1V 時のダ イオード電流は0.01Aとなっており,電流がボディダイオードを流れているとは考 え難い。実際にダイオードの順方向電圧を測定した結果を図 3.9に示す。条件4に おける並列接続されたSiC SBDは条件3のSiC SBDの順方向電圧と一致している。

さらに,条件4で使用している SiC MOSFETは条件1 のものと同じものであるた め,条件1の順方向電圧と比べても十分小さくなっている。よって,実験結果から

も条件4のSiC SBDに電流が流れていることが確認できる。したがって,SiC SBD

に電流が流れているにも関わらず,SiC SBDが本来の性能を発揮できていないこと が分かる。また,各電流値における条件1-条件4のリカバリ電流ピーク値をまと めたものを図 3.10に示す。この結果からも 8A までの低電流時において SiC SBD は並列接続することにより,性能劣化を招いていることが確認された。1A 時では 並列接続を用いた条件 4 は条件 1 及び条件 2 と同等のリカバリ電流ピーク値だっ たのに対し,条件3のリカバリ電流ピーク値をSiC SBDの性能の 100%とすると,

8A時では約50%程度の性能を発揮できている。しかし,評価領域の全領域に当た

って,SiC SBDは並列接続した際にはその性能を発揮できていない。また,すべて

(a) C3D08060A (b) SCT208KE

SiC SBDの並列接続

図 3.9 ダイオード順方向電圧

図 3.10 リカバリ電流ピーク値

の条件で電流を増加させるとリカバリ電流ピーク値が減少する傾向にあった。これ は電流増加に伴い di/dt が変化し,回路内の寄生成分に励起されるエネルギーが増 加したことによる影響であると考えられる。

SiC SBDの並列接続

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