データロガー
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図4-22の実験では,LEDが点滅していることを目視ではっきり確かめること ができた.このときの回転数を測定結果から求めると,25回転/sであった.さら に,図4-23が示すようにLEDの実験結果は,交流電圧と電流電流の変化の様子 がよく分かることが確かめられた.以上の結果から,授業で演示実験する際には,
モーターの回転数を制御できる実験装置を使用することが適切であることが分か った.
イ) 手のひら発電機に豆電球を取り付けたときの実験結果
図4-23の実験結果から,図4-22の作製したモーターの回転数を制御できる実 験装置を使用することが適切であることが分かったため,この実験装置を用いて,
LED部分を豆電球に取り換えて,実験を行った.それは,極性のない豆電球を用 いて交流電流を調べることで,交流電流が+側にも-側にも流れている時間変化 を測定し,極性のある LED を取り付けたときと比較して調べるためである.そ の実験は図4-24に,その実験結果は図4-25に示す.
図4-24.豆電球を用いた,交流電圧値と電流値を調べる実験
豆電球
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図4-25.実験結果
図 4-25 の実験結果から,極性のない豆電球を用いたため,交流電流が+側と
-側に流れている様子が確かめられた.しかし実験では,豆電球は点灯しなかっ た.それは,電流値または電圧値が低すぎたためと考えられる.さらに,LEDと の電流値と比較すると,図4-26となり,LEDと豆電球に流れる電流の違いを理 解させるには分かりやすいものであることが分かった.しかし,授業で演示実験 する際には,豆電球が光らないのに電気が流れるといった現象から,理解しにく くなる子どもたちが現れると考えられるため,豆電球を使用することは適切でな いことが分かった.
図4-26.LEDと,豆電球に流れる電流の比較
電流(A)
時間 (s) 電流(A)
時間 (s)
LED の実験 豆電球の実験
電圧(V)
時間(s) 電流(A)
時間(s)
49 ウ) 麦球を用いた実験
イ)の実験で豆電球が点灯しなかったため,規格が3V,30mAの麦球を用意し,
図 4-21 の作製したモーターの回転数を制御できる実験装置を使用して,豆電球 部分を麦球に取り換えて実験を行った.麦球は極性がないため豆電球の代用にで きるからである.その実験装置をは図4-27に,その実験結果を図4-28に示す.
図4-27.麦球を用いた装置
麦球
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図4-28.実験結果
この実験では,麦球は点灯した.そして,実験結果は,交流電圧と交流電流の 時間変化の様子がよく分かることが確かめられた.さらに,LEDの電流値と比較 すると,図4-29のようになり,LEDと豆電球の電流の違いを理解させるには分 かりやすいものであることが分かった.以上の結果から,授業で演示実験する際 には,豆電球の代わりに麦球を使う方が適切であることが分かった.
図4-29.LEDと麦球に流れる電流の比較
電圧 (V)
時間 (s) 電流(A)
時間 (s)
電流(A)
時間(s) 電流(A)
時間(s)
LED の実験 麦球の実験
51 エ) 乾電池とLEDを用いた実験
直流と交流の違いを明らかにするため,乾電池に LED を取り付け点灯させた ときの電圧値と電流値をデータロガーを用いて測定した.その作製した実験器具 を図4-30に,その実験を図4-31に,その実験結果を図4-32にそれぞれ示す.
図4-30.乾電池とLED用いた実験器具
LED
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図4-31.乾電池とLEDを用いた実験
図4-32.実験結果
電圧(V)
時間(s) 電流(A)
時間(s)
乾電池と LED
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図4-32の実験結果から,直流電圧と直流電流は時間によって変化せず,一定で あうことが確かめられた.さらに,図4-33に示すように,交流電流を流したLED と直流電流を流したLEDを比較すると,直流と交流でのLEDに流れる電流の違 いを理解させるには適切であることが分かった.
図4-33. 直流と交流によるLEDの実験結果
オ) 乾電池と麦球を用いた実験
直流と交流の違いを明らかにするため,乾電池に麦球を取り付け点灯させたと きの電圧値と電流値を調べた.作製した実験器具を図4-34に,実験を図4-35に,
その実験結果を図4-36に示す.
電流(A)
時間(s) 電流(A)
時間(s)
交流の LED 直流の LED
交流電流を流したLED 直流電流を流したLED
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図4-34.乾電池と麦球を用いた実験器具
図4-35.乾電池と麦球を用いた実験
麦球
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図4-36.実験結果
図4-36の実験結果は,直流電圧と直流電流は時間によって変化せず,一定であ うことが確かめられた.さらに,図 4-37 に示すように,交流電流を流した麦球 と直流電流を流した麦球を比較すると,直流と交流での麦球に流れる電流の違い を理解させるには適切であることが分かった.
図4-37.麦球に直流と交流を流したときの電流の変化
電圧 (V)
時間 (s) 電流 (A)
時間 (s)
電流 (A)
時間(s) 電流 (A)
時間(s)
交流の麦球 直流の麦球
交流電流を流した麦球 直流電流を流した麦球
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ⅱ) 授業の計画と指導案の作成
教材研究②から,次の実験を授業に取り入れることとした.
授業実践①で行った導入の実験はそのまま使用することとした.それは,意識調 査の結果,100%の子どもが電流には2 種類あることを確かめることが出来たと感 じていたからである.課題は,直流と交流の比較を意識できる文言とした.また,
授業の中心となる実験は,授業実践①で行った検流計を用いた実験は取り入れない ことにした.それは,電流値の時間変化の様子を定量的に観察できないからである.
その代わりに,グラフ可視化によるデータロガーと VI センサーを用いた演示実験 から電流値を読み取り,導き出されたグラフから直流と交流の違いを理解させる実 験を取り入れることとした.
実際に作成した指導案は以下の通りである.
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理科:第6学年A組 理科学習指導案
2017 年 7 月 6 日(木)3 限 場所 理科室 指導者 服部 真一
Ⅰ 単 元 「電気の直流と交流」
Ⅱ 目 標
1.身の回りの電気の性質・働きを利用した道具に興味・関心をもち,自ら調べようとす る.
2.電気の直流と交流について予想を立て,推論しながら探究・追究し,表現することが できる.
3.手のひら発電機,乾電池,LED,データロガー(VIセンサー)を適切に使用し,安全に 実験して,その過程や結果を定量的に把握したり記録したりすることができる.
4.身の回りで利用している電気は,直流と交流の2種類あることとその違いを理解でき る.
Ⅲ 単元と指導について
本単元は,生活に見られる電気の利用について興味・関心をもって追究・探究する活動を 通して,電気の性質・働きについて推論する能力を育てるとともに,それらについての理解 を図り,電気はつくったり,蓄えたり,変換したりできるという見方や考え方をもつことが 主なねらいである.また,発展的な学習として,「直流と交流」を扱うことで,生活に見られ る電気の利用について,追究・探究して学習し,中学校理科「電流とその利用」につなげて いくこともねらいとする.
Ⅳ 学習計画(全2時間)
1.乾電池の直流電流・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1時間 2.乾電池の直流電流と手のひら発電機の交流電流・・・・・・・・・・・1時間(本時)
Ⅴ 本時の学習 1.目 標
電流には直流と交流があることを知り,直流は電流の流れる向きは一定でかわらない が,交流は電流の流れる向きが周期的に入れかわることを理解する.
2.準備物 手のひら発電機(8 個),乾電池(8 セット),LED(16 個),コンセント用 LED(8 個),麦球,ワークシート(31 枚),データロガー,VI センサー
58 3.学習過程(45 分)
学習活動及び指導者の働きかけ 予想される子どもの反応等 1.点滅する LED について考える.
・ カーテンをして理科室を暗室した状態 で,「この LED を左右に振ります.チカチ カ点滅して見えますね.」と伝え,コンセ ントにつないだ LED が点滅していること を確かめさせる.次に「LED を乾電池で点 けて,左右に振ります.今度は,チカチカ 点滅しませんね.」と伝え,乾電池につな いだ LED が点滅しないことを確かめさせ る.その後,各班でも確かめさせる.
○「LED を乾電池につなぐとチカチカ点滅し ないのに,家庭用コンセントにつなぐとチ カチカ点滅するのはなぜか.」と課題提示 する.
・ 予想をさせる前に,コンセント用の LED に取り付けた周辺機器はコンセントの強 い電気の力を弱めている装置であること を説明する.
・ 課題提示後,予想を立てさせる.
・ 予想を発表する.予想には理由も述べさ せる.
2.データロガーと VI センサーで直流と交 流の電流を調べる.(演示実験)
・ この事象を観察した子どもたちは,2 種 類の LED の光り方を見て,点滅する点き方 と,点灯する点き方の違いを見い出せるだ ろう.
・ 点滅と点灯が区別しにくい子どもは演示 で確認するであろう.
・ 光り方の差がはっきりしているため,全 員の子どもが点滅と点灯を区別できるで あろう.
・ 子どもたちは,次のように予想し,発表 するであろう.
「電流の流れ方が関係するのだと思いま す.」「コンセントにつないだ LED が点滅す るのは,コンセントからくる電流はすごい 速さで ON,OFF になっているからだと思い ます.OFF になったとき,LED が消えるの で,点滅しているように見えるのだと思い ます.乾電池は,ON,OFF にならないので,
点滅しないのだと思います.」「コンセント につないだ LED が点滅するのは,コンセン トからくる電流はすごい速さで+と-が 入れかわっているのだと思います.LED が 点かないということは,+と-が入れかわ って,-と+になっていると考えたからで す.乾電池は流れる電流の向きは変わらな いから,点滅しないのだと思います.」「コ ンセントからくる電流はとても強いため,
LED が耐えられなくなり,点滅するのだと 思います.」