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第 5 章 高精度熱シミュレー ションモデル校正

5.3 モデル校正

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作成したモデ ル熱物性の初期値は図 5.3-1に記載される。ほとんど不明の

ため、FloTHERM ライブラリのデフォルト値か材料の代表値を使用した。シミュレ

ーショ ン結果の構造関数(赤)と 実測結果(青)は不一 致しているのが分かる。

図 5.3-1 シミュレーションモデル初期値と構造関数比較結果

ここからモデル 校正の作業フロー が始まる。まずは熱源近 辺でトライアルす る。熱源(シリコンのダイ)の形状は、非常に薄い板状のものなので、その部分の 熱流構造に影響するのは Die-attach(はんだ)熱伝導率と発熱エリア面積の 2 つがある。この 2 つのパラメーターを変えてみた結果は図 5.3-2 に表示される。

Die-attach 熱伝導率を三水準振り、構造関数変化の傾向ははんだ層熱抵抗が

伸びるが、実測結果(青)に対して、トレンドすら合わないのが図 5.3-2(左)で分 かる。

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発熱エリ アも三水準で振った結果は図 5.3-2(右)となり、実測に合う傾向が 見られるので、発熱エリアがここのキーパラメータであるのが分かる。最終的に、

4.8mmx9mm の発熱エリ アが実測に一致し ていた。熱解析現場では発熱面積が

ダイ面積と等しい前提でシミュレー ションを行うことがよくある。この結果から、た とえディスクリートの部品であっても、発熱エリ アはダイ面積よりやや小さい。図 5.3-2(右)のダイ全面発熱(赤)と 4.8mmx9mm発熱(黒) の差異は 0.05K/W まで見られ、パッケー ジ熱抵抗 Rthjcが約 0.25K/Wのため、全面 発熱でシミュレ ーションしてしまうと誤差は 20%まで生じることが分かる。

図 5.3-2 Die-attach熱伝導率と発熱エリアを調整した結果

発熱量の多い、熱設計に重要な部品は精度を上げるためせっかく詳細モデ ルを使うなら、全面発熱ではなく、実際の発熱面積を入れないと精度が上がらな いのがこれで分かる。ただ、実際の現場では、部品がパッケー ジングされている ため、発熱エリアの測定は現実的に不可能である。熱シミュレー ションに使える高 精度的な発熱面積パラメーターの抽出において、このモデル校正技術は現在唯 一な実現方法である。

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図 5.3-3 Die-attachの校正

その次に調整するのは、Die-attach熱伝導率である。30 W/mK、33

W/mK、35 W/mK を振ってみ た結果は図 5.3-3 に表示される。明らかに最も一

致したのは 33 W/mK で、これで実装状態 でのはんだ熱伝導率が分かった。

図 5.3-4 校正済みのSOTパッケージのモデル物性値と構造関数結果

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同じ手法で、構造関数に添って放熱経路上の材料熱物性を調整していくと、

最後まで実測に合わせ込む事ができる。図 5.3-4 は SOTパッケージとアルミ製 コールドプレートの接合界面(放熱グリース塗布層)まで、構造関数上は約

0.32K/W まで実測結果と一致させ た。シミュレー ション環境のアルミ製コールド

プレートは実 物通りにモデリングされていないため、これ以降の部分はモデル校 正の対象 外とした。調 整したモデル物性値はオレンジ色で表示した。

5.4 熱シミュレーションモデル校正を活用した MOSFET パッケージ熱抵