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ミューラ‑の所論の検討

ドキュメント内 企業の国際化 と国際的環境管理 (ページ 30-33)

(1)基本的認識 と本質 (丑 基本的認識の同一性

ミューラーが展開する国際的環境管理論 についての認識は,彼が構想する一般的な環境管 理論 と本質的な違いはない。

その理 由は,第‑に管理の対象である 「環境」の特質 に求め られる.すなわち,そ もそ も環境は国境がないグローバルな事象であるか ら,論理的に環境管理は元来国際的な要因を 生得的に学んでお り,国際化が進展するに伴 って環境管理 も必然的に自ずか ら国際化するり である。「それ故, ヨー ロッパの内外で長期的に推定 される傾 向は,持続的で継続的な指導 理念に表現 される環境保護 を強 く考 えることに向か うであろう

」(1)

第二 に,いかなる理 由で企業が国際化するのであれ,一般的環境管理で言及 された ように, そ こには倫理的問題が現れる, とい うことである。 これには,管理哲学の問題が関連する。

管理哲学が 「環境倫理」を求め,そ こに言及 された三つの 「経済倫理」が含 まれるのであれ ば,企業の国際化は同じようにそれ らの経済倫理 に従 うであろう。国際化がいかなる理 由で 行われた として も,企業の発展はその経済倫理 にも求め られ うるのである。

② 「攻め」の国際的環境管理の実行

認識の同一性は,論理的必然 として 「攻め」の国際的環境管理の実行を推奨する。環境管 理 を実行する 目的は

,

「環境 と調和 して生活する能力」の維持 ・増大 に求め られるが, これ は 「攻め」の環境管理 によって しか実現 されない と解 されている。環境 とい う 「グローバル な

SEF

」の特徴 と 「環境 と調和 して生活する能力」 とい う

SEF

が結合すれば,選択肢は 「攻 め」の環境管理 しか残 っていない。

しか し, これは 「守 り」の環境管理の実行を否定するものではない。 ミューラーは,特殊 な状況 においては この戦略が有効であることについて述べている。 しか し, これはあ くまで も特殊 な例外的な場合であって,パ イオニア的企業地位の確保 を 目指す 「攻め」の環境管理 は,国際市場においては国内市場 よりもより強 く要請 されるのである。

結論は,環境管理はそれが国内的であれ国際的であれ,その本質 においては何 ら変わると ころはない, とい うことである。すなわち,環境管理の本質は,企業の生活能力を高める横 断的特徴 を持 った企業管理である ところに求め られるのである。

(2)国際的環境管理の内容

① 企業行動の相違

本質的認識は同一であって も,具体的内容には相違が見 られる。まず,市場構造が異な り, 市場条件 も相違するか ら,企業行動の選択肢が増大するのは確 かである。環境先進国への進 出では,厳 しい環境基準が待ち受けているか ら,それ らの基準を達成 しなければな らない。

企業の国際化 と国際的環境管理 61 問題は,発展途上国へ進 出する場合である。 これ らの国々においては,人 々の 「環境意識」

も低 く,国民 らの意識が反映 された 「環境基準」 も低いか らである。 この場合には,企業は 進出国における競争上,低い環競基準q)採用が許 されるであろうか。

ミュ.‑ ラーの答 えは

「 Ne i n( No )

!であ るo理 由は環境管理 が有す る合理性 と倫理性 に 求め られ る。「攻め」の環境管理はその発展 に よってコス ト低下 を もた らすか ら,厳 しい基 準を もって進 出して もパ イオニア的地位 を確保で きる。倫理的には三つの経済的基準がそれ を許 さないであろう。特 に,「人間的に正当な経済

と 「社会的 に正当な経済」 とい う経済 倫理 に従 うことが重要である。 さらに,シ ュテ‑ガ‑が指摘 しているように,経済合理的理 由も忘れてはな らないであろう。「この設備ではまさに輸 出のためにも生産す るか ら,再び 特定の技術投入が必要な特定の品質標準が維持 されなければな らない。」(2)「進 出国における 必要な環境標準がた とえ低い として も,その姉妹会社 には少な くとも今 日の連邦共和国 と同 じ標準が必要である。‑ ‑ 多国籍企業の環境政策的パ イオニア的役割は今まで よりも積極 的に判断されなければな らない。」(3)

② 環境基準の統一化

これには大 き く二つの問題がある。一つは既 に言及 された ように,進 出国の基準 に従 うべ きか,あるいは本国の基準 に従 うべ きか, とい う問題である。 もう一つは最初の問題 に関連 するが,上で言及 した ように進 出国ではそれぞれ相違する基準が存在することが多いか ら, 国際的に承認 された統一的な基準に従 うか,あるいは進 出国の基準に従 うべ きか とい う意思 決定の問題である。

前者の問題 については既 にミューラー 自身が答 えているが,それは結局進 出国の経済的倫 理 による基準 とな り易 く, この基準は文化的違 いか ら見つけ出すりが困難であるか ら,事態 は決 して望 ま しい ものではない。「攻め」の戦略を採 るな らば初めか ら世界で一番厳 しい基 準に従 うべ きであ り,その ような行動は結局企業 に利益を もた らす ことに繋がるのである。

緩やかな基準を持つ国々は,国際的圧力 と環境意識 に 目覚めた国民による国内的圧力によっ て,国際的な厳 しい基準の採用が強制 され,環境基準は国際的に統一化 される方向にあるか らである。厳 しい基準 に従 う国際企業はその間,パ イオニア企業 としての利益を享受で きる であろう。提起 された二つの問題は この ような方策で解決 され る。「それ故,特定の条件の 下で 一環境保護 がまだ市場要 因でない として もー技術的競争優位が将来達成 され うるな ら ば,早期 に高い標準 を受け入れることが推奨 される(4)

(3)生態的協力管理 と生態的政治管理の重要性

国際的環境管理 においては,生態的協力管理 と生態的政治管理の重要性が高ま り,両者は 関連 しなが ら企業の生活能力を高めることがで きる。

① 協力管理の職分

企業は経済的 ・政治的権力を有 しているか ら,他の企業 との 「協力方式」の導入の ような,

全体経済的であると同時に政治的 レベルにおける形成可能性を持つ。その ような企業は厳 し い環境基準が法律 として成立す るようにその権力を利用で きる。その結果,企業は環境 に対 してプラスの効果を有する と同時に,先駆者的役割を手中にして市場への進出 と地位 とを得 ることがで きる。同時に,企業は他の企業 と同盟 し,高い環境基準を実現 し,政治的圧力を 高めることがで きる。 これによって国際的協力が制度的に促進 され 国際的情報交換 と技術 移転が促進 される。

② 政治管理の職分

進出企業による環境管理の 「攻め」に対 して,経済的 ・政治的条件の違いか ら,国内企業 が 「環境一仲裁裁定」を利用す る 「守 り」の戦略を採 る場合が考 え られるが,その ような事 態は 「コモンズの悲劇」的現象を招 く危険が生ずる。 これを阻止するのが国際的 レベルにお ける政治の職分である。 また,差別的待遇を改善することは,母国における政治の責任であ る。母国政府は進 出国政府 に対 して影響力を行使で きるし,あるいは企業への指導 によって 平等化が実現 され うる。 さらに,企業は政治的過程 に参加する責任がある。 コモンズの悲劇 が現れる場合には,環境負荷が高ま り結局それは人間 とその社会の負荷 に繋がるか らである。

(4)国際的環境管理の特徴

国際的環境管理の特徴は,既述 された国内における環境管理 と大 きな違いは存在 しない。

あえてその特徴 を挙げれ とすれば,以下の ような要因を指摘で きるであろう。

① 「攻め」の環境管理の優位性

この管理 を確立するには,企業構成員のラデ ィカルな意識変革が必要で,戦略的には一貫 性 を保 ち国際的な統一の下 で実行 されなければな らない。 この戦略は生産過程で も製品や サービスにおいて も追求 され その環境基準は世界で一番厳格な ものが採用 される.進出国 全てに当てはまる厳格な規範を決定することで,進 出国において先頭の地位が確保 される。

これが国際的環境管理の特徴の一 つであ り,競争優位を継続的に維持するために必要な方策 である。

② 「攻め」の環境管理の必要性

ミューラーは 「攻め」の国際的経済社会における環境管理の必要性 を,クバールの調査結 果か ら説明 している。調査 によって示 された成功 と失敗の要因を見 る と,成功要因はそのほ とん どが国際化 に志向 しているのに対 して,失敗要因はその道 にほ とん どが国際化 とは結び つかない一般的要因である。国際化 に関連する と思われる要因は最初の二つのみである。 こ れは,む しろ国際的環境管理の失敗要田ではな く環境管理 自体の失敗要田 と考 えるべ きであ ろう。

成功要因を見て も,それ らか ら 「グローバルな」 とい う形容詞 を取 り去れば, これ も一般 的な環境管理の成功要因 となる と考 え られ よう。 したがって,最初か らこれ らを国際化戦略 に導入 し,初めか ら 「攻め」の環境管理 を導入すべ きである。 さらにこれ らの要因は,パ イ

企業の国際化 と国際的環境管理

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オニア企業 として成功する一時的な要因 と考 え られるので,絶 えずそれ らの要田の新規化 に 努力 しなければな らない。

(注)

(1)U.steger,a.a.0.,S.140. (2)U.steger,a.a.0.,S.129. (3)U.Steger,α.α.0.,S.129. (4)U.steger,α.α.0.,S.140.

ドキュメント内 企業の国際化 と国際的環境管理 (ページ 30-33)

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