第 3 章 PDMS を用いたマッハツェンダー型導波路の作製
3.6 マッハツェンダー型導波路
過去の研究より、PMMAでのY分岐導波路の作製に成功した。素材は違うが、性質 は近似しているため最終段階であるマッハツェンダー型導波路の作製を試みた。
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3.6.1 マッハツェンダー型導波路の作製
図3.6-1にマッハツェンダー型導波路の概略図を示す。
図3.6-1 MZ型導波路
PDMS のマッハツェンダー型導波路も PMMA のマッハツェンダー型導波路と同じ ように描画を行っている。
3.6.2 PBW照射条件
PBWの照射条件を表3.6-1に示す。過去の研究よりビーム電流を増やし照射回数を 減らしても問題なく光が導波することを確認できたことから、ビーム電流の安定性など を考慮し、以下の条件で描画を行った。
表3.6-1 プロトンビーム照射条件
・ビーム径 ~1.0μmφ(~1.0μm×1.0μm)
・エネルギー 0.75MeV
・ドーズ量 50nC/mm2 ,100nC/mm²
・導波路幅 8μm
・ビーム電流 25pA,50pA
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3.6.3 光学顕微鏡での観察結果
図3.6-2はマッハツェンダー型導波路試料の概略図である。
図3.6-2 MZI型導波路概略図
また、光学顕微鏡を使用して試料表面の観察を行った。撮影した導波路を図3.6-3、
図3.6-4と図3.6-5に示す。図3.6-3、図3.6-4と図3.6-5はそれぞれ分岐部分と直線部 分である。
図3.6-3. 分岐部分
④
直線部分 分岐部分
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図3.6-4. 分岐部分
図3.6-5. 直線部
図3.6-3と図3.6-4の写真では分岐部分の2本の導波路がきれいに描画できているこ
とがわかる。図3.6-5の写真では、分岐後の直線部分が重なり、照射痕が濃くなってい ることが確認できる。
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3.6.4 SRIMについて
SRIM は、固体に対するイオンの飛程をシュミレーションするソフトウェア。
イオン注入では世界標準ともいえるようなソフトウェアである。基板に跳ね返されるイ オンや基板原子の叩きだしなども、シュミレーションできるので、スパッタリングの効 果なども予想することが可能。そして、イオン注入条件(ご希望の深さと濃度にするに はエネルギーと注入量をいくらにすればよいか)や注入されたイオンの分布(ご指定の エネルギーと注入量でイオンはどのような深さ分布を示すか)等のシミュレーションが 可能である[14]。
3.6.5 SRIMでのシミュレーション結果
図.3.6-6シミュレーション結果
表3.6-2 PBWの状態 表3.6-3 PDMSの状態
この結果より深さ17~18µmに導波路を作製することができることがわかる。
・エネルギー 0.75MeV ・厚さ 30μm
・密度 1.965
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3.6.6 劈開方法
図3.6-7.劈開方法
①オレンジ部分をガラスカッターでPDMSを削ぎ落としSi基盤に傷を付ける。
②表面が平らな定規のようなものの上に傷の部分が端となるように試料を乗せて定規 上からはみ出た部分に別の定規のようなものを当てて試料の導波路部分を避けるよう に軽く抑えながらBを軽く押すと試料の劈開ができる。
3.6.7 マッハツェンダー型導波路の近視野像の観察結果
図3.6-8 励振条件変更前 図3.6-9 励振条件変更後
図3.6-8と図3.6-9より、励振条件変更後には光が弱くなり導波光が一つであるので、
シングルモード導波路であることが確認された。
以上の観察結果より、導波光を確認することができた。また、励振条件変更後にも高次 モードは見られなかった。よって、マッハツェンダー型のシングルモード導波路の作製 に成功したと言える。