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第 3 章 PDMS を用いたマッハツェンダー型導波路の作製

3.9 位相シフタの作製

3.9.2 まとめ

今回はAl電極の作製や光スイッチ動作まで進めることができなかったのでここまでの データをまとめるものである。

本研究では、新素材であるPDMSを用いて光スイッチの作製を目指した。

その中で成膜条件とPBWの照射条件を確立することができた。

Tiの装荷までは進めることができなかったが、Ti薄膜を使用したTiヒータが作製でき れば今まで作製してた光スイッチ以上の性能を引き出すことができると考えられる。

今回もPMMAでTiを蒸着したときと同じでTi蒸着後、試料にひび割れが発生してし まう事象が多発した。Ti蒸着時のひび割れを防ぐことはその後の作業工程に大きく影 響してくるので非常に重要である。そこでひび割れを抑える方法を以下に記述する。

PMMAで記述したものは省略する。

蒸着時間、電流

Tiは水晶振動子により膜厚を制御しており、今まではTiフィラメントに流れる電流

は16Aとし、300Hzごとに下げ、900Hz下げていたがそれでもひび割れが起きてしま

うことから、250Hzごとに下げ、蒸着時間を減らし蓄熱を抑えた。

冷却方法

現在はベルジャーを開けたり冷却時間を増やしているが、水冷による冷却方法でひび割 れを軽減できる可能性がある。

またTiエッチングの際に、レジストも同時に剥がれてしまい、ヒータ部分が残らず、

無くなってしまうといった事も多々あり、フッ酸に浸してからTiが溶け出すまでの時 間が試料ごとに異なり、再現性の高い条件を見つけることが困難であった。これを改善 するために、攪拌機を使い、フッ酸を撹拌し温度を統一する必要がある。

また、Tiの蒸着の改善も考える必要がある。本研究で利用した真空蒸着法に代わり、

スパッタ装置を使用しチタンではなくクロムを代用すればヒータの作製ができる可能 性がある。もうひとつの方法として、Ti薄膜厚さ2μm(株式会社ニコラ:TI―453098)

に試料を押し付け成膜することで真空蒸着装置と比べて時間短縮とPDMSへの負担が 少なくすることができると考えられる。

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章 結言

本研究ではポリマ材料であるPMMAとPDMSにプロトンビームを照射して導波路 を作製するPBW法に着目し、波長1.55μm帯で機能する導波路型の光スイッチを作製す ることを目標として、マッハツェンダー型光スイッチの作製と評価を行った。

PMMAの方では過去の研究より確定したPBW法により完成形であるマッハツェン ダー形導波路の作製と評価を行った。そしてY型分岐導波路を2つ逆向きに描画する ことで作製したマッハツェンダー型導波路で導波光を確認することができた。そして、

励振条件の変更後に基本モードの導波光を確認することができた。よってマッハツェン ダー型導波路において、シングルモード導波路の作製に成功したと言える。

次に、位相シフタの作製をするため、真空蒸着装置を用いてTiヒータとAl電極の装荷 を行った。まず、位相シフタのメインのパーツであるTiヒータの作製を行った。しか し、Tiという加工が困難な金属を用いたせいか、蒸着やエッチングが一筋縄ではいか ず、安定した作製条件を見つけることはできなかった。次に、Al電極の作製を行った。

こちらは安定した成功率で、ほぼ失敗なく電極の作製を行うことができた。

今回光スイッチ動作の評価を行うことはできなかったが、位相シフタ部分のTiの改 善を行えば今まで以上のよい結果を得ることができるであろう。

また、PDMSの導波路型光スイッチの作製で、試料の作製では芝浦工業大学の条件 を参考に行い、作製条件を見つけることができた。過去の研究のPBW法を参考に条件 探し出し、完成形であるマッハツェンダー形導波路の作製と評価を行った。設定したプ ロトンビームの照射条件で導波光を確認することができ、励振条件を変更した状態でも 基本モードの導波光を確認することができた。これによりシングルモード導波路の作成 に成功したと言える。

位相シフタの作製についてだが、Tiヒータの作製でひび割れを確認し、エッチング 作業を行ってみたがTiがヒータ以外のところで残ってしまったり、ヒータ部分も溶け てしまったりと成功させることができなかった。原因としてはTiのひび割れや、エッ チングの条件の見直しがこれからの課題になると考えられる。

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謝辞

本研究を行うに当たり、研究環境の提供と丁寧且つ的確な助言で終始お世話になりま した三浦健太准教授に心よりの感謝を申し上げます。

本論文の作成に当たり、お忙しい中審査をしてくださった、花泉修教授に感謝いたし ます。また、様々な場面で多数のご助言、ご指導を頂き心より感謝いたします。

本論文の作成に当たり、お忙しい中審査をしてくださった、高田和正教授に心よりの 感謝を申し上げます。

PBW技術を使用した光デバイスの共同研究を行うにあたり、お忙しい中試料の作製、

及び装置をお借りさせていただいた日本原子力研究開発機構の神谷富裕氏、石井保行氏、

佐藤隆博氏、江夏昌志氏、大久保猛氏、山崎明義氏、横山彰人氏に心より感謝致します。

本研究内外で多数のご助言、ご指導を頂いた、加田渉助教授に心より感謝致します。

本研究を行うに当たり研究環境の提供、また、多数のご助言を頂いた技術専門職員の 野口克也氏に心より感謝致します。

この研究を行うに当たり共に研究を行い、また、多くのご指導を頂いた本研究室の OBである上原政人氏、桐生弘武氏、小澤優介氏に心より感謝いたします。

日々の研究を行うにあたり、共に研究を行ってくださった学部4年の猿谷良太氏に心 より感謝いたします。

本研究を行うに当たり、様々な場面でご助力いただき研究室での生活を有意義な物に していただいた同研究室の先輩方と同期の皆様、後輩の皆様に、心より感謝致します。

本研究は多くの方々のご指導とご厚意の上に行われたものであり、この項を借りまし て、改めて関係者諸氏に感謝とお礼の気持ちを申し上げます。

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参考文献

[1]

NTT JST 共同発表ホームページ

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20100503-2/index.html

[2] 森の里ホームズ http://mh.rgr.jp/mh.htm

[3] 武藤真三「超高速フォトニックネットワーク用光スイッチデバイスにかかわる研 究開発」 SCOPE第2回成果発表会 予稿集

[4] NTT技術ジャーナル2005.5

http://www.ntt.co.jp/journal/0505/files/jn200505012.pdf

[5] 國分泰雄「光波工学」共立出版 1999

[6] 芝浦工業大学フレキシブル微細加工研究センター http://www.cfm.ae.shibaura-it.ac.jp/index.html

[7] イオン照射研究施設TIARA イオン加速器管理課HP

http://www.taka.jaea.go.jp/tiara/662/662j/index/index_j.htm

[8] I. Rajta et al., Nucl. Instr. And Meth. B 260, 400 (2007)

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