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マクスウェルの方程式

ドキュメント内 sin.eps (ページ 95-98)

第 9 章 マクスウェルの方程式と電磁波

9.1 マクスウェルの方程式

構成方程式(構成関係式): 物質(誘電体、磁性体)があるとき、以下の関係が成立しますが、これは構成方程 式と呼ばれます。

D(r, t) =ε(r)E(r, t), B(r, t) =μ(r)H(r, t) (9.5) それ以外の式にローレンツ力などがありますが、ここでは省略します。

9.1.2 電荷保存則と連続の式

ある空間内において、空間外部との間に電荷の移動がなければ、空間内部の電荷の総和は変化しません。こ れを電荷保存則と言います。

従って、ある空間V 内の電荷Q(t) =

˚

V

ρ(r, t)dV が変化した(即ち、dQ

dt = 0)ということは、電荷が空 間の表面を通って移動した、即ち電流として流れたことを意味します。Δt[s]間に変化した電荷をΔQ [C]と すると、

ΔQ =

S

J(r, t)•(−dS)Δt

∴ ΔQ

Δt =

S

J(r, t)•dS (9.6)

となります。ここで、dSは面素ベクトルですが、閉曲面の外向きとしています。ΔQはV 内の電荷の増分なの で流入した電流を計算するには 内向きの面素ベクトルとして−dSを使っています。Δt0の極限をとると

dQ dt =

S

J(r, t)•dS = d dt

¨

V

ρ(r, t)dV =

¨

V

∂ρ(r, t)

∂t dV (9.7)

従って、 ˚

V

∂ρ(r, t)

∂t dV =

S

J(r, t)•dS (9.8)

が成立します。これを連続の式と呼びます。微分形は、両辺を面積で割ってV 0の極限ととることで以下 を得ます。

∂ρ(r, t)

∂t =−∇•J(r, t) (9.9)

9.1.3 マクスウェルによるアンペールの法則の修正

マクスウェルは時間的に変動する電磁場においてアンペールの法則に修正が必要であることを示し、“電束 の時間変化” =変位電流を導入して矛盾を解決しました。

アンペールの法則˛ :

C

H(r)•dr=I =

¨

S

J(r)•dS (9.10) において、Cは任意の周回積分路であり、SはそのC を縁とする任意の開曲面です。そこで、周回積分路C を小さくして、開曲面を閉曲面に近づけると、Cの長 さは限りなく0に近くなり、

S

C

S

C C

S

図9.1: 周回積分路の変更とそのときの開曲面

˛

C

H(r)•dr0 (9.11) となります(図9.1)。従って、

¨

S

J(r)•dS

S

J(r)•dS 0 (9.12) となる必要がありますが、これは連続の式(9.8)とは矛 盾することになります。上式は、閉曲面Sに流入した 電流は必ず流出し、差し引き0となることを意味し、内 部の電荷量の変化がないことになります。

C S

I C

S I

+Q

-Q +Q

-Q

(a) (b)

図 9.2: 同じ閉曲路に対して、導線中の電流が存 在する開曲面(a)と存在しない開曲面(b)

また、コンデンサを考えたとき、コンデンサを充電している間はアンペールの法則は開曲面 Sの選び方に よっては成立しなくなるという点も矛盾です(図9.2)。

微分形で述べれば以下のようになります。アンペールの法則は×H =J となりますが、両辺の発散をと りますと

J =×H = 0 (9.13)

となり、J = 0が得られますが、これは連続の式(9.9)と矛盾します。

この矛盾を解決したのがマクスウェルであり、以下のような修正を行いました。ガウスの法則:

D(r, t) =ρ(r, t) (9.14)

を時間微分すると、

∂(D)

∂t = D

∂t = ∂ρ

∂t (9.15)

を得ます。これと連続の式より

•∂D

∂t = ∂ρ

∂t =−∇•J

D

∂t +J

= 0 (9.16)

となり、「電流密度J D

∂t の合計の発散は常に0」となります。これより、時間変動するときのアンペール の法則は

×H = D

∂t +J (9.17)

とすれば、先のように発散をとっても連続の式と矛盾が起きないことになります。マクスウェルが修正した上 式を、アンペール=マクスウェルの法則と呼びます。また、D(r, t)

∂t [A/m2]を変位電流密度と呼びます。

9.1.4 マクスウェルの方程式

以上によって得られた、時間変動を考慮した式をマクスウェルの方程式と呼びます。これは、(境界条件があ れば)電磁界を決定する方程式系です。微分形のみ示します。

×E(r, t) =−∂B(r, t)

∂t (9.18)

D(r, t) =ρ(r, t) (9.19)

×H(r, t) = D(r, t)

∂t +J(r, t) (9.20)

B(r, t) = 0 (9.21)

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