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プロジェクトの妥当性の検証 4-1 プロジェクトの効果

ドキュメント内 Microsoft Word - 表紙・目次.doc (ページ 85-88)

本計画の実施により期待される効果は以下の通りである。

現状と問題点 協力対象事業での対策 直接効果・改善程度 間接効果・改善程度 1. 乾季に毎年森林火災が発

生 し て い る が 、 火 災 監 視・消火施設、機材が十 分でないため、多くの林 地が焼失している。

森林火災監視ステーショ ン、監視タワーを建設す る。

火災消火機材を調達する。

火災予防機材(通信機材)

を調達する。

森林火災監視、消火体制が 整備され、火災発生件数、森 林焼失面積が減少する。

森林火災の減少により、林 業を主体とする農民の所得 レベルが向上する。

2. 雨季の冠水により、主な 林産物であるメラルーカ の成長が阻害され、収穫 までに長期間を要する。

森林会社が使用権を有す る土地に対し、林地改良

(エンバンクメント)を施 工する。

林地改良に必要な機材(エ クスカベーター、台船)を 調達する。

雨季でもメラルーカの根元 が水に浸からないため、従 来の約半分の期間で収穫が 可能となる。

メラルーカの収穫量が増加 し、林業を主体とする農民 の所得レベルが向上する。

3. 雨季の冠水により稲の生 長が阻害され、他のメコ ンデルタ地域と比較して 米の収穫量が低い。

モデル農地の水田を対象 とした農業用排水ポンプ を調達する。

雨季でもモデル農地内の水 田の水位調整が可能とな る。

モデル農地での実践を通じ て、ウミンハ地区の稲作技 術が向上する。

4. 現在メラルーカ材の用途 は主として杭材に限られ ているが、コンクリート 杭の普及によりメラルー カ材の市場価格は年々低 下している。

メラルーカを家具材とし て加工、製品化するための 木材加工機材を調達する。

メラルーカ材の用途が拡大 される。

メラルーカ材の市場価格が 維持され、林業を主体とす る農民の所得レベルが安定 化される。

5. 道路ネットワークが整備 されていないため、地域 住民の交通、児童の通学、

物流が阻害されている。

コミューン道路、橋梁を建 設する。

道 路 ネ ッ ト ワ ー ク が 約 32km増加する。

地域経済の活性化が促 進される。

児童の通学路が確保さ れる。

6. 保健センター、郡病院と いった第一次医療機関の 施設・機材が不足、老朽 化しており、質的、量的に 十分な保健医療サービス が提供できない。

コミューン保健センター の施設の増設、建替えを行 う。

郡病院、保健センター向け 医療機材を調達する。

ウミンハ地区の人口1万人 当りのベッド数が、現状の 9.8床から12.1床に増加す る。

地域の保健医療サービスが 向上する。

7. 教育施設並びに衛生施設 の不足、老朽化により、

良好な教育環境が提供で きない。

初等学校の新設、増設(ト イレを含む)を行う。

初等学校の1教室当り生徒 数が、24.2人から23人に減 少する。

地域の教育環境が改善され る。

4-2 課題・提言

4-2-1 相手国側の取り組むべき課題・提言

本計画の効果が発現・持続するために、「ベ」国側が取り組むべき課題は以下の通りである。

(1)

本計画で施工される林地改良(エンバンクメント)の技術、調達される建設機械の運転操作方 法を習得し、ウミンハ地区の農民が使用権を有する土地にも林地改良を広く普及させる必要が ある。

(2)

本計画で施工されるモデル農地、調達される農業用排水ポンプを活用し、ウミンハ地区の農民

に、林業、農業、水産業を組み合わせた複合型農林経営の技術を伝達する必要がある。

(3)

本計画で施工される森林火災監視施設、調達される防消火機材を有効に活用するための、防消 火体制を構築する必要がある。

(4)

本計画で調達される木材加工機材を活用し、市場価値のあるメラルーカ材加工品を製造する必 要がある。

(5)

道路・橋梁の維持管理費用を確保し、本計画で建設される道路・橋梁が常に良好な状態で利用 できるよう、維持管理を行う必要がある。

(6)

医療施設、機材の維持管理費を確保し、本計画で建設、調達される医療施設・機材が常に良好 な状態で利用できるよう、維持管理を行う必要がある。

(7)

教育施設の維持管理費を確保し、本計画で建設される教育施設が常に良好な状態で利用できる よう、維持管理を行う必要がある。

4-2-2 技術協力・他ドナーとの連携

本計画の目標の一つである「ウミンハ地区の農民の所得向上手段の確立」を達成するためには、森林会社 を中心として林地改良(エンバンクメント)や複合型農林経営が農民に普及・展開される必要がある。そ のためには無償資金協力による投入のみならず、所得向上の手段を展開するための技術的な支援、農民が 林地改良や複合型農林経営に投資するための融資制度の支援等、プログラム的な支援が必要と思われる。

上述の目標を達成するために必要となる投入のリソースのうち、無償資金協力以外で可能性のあるリソ ースとしては、貧困農民支援(

2KR

)、技術協力(専門家派遣)、シニアボランティア派遣、

JOCV

派遣、

NGO

連携、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)連携等である。表

4-2-2-1

に連携が期 待される投入、リソースを示す。

4-2-2-1

無償資金協力以外の投入

期待される成果 プロジェクトの投入(日本側) 投入のリソース 1.自立的林地改良(エンバン

クメント)に必要な森林会 社の経営力(技術、財務)

が確保される

1-1建設機械調達

1-2建設機械運転維持管理技術指導者 1-3エンバンクメントの設計・施工技術指導者 1-4エンバンクメントのモデル施工費用

1-1無償資金協力(コミュニティ開発)

1-2シニアボランティア、JOCV、CSR 1-3専門家、シニアボランティア

1-4無償資金協力(コミュニティ開発)

2-1(上述のエンバンクメントのモデル施工と 同様)

2-1同上 2-2-1農業用排水ポンプの調達

2-2-2複合農林水産業経営に関する技術指導者

2-2-1 無償資金協力(コミュニティ開発、

2KR)

2-2-2専門家、シニアボランティア 2複合経営型農家が育成さ

れる

2-3マイクロクレジットの啓蒙・普及指導者 2-3シニアボランティア、NGO 3. 農林水産物の生産技術が

向上する

3-1農業(稲作、野菜、果樹)技術指導者 3-2森林管理技術指導者

3-3畜産技術指導者 3-4水産技術指導者

3-1専門家、シニアボランティア、JOCV 2KR(ソフトコンポーネント)

3-2専門家、シニアボランティア、JOCV 3-3同上

3-4同上

4-1利用体制指導者 4-1(エンバンクメント指導者が兼任) 4農民が農林地改良(エンバ

ンクメント、農地内の水 路・土手の建設)を行うた めのシステムが確立され

4-2-1融資制度の整備・運用技術指導者 4-2-2融資の原資の供与

4-2-1シニアボランティア、NGO

4-2-2見返り資金(2KR)、CSRSRI

(社会的責任投資)

備考:下線は無償資金協力による投入

4-3 プロジェクトの妥当性 (1)

裨益効果

本計画の実施により、ウミンハ地区の住民(約

12.5

万人)の所得向上手段の確立、基礎的社 会インフラの整備が可能となる。

(2)

教育・民生の安定への貢献

本計画で道路網の整備、保健医療設備・機材の整備、初等教育施設の整備を行うことにより、

社会福祉・公共サービスの向上、住民の生活レベルの改善に寄与する。

(3)

緊急性

ウミンハ地区はカマウ省の最貧困地域である上に、

2002

年に発生した大規模な森林火災によ り同地区の住民の生活は大きな打撃を受けたことから、緊急的に本計画を実施し、社会・経済 状況の改善を図る必要がある。

(4)

維持管理能力

本計画の実施機関であるプロジェクト管理委員会(PMU)は、カマウ省人民委員会の下部組 織である農業農村開発局、保健局、教育訓練局、交通局、計画投資局、財務局の代表者等から 構成されるが、これらの機関は本計画で建設、供与される施設・機材と同等の施設・機材の運 営・維持管理を既に実施しており、プロジェクト竣工後の運営・維持管理面において、特段の問 題は無い。また、財政面でも必要に応じて中央政府の財政支援が行われることから、特段の問題 は無い。

(5)

中長期開発計画への寄与

「ベ」国では第

8

次社会経済開発

5

カ年計画(2006-2010)において、経済成長、生活改善、

インフラ整備を主要課題とし、貧困率を

2010

年までに

10~11%(新貧困ライン基準)にする

ことを目標としている。カマウ省においても、第

8

次社会経済開発

5

カ年計画を受けてカマウ 省貧困削減プログラムを策定し、飢餓及び貧困家庭の割合を

2010

年までに現状の

19.2%から 10%以下にすることを目標としている。本計画は、カマウ省の最貧困地域であるウミンハ地区

の所得向上手段の確立、基礎的社会インフラ整備を行うものであり、上述の目標の達成に大き く寄与すると考えられる。

(6)

プロジェクトの収益性

本計画は、所得向上手段としての林地改良工事の施工、機材調達、並びに基礎的社会インフ ラの整備を行うものであり、収益が期待できるものではない。

(7)

環境影響

当該地域の土壌は空気に触れると酸性化する酸性硫酸塩土壌であることから、掘削土を盛土 する場合には表層度で表面を被覆し、土壌の酸性化を防止する等環境面に配慮した設計とした。

また、要請された道路の優先度評価に際しては、住民移転による社会影響を評価項目に加え、

住民移転を可能な限り防止するよう配慮した。これらのことから、本計画が環境に与える影響 は、小さなレベルであると想定される。

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