1.市民及び市民団体、自治体の役割
多文化共生に関わる諸問題は、市のすすめる施策展開とともに、市民の主体 的な関わりが必要です。「公共は行政が担う」という従来の発想から脱却する中 で、公共のもうひとつの担い手としての市民の役割が大きくなっています。市 民活動の活発化により、地域的な広がりとともに、多様な市民層の人的な広が り、さらには外国人市民などとのつながりが形成されるなど、市民や市民組織 の関わりが持つ意味は大きいといえましょう。
市は、外国人市民などに対する福祉や教育などの基本的な行政サービスにつ とめるとともに、行政の国際化を推進し、さまざまな行政サービスの情報提供 については外国人団体等との連携を含め可能なあらゆる機会を捉えて多言語で 行い、さらに日本語教室や外国人向け生活相談など、多文化共生への基盤整備 につとめながら市民活動の支援を行っていくことが主な役割となります。
本プランの推進には、市民及び市民団体と市との協働が何よりも必要です。
このため、特定非営利活動法人たちかわ多文化共生センターを核とする国際交 流関係団体相互の連携と市との協働体制を築いていきます。
2.プランの推進体制
本プランは、外国人市民や学識経験者からなる「立川市多文化共生推進委員 会(仮称)」(注)をはじめ、市内の国際交流関係団体連絡会議、そして庁内の 立川市国際化行政推進会議が中心となって推進体制を整え、実施していきます。
3.重点施策のアクションプログラム
次ページ以下に、重点施策としてアクションプログラムを示します。
注)立川市多文化共生推進委員会(仮称):多文化共生の推進のための諸施策を展開していく ため必要な事項を審議するとともに、自ら活動主体として実践するための母体となる組織。
重点施策のアクションプログラム
実施項目1(取り組み項目1) 人権尊重意識を高めるための啓発活動の促進
実施項目2(取り組み項目2) 多文化共生の意識づくりのためのシンポジウ ムなどの開催
実施項目3(取り組み項目6) 外国人市民などのための生活相談の充実
実施項目4(取り組み項目14) 各種行政関連書類の多言語化の充実
実施項目5(取り組み項目18) 交流と連携のネットワークづくりのための フレンドシップ交流事業の展開
実施項目6(取り組み項目25) 幅広い市民レベルの交流の促進
実施項目7(取り組み項目29) 多文化共生円卓会議(仮称)の開催
実施項目8(取り組み項目30) 外国人リーダーや外国語教室での講師など 市民活動リーダーの育成
所管課
平成18年度~平成20年度 産業文化部市民活動課
多文化共生の意識づくりと推進 ― 人権尊重の意識づくり ― 人権意識を高めるための啓発活動の 促進
人権尊重意識を高めるための啓発活動の促進
●外国人市民なども地域でともに暮らす市民であり、生活者であるという視点から、国籍や人種の違い を超えて、市民一人ひとりが相互の存在や文化、価値観などを認め合い、同じ人間として接し、ともに助 け合えるよう、人権尊重の啓発活動を推進する。
●多文化共生社会の実現をめざすためには、人権尊重意識が基本である。基本的人権の尊重はすべ てに優先すべきであり、外国市民なども例外でないことはいうまでもない。
●外国人市民などをゲスト扱いするということではなく、地域の構成員と捉えることが必要とされる。
●外国人市民などであるがために差別されたり、あるいは不平等な扱いが行われている事実があるか どうか、さまざまな観点から把握する必要がある。平成16年度外国人市民対象アンケート調査では、い ろいろな角度から差別をうけた経験があるかどうかを把握する試みを行っている。例として、就職・雇用
(仕事)において差別や偏見を感じたり、不愉快な経験をしたことがあるか、という問に対し、ある、と答 えた人は49%に達し、かなりの高率である。さらに、住宅・入居においてそうした経験があるか、との問 に対しては、ある、が37%とこれも高い。
●人権啓発運動は、法務省の人権擁護機関や都道府県等がそれぞれ独自に実施してきたが、平成10 年9月に発足した東京都人権啓発活動ネットワーク協議会(東京法務局・東京都人権擁護委員連合会・
東京都により構成)では、各実施主体間の連携・協力関係を促進する活動を行なっており、また、外国 人市民などに対する偏見・差別をなくすためのチラシを作成し、啓発運動に取り組んでいる。
実施期間 課題・目標
展開方向
●チラシやパンフレット類を作成・配布し、市民や民間団体及び外国人市民などを雇用する事業主、企 業などに対する人権尊重意識の普及・啓発活動を進める。
●市民が主体的に啓発活動に参加し、人権意識を育くむよう、市民主体の人権啓発活動を支援してい く。
●差別や偏見について、適宜アンケート調査を実施し、把握に努める。
●外国人市民なども地域で生活している同じ住民であるという考え方に立ち、市民一人ひとりの人権意 識を育み、偏見や差別の意識を除去することが課題である。
●地域に住むすべての住民に関わることであり、市民、企業、団体、行政が一体となって人権尊重を高 めるための取組みを進めることが必要である。
実施項目 1
考え方
背景・現状
施策体系
所管課
平成17年度~平成21年度 産業文化部市民活動課
実施項目 2
考え方
背景・現状
施策体系
多文化共生の意識づくりと推進 ― 多文化共生のための学習機会の創出 ― 国籍や民族、言葉や 習慣の違いを超えて、多様な文化や価値観を認め合う多文化共生の意識づくりのためのシンポジウム などの開催
多文化共生の意識づくりのためのシンポジウムなどの開催
●多様な文化や価値観を認め合い、国籍や民族、言葉や習慣の違いを超えた多文化共生の意識づく りのためのシンポジウムなどを開催するとともに、多文化教育や人権教育を推進する。また、英語だけ でなくさまざまな言語の学習の機会を設けるなど、外国語教育をつうじて異なる文化や習慣について の理解を深める。
●日本では移民(永住者)の入国は基本的に認められていないが、実質的には外国人の定着過程が 累積するなど、日本社会の構成が急速に変容しつつある。こうした中で、もはや日本人対外国人という 図式では捉えきれない状況が生じつつある。たとえばそれは、外国出身市民や海外に永く居住して帰 国した人であったり、両親の一方が外国人である子であったり、あるいは在日韓国・朝鮮の人たちであ るといったような様々なケースが考えられるが、こうした過程において多国籍、多民族、多言語化が進 展する社会的様相が顕在化してきている。
●これらの状況のもとで、本市においては外国人登録者は増加傾向にある。今後、どのように推移し ていくか予測は困難ではあるが、一般的に外国人については地域の中で潜在化し、孤立する場合が 多いのではないか、と言われる。そのことを直接裏付けるデータではないが、平成16年度外国人市民 対象アンケート調査によれば、本市に住んで困ること、嫌なことは何か、の問いに対し、友人ができな いこと、と答えた人がもっとも多かった。これは、必ずしも本市に限ったことではなく、また友人ができな いということは個人差ということもあろうが、こうした傾向が見られることは確かである。外国人が周辺 化すると言われる理由としては、衣食住といった生活上の様々な事がらにも関連する一方、文化的相 違に起因することも考えられる。
●本市は、たちかわ多文化共生センターに「国際意識啓発事業」の運営を委託し、市民の国際化への 関心と多文化共生への理解を深め、国際化への対応を進めるために講演会やシンポジウムを開催 し、広く市民に普及・啓発をはかってきた。
実施期間 課題・目標
展開方向
●たちかわ多文化共生センターとの協働により、多文化共生をテーマとしたシンポジウム開催を行う。
●(実施項目8と関連)外国人市民活動リーダーの育成により、外国語教室の開催を検討していく。
●国際的な視野に立ち、人権尊重の精神を基盤に、異文化理解(日本の文化とは異なる文化への理 解)に関する学習を基調とする多文化共生のための学習の機会(多文化教育)の推進が必要である。