3.5.1
冷たい一様プラズマ中の電子サイク口ト口ン波の分散式ECWはプラズマ中に存在する様々な固有モードの中のIつである。 このようなプラズマ中
の固有モードを取り扱うのに適し、 数学的解析が比較的簡単で、 しかもプラズマの力学的性質 の基本的部分を保持するモデルが、 一様磁場中に空間的に均一に存在する温度Oの冷たいプラ ズマモデルである。 このモデルでは、 無擾乱状態ではイオンも電子も静止しており、 l次の擾 乱により生ずる電磁場によってイオンや電子が運動し、 その結果生ずる電磁場を自己無撞着に 取り扱うことができる45)46)47)。
一様磁場B。中にある一様プラズマ中では、 物理量は平面波の重ね合わせで表されるから、
電磁場、 電流密度、 電荷密度がexp
[i( k・x-ωt)
]の依存性を持っとすると、 Maxwell方程式 から、k x (k x E) + (:)'n
=0 (3.14)
Dは誘電率テンソル止を用いて、
D = i . E (3.15)
と書かれるから、(3.14)式は、
nu 一一 E 《 ε \It--,ノ
ι白山 × ーに × E + /f-11\ ω一c (3.16)
屈折率π=
竺
を用いると、いJ
πx (πx E) + ê. E
=0 (3.17)
42
tは冷たい一様プラズマ中では、
d so \11lit--tf/ oop 、、BE,,,nδ 噌ti qJ 〆'SE1、
で表される46)。ここで、
s = � (R+L), D= � (R-L) 2
R 三 1-
L
ωs ω(ω+ωcs)
2
L 三 1-
L:
ωs ω(ω-ωcs)
いJps
2
P 三 1-
L:マ
;- w
(3.19)
(3.20)
(3.21 )
(3.22)
であり、ωpsとωcsはそれぞれs種の粒子のプラズマ周波数とサイクロトロン周波数で、
Wps
一(47r::.Qs ms 2 ) 1/2
μ)cs
一q msc s B 。
(3.23)
(3.24)
である。ns、qs、msはs種の粒子の数密度、電荷、質量で、cは真空中の光速である。
(3.17 )式に(3.18 )式を代入し、また、πとBoとのなす角をOとして、nがzx平面に
あるようにz軸をとると(3.17)式は、
f 5 - n 2 COS2 () -iD
A . E = I iD 5 - n2
\ n 2 COS B sin B 0 Z \111111/ 一一 ハU
\11EEl--,fノ J'''as--aE・E・-E・‘、、、 EEE z ν AO AO
n 2 ・ 1
n
Qu
AU 2 川 }! F3 ・ TA
s n
o C 一 内,“
η
P (3.25)
で表される。 Eヂ0となる解が存在するためには、
det A = 0
でなければならないから、
Aη4 -Bη2 + c = 0 (3.26)
A = 5sin2()+PcoS2() (3.27)
B = RL sin2 B + P 5(1 + cos2 B) (3.28)
C = PRL (3.29)
である。 波動が磁力線に沿って伝播する場合、()=oであるから(3.27)、(3.28)式は、
A=P, B=2P5
となるから、(3.26)式は、
P(η2 _ R)(η2 _ L) = 0
44
よって、
P = 0 , η2 = R, η2 = L
この3つのうち、η2 = RがECWの分散式を表す。つまり、
2 = 1一
平 J乙c
s)(3.30)
プラズマが電子と1種類のイオンから成り、ECWの周波数ωがω》ωCtである場合、
q いJ帆2
n-
= 1ーω(ω二|ωce 1)、、Ea,ノ 噌tiqJ qd 〆'a,‘、
である。(3.31)式においてω=1ωce1の時η=土∞となり、 電子サイクロトロン共鳴(ECR) が起こる。
3.5.2
実験結果図3-9はプラズマ中に励起された波動の干渉波形を、 入射マイクロ波パワーが 5kWの場合
について測定したものである。図3-9(a)はレンズが無い場合、 図3-9(b)はマイクロ波凹レン ズを使用した場合である。
励起された波動の波長は実験条件や場所により変化するが、 典型的な波長入は入I'"V 5cm
である。また、 図3-3の場合共鳴点はz = 140cmにあるが、 いずれの場合も共鳴点よりもか なり入射窓に近い側で減衰している。 この点については、 本章の最後で考察する。プラズマ中 に励起された波動のモードを特定するため、 入射パワーが3kWの場合に磁場の強さを変化さ
I'"V
40cm付近の波長と磁場の強さからkllとω/ωceの関係をプロットしたのが図3-10である。白丸がレンズ無しの場合、黒丸がマイクロ波凹レンズを使用した場合である。 励起され た波動の、磁場に垂直な波数九をたよ ~ π/D (Dは真空容器の直径で45cm)とすると、
k.l
t"V O.07cm-1であり、kll t"V 1.3cm-1に比べて十分に小さい。 したがって、無限一様プラズマ近似を用いることができる。 実線は、無限一様プラズマ中でのECWの分散関係(3.31)式 による理論曲線である。 この結果から、プラズマ中に励起される波動はECWであると考えら れる。
レンズが無い場合、ECWが減衰していく途中において、振幅が大きくなっている領域が見 られる。 これは周辺部を伝播してくるECWの影響であるか48)49)50)、あるいは波動の励起効率 の空間変化が原因であると考えられる51)。 また、マイクロ波入射口においても、波動の振幅が 大きくなることが観測される。 これについては、測定用アンテナのような導体が入射窓近くに あると波やプラズマへの影響が大きくなり、 干渉波形が変形すると考えられる。
46
-圃h、ωtcコ.心」の
、..._,..
のちコヤ己ε〈
5kW
( a) without Lens
( b) with Lens
。 20 40 60 80
z (cm)
図3-9 プラズマ中の波動の干渉波形
0.8
o without Lens
• with Lens
\ S
0.4
ぬ