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第3章 ファジービーン混播あるいは 混合サイレージの発酵品質

3.0 士0.70 a

0.0::f: 0.00 a

24.6士1.30

a

872::f:35.9C

Gu/Pb 21.2::f:0.90 b

3.0士0.15

a

0.1::!::0.05

a

24.2士1.00

a

876::!::1.1C

1)表3-1に同じ.

2) TA:総酸.

3)同列の異なる肩文字聞に有意差有り(p<0.05) .

むミ Cコ

表3-3 サイレージの発酵品質(平均値±標準誤差)

処理区1) 乾物率

(g/kg) pH

Gp 283::!::6.5d 6) 5.9::!::0.21 C

Gu 246::!::3.2b,c 5.5::!::0.02b,c Pb 189::!::1.1a 5.4::!::0.01 b

Gp/Pb 256±3.6c

4.8士0.19

a

Gu/Pb 234±0.6b

5.1士0.05a,b

1)表3-1に同じ.

2)乾物率とpHによる評価.

3) TN:全窒素.

4)揮発性塩基態窒素比率による評価.

5)有機酸組成による評価.

2)

揮発性塩基態窒素比率 等級

}t>( (g /kg TN) 3)

劣質

劣質 劣質

中~劣質

劣質

182士17.8 c 146士4.6b,c

106士5.9 a,b 104士14.5 a

127 ::!::3.5 a,b

6)同列の異なる肩文字聞に有意差有り(p<0.05) .

4) 5)

評点 フリーク評点

47士7.1 a 50士7.0 a

61::!:: 1.9 a,b

87士l1.0 b

78士2.5 c 100土0.0 b 69士5.6 b,c

99.5::!::0.5 b

78士1.4 c 100士0.0 b

示した(p<0.05).

イネ科牧草の単播区と混播 区を比較 すると , pH および揮発性塩基態窒 素比率は単播区より混播区で低い 値を示し, グリーンパニックについて はいずれの値も有意に 低下した(p<O.05) . pHをもとにした等級は単描 区, 混播 区とも全てが劣質であった. 揮発性塩基態窒素比率を もとにし た評点は, 両イネ科草とも単播区より 混矯区で有意 に 高くなった (p<

0.05) .

一般に マメ科 牧草は乾物率および水溶性炭水化物 含量が少なく, 緩衝 能は高いことから, 発酵品質を改善する目的でマメ科牧草が混播される ことはなく, 永西ら(1991)および内田 ・ 北村(1987)は, マメ科 牧草 の含有割合の増 加に とも ないサイレージ 発酵品 質は低下することを報告 した. しかし, 本試験の結果から, 暖地型イネ 科牧草にファジービーン を混播すること により, 単播で栽培する場合と比較してサイレージの乳 酸比率は 増加し, pHおよび揮発性塩基態窒素比率が低下し, 発酵品質は 改善されることが示 された. そして そ の効果はギニアグラスよりグリー

ンパニックで顕著であった.

3. サイレージの 発酵過程およ び栄養価値に対する混播の影響

サイレージは , 乳酸菌を主とした微生物の発 酵で生産される有機酸類 によりサイロ内のpH を 低下させ, 二次発酵や蛋白質分解等を抑制するこ

-E4 qd

とにより, 埋蔵飼料に貯蔵性を持たせるものである. 本試験において,

ファジービーン との混播によりサイレージの総酸含量の増加は認められ なかったが, 酢酸含量は低下し乳酸比率は増加 した(p<O.05) . このファ ジーピーンとの 混播による有機酸組成の 改善は, 混播が貯蔵初期の発酵 において 生産される有機酸組成ヘ及ぼす 影響お よびその後の乳 酸を基質 とする二次発 酵へ及ぼす影響を反映していると 考えられる. しかし, 本 試験の結果から は, 混播が貯蔵初期あるいは二次発酵のいずれ に大きく 影響 したかは判断できな い. こ の点を明らかにするため には, サイレー ジ発酵過程を経時的に検討する必要があると考えられる.

グリーンパニックとギニアグラスを 比較した場合, サイレージの発酵 品質に対する混播の影響はグリーンパニックで顕著であった. その原因 として , 表3-1 に示したように, グリー ンパニックではサイレージ発酵 の主要な基質である水溶性炭水化物含量 が混播 区で増加したことにより 乳酸発酵が盛んにな ったり, グリーンパニック の混播区 のファ ジービー ンの生重割合は ギニアグラスの場合より高かったことにより混播による 発酵への影響 が強く出たことなどが考えられる.

サイレージの栄養価, 特に蛋白質含量を増加させ 栄養価値を改善す る目的で暖地型マメ科牧草を混播す る試みは 従来から行われ てきた (永西ら, 1991, 1996a ; Maasdorp and Titterton, 1997 ; Titterton and Maasdorp, 1997 ;内田・北村, 1987) . 表3-1および表3-3に示したよう

-32-に, 原料草の全窒素含量は増加したが, 揮発性塩基態窒素比率は低下し ており, いずれの草種も揮発性塩基態窒素まで分解されずに貯蔵された 窒素化合物は 単播区より混播区で多かったと考えられる. これは, ファ

ジービーンの混播により粗蛋白質含量は増加したが, 蛋白質の栄養価を 低下させるサイレージ中の揮発性塩基態窒素の割合が低下したことを示 す. したがって 本試験のファジービーンを混播した場合においても,

蛋白質栄養に関して栄養価値は改善されたと考えられる.

円。円。

第2節 フ ァ ジービーンの混合がサイレージ貯蔵中の窒素化合物の

分解に及ぼす影響

緒言

サイレージ貯蔵中に生化学的変化を受ける主な成分は, 呼吸や発酵の

基質となる炭水化物と蛋 白質とであり, それらの成分の変化はサイレー

ジの貯蔵性や栄養価値と密接に関連する. これら2成分のうち, ファジー

ビーンサイレージの蛋白質ついては 窒素化合物分解の最終産物とされ

る揮発性塩基態 窒素まで 分解さ れる窒素化合物の割合が 低い特徴が示さ

れ(第2章)) ファジービーンを暖地型イネ科牧草の混描草とすること

により, そのサ イレージ の全窒素含量は増加し たが, 揮発性塩 基態窒素

比率は低下した(本章第1節)•

サイレージ貯蔵中における窒素化合物の 分解は, 主に植物酵素 により

蛋白質が遊離アミノ酸に 分解される過 程 と, アミノ酸の脱 炭酸化や脱ア

ミノ化により揮発性塩基態窒素 (アンモニアやアミン類)が生成される

過程とに分けられる(Heron

et

a1., 1986 ; Ohshima and McDonald, 1978

;大山,1971b). 第2章 および本章第1節に示したように, ファジービー

ンサイレ ージやファジービーンを含むサ イレージでは, 上述の 蛋白質分

-

3 4

-解, 揮発性塩基態窒素の生成の何れか, あるいは両方が抑制されている 可能性が考えられ る.

本節おいては, 暖地型イネ科牧草青刈ヒエ(Echinochloa crus-ga1li P.

Beauv. var. frumentacea Wright)およびバヒアグラス(Paspa1um notatum Flugge)にファジービーンを数段階の割合で混合してサイレー ジ調製を行い, サイレージ貯蔵中の蛋白質分解および揮発性塩基態窒素 生成に及ぼすファジービーン混合の影響を詳細に検討した.

材料および方法

1.

原料草

原料草は, 暖地型イネ科牧草として1993年に九州大学農学部附属農場 で栽培したバヒアグラスおよび青刈ヒエ 暖地型マメ科牧草として九州 大学農学部試験圃場で栽培したファジービーンを用いた. 1993年8月の 刈取り時の生育段階 は, ファジービーンは開花期, バヒアグラスおよび

青刈ヒエは出穂、期であった.

2.

サイレージ調製

原料草の予乾は行わず, メIJ取 り後直ちに約1cmに細切し, 青刈ヒエ (Mi100区) , バヒアグラス(Bg100区) , ファジービーン(Pb100区) の単独草, 全生重に占めるバヒアグラス あるいは青刈ヒエの割合がそれ

-35-ぞれ75% (Bg75区, Mi75区) , 50% (Bg50区, Mi50区) , および25%

(Bg25区, Mi 25区)になるようにファジービーンを混合したもの を各区 3反復で実験 用サイロにそれぞれ約50 g の原料草を詰め込み, 20'Cの恒 温室で約 100日間貯蔵した . なお, 実験用サイロ はMuck (1987 ) の方法 に準拠し, ポリエチレン製の100mQ容のものを用いた.

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