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ファイバ長による影響と除去

ドキュメント内 高速波長掃引レーザを用いた (ページ 56-63)

4.4 実験の結果と検討

4.4.2 ファイバ長による影響と除去

図4.11は TC-FDML レーザを用いて測定した FBG の反射信号の結果である。同図(I)は FBG1とFBG2の間に遅延ファイバを挿入していないとき(ΔLD=0 m)で,(I-a)はTC-FDMLレー

ザのFFP-TFの制御信号,(I-b)は順掃引と逆掃引におけるFBGの反射信号の結果である。図中の

番号はFBGの番号kを表している。設置した5つのFBGk(k=1~5)はおのおののファイバ長Lk

までの遅延時間を含んでおり,各FBGの反射信号より,順掃引と逆掃引において時間tF(L),tB(L)

が測定できている。TC-FDML レーザの双方向の波長掃引光を用いたことにより,掃引周期の半 周期に相当する9.9 μsごとに反射信号が検出できていることがわかる。同図(II)は FBG1とFBG2

の間に遅延ファイバを挿入したとき(ΔLD=30 m)の結果である。遅延ファイバの影響を受けて,

FBG2~FBG5の反射信号がシフトしていることがわかる。そこで,図4.4における基準位置 PR

からFBGkまでのファイバ長Lk(k=1~5)とFBGの反射信号の時間との関係について実験を行っ た。

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図4.11 FBGの反射信号の結果

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図4.12は遅延ファイバの長さΔLDを用いてファイバ長Lkを変化させたときの各FBGの反 射信号の時間の測定結果である。図4.12(a)は順掃引における 5つの FBGの反射信号の時間 tF(L)を測定した結果である。遅延ファイバの長さ ΔLDが長くなると,FBG2~FBG5の反射信号の時 間が増加していることがわかる。また,最小 2 乗法による近似直線の傾きは FBG1において 0.0 ns/m,FBG2~FBG5において9.8 ns/mとなった。基準位置PRからFBGk(k=1~5)までのファイバ 長Lk(k=1~5)による遅延時間τk(k=1~5)は(4.2)式となる。

𝜏𝜏𝑘𝑘 =2𝑛𝑛𝐿𝐿𝑘𝑘

𝑐𝑐 (4.2)

ただし,cは光速,nはコアの屈折率である。

ファイバの長さを1 mとした場合,(4.2)式より遅延時間τは9.8 nsとなり,図4.12 (a)の FBG2~FBG5の近似直線の傾きに一致する。そこで,4.3節で述べた遅延時間の算出方法 を用いて,遅延時間の除去を行った。

図4.12(b)は遅延時間τkを除去したときのFBGの反射信号の時間(tF(L)k)の結果である。

時間(tF(L)k)が遅延ファイバの長さ ΔLDの影響を受けずに一定になっている。さらに,ΔLD=0 mにおける各 FBGのファイバ長Lkの影響も除去できており,時間 tF(0)の算出が行えている。こ のことから,本手法は図4.4の基準位置PRから各FBGまでのファイバ長Lkによる遅延時間τk

を除去でき,反射信号の時間 tF(0)を算出することができる。また,逆掃引においても同様の処理 を行い,反射信号の時間tB(0)が算出できる。

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図4.12 遅延ファイバによる反射信号の結果(順掃引)

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本システムが FBG までのファイバ長の影響を除去できていることを実証するため,静的ひず みによる実験を行った。静的ひずみを印加するため,図4.13に示すように FBG4を含むファ イバの両端に固定ステージと可動ステージを固定した。2つのステージの間隔 Lstageは 1 mとし ている。取り付けた可動ステージを ΔXFBG4 μm 移動させることにより,ひずみ ΔεFBG4 με(=

ΔXFBG4/ Lstage)が加わる。実験は可動ステージの移動量ΔXFBG4を100 μmごと増加させた。

図4.14はファイバ長の影響がある場合のひずみによる FBG4の反射波長 λm4の結果である。

同図(a)は遅延ファイバを挿入していない場合(ΔLD=0 m)の結果である。順掃引と逆掃引により 測定した反射波長の値がひずみの印加にともない,長波長側にシフトしていることがわかる。

ここで,ΔXFBG4=0 μmの反射波長λm4は,順掃引のとき1562.20 nm,逆掃引のとき1558.06 nmと なっている。これは基準位置PRからFBG4までのファイバ長による遅延時間の影響を受けて,順 掃引の反射波長が長波長側に,逆掃引の反射波長が短波長側にシフトして測定されているため である。同図(b)は遅延ファイバを挿入した場合(ΔLD=30 m)の反射波長の結果である。

ΔXFBG4=0 μmの反射波長の値は,順掃引が1564.73 nm,逆掃引が1555.18 nmとなっており,遅延 ファイバを挿入したことによりシフト量が増加していることがわかる。

図4.15はファイバ長の影響を除去したときの結果である。同図(a)のΔXFBG4=0 μmの反射波 長λm4は,順掃引と逆掃引ともに1560.15 nmとなっており,PRからFBG4までのファイバ長によ る遅延時間の影響を除去できている。同図(b)の遅延ファイバを挿入した場合(ΔLD=30 m)も同 様に,遅延時間の影響が除去できている。最小2乗法を用いて直線近似の傾きを算出すると,

順掃引と逆掃引の傾きは約1.2×10-3 nm/μmとなり,波長モニタWMの測定結果と一致した。本シ ステムは,遅延時間の影響を除去でき,順掃引と逆掃引の双方向の掃引を用いて反射波長を測 定できる。

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図4.13 本システムを用いた静的ひずみ測定 Data Acquisition System (DAQ) Trg. signal

Detector

Ref. clock

ADC FPGA PC

FBG1

OSC TC-FDML

Laser

Delay fiber ΔLD PR

transferDMA FBG2 FBG3 FBG4 FBG5

Trans-mitter Digitizer

AMP

Control signal

Circulator 2 FS1 MS1

Lstage ΔXFBG4

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図4.14 ファイバ長の影響がある場合のひずみによる反射波長の測定結果

図4.15 ファイバ長の影響を除去した場合のひずみによる反射波長の測定結果

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