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Finance

松田 庄平[

Shohei Matsuda

単位数:4単位

学期[Quarter]:春学期授業[Spring-1・Spring-2]

授業分類:専門講義 基礎科目

【授業の概要と目的(何を学ぶか)】

経営者にとって、ファイナンスの知識は正しい経営上の意思決定を行

管 理 ID:

1600816 授業コード:

W0060

うにあたりきわめて重要であり、ビジネスの成否を大きく左右しま す。この授業は重要な基礎ファイナンス理論および起業家(アント レプレナー)並びに中小企業コンサルタントにとってのベンチャー の資金繰りおよび企業価値の最大化のために必要な知識の修得を目 標とします。企業の財務的な問題点把握のために財務分析の基礎的 手法も学びます。コーポレート・ファイナンス(資金調達、事業投 資、キャッシュフロー管理)およびインベストメント・ファイナン ス(ポートフォリオ理論)の概念を幅広く理解し、その中でアント レプレナーにとっての企業価値を最大化するために必要な知識の修 得に焦点をあてます。現在価値の理解の過程では、エクセルおよび ファイナンス計算機の使用方法を含め学習します。

【到達目標】

以下の6つを目標とします。

①主要なファイナンス理論の枠組を理解する。

②自らが作成するベンチャー事業計画の財務上の整合性(キャッシュ フロー、財務リスク、企業価値、株式保有比率)を検証することが できる。 

③事業計画、財務諸表相互間の整合性を保ちつつ利益の最大化を計 画することができる。 

④キャッシュフローを予測、分析し、ベンチャー企業の流動性を確 保することができる。 

⑤財務分析を行い、企業の健全性を検証することができる。 

⑥資本市場において企業の価値がどのように決まるかを理解し、自 己のベンチャーの企業価値および自らの保有株式の価値の最大化を 目指すことができる。 

【授業の進め方と方法】

授業は効率性を重視し、主に演算演習を交えた講義形式で行います。

ケース・ミニケースも適宜利用します。 講義では事前に教科書に 沿ったパワーポイントの講義ノートを配布するので予め理解に努め てください。各講義終了後にケーススタディまたはミニケースの課 題を与えるので、翌週の授業開始時に発表できるよう準備願います。

授業は[財務理論に関する基礎知識 第1回〜第3回]、[経営計画と

財務マネジメント 第4回〜第8回]、[企業価値の評価と向上 第 9回〜第11回]、[財務面の課題解決策とその活用−アントレプレ ナー・ファイナンスへの応用 第12回〜第14回]の4部構成と なっています。

【授業計画】

回 テーマ 内容

第1回 オリエンテーション 講義の進め方と成績評価について 説明する。コーポレート・ファイ ナンスとアントレプレナー・ファ イナンスの違いを理解し、到達す べき目標水準を確認する。 金融 資産評価の手法等、基礎的なファ イナンスの演算をファイナンス計 算機HP-12Cを使用して行うた めの基礎的準備を行う。 同様に エクセルのファイナンスの演算機 能(NPV関数、IRR関数、

RATE関数等)を理解する。財 務諸表の相互の連関と損益計画、

キャッシュフロー計画、投資計 画、資金調達計画および企業価値 の相互の関連について広い視野か ら理解する。

第2回 リスクリターンと資本 コスト

金融資産の現在価値の基礎を学 ぶ。貨幣の時間的価値の考え方を 踏まえ、利子の期間構造を理解す る。財務上の意思決定は投資等の 経営の意思決定を数値的に測定 し、比較判断することに他なら ず、評価の基準となるのが貨幣の 時間的価値と期待利益(リスク)

の概念である。この概念は資本コ スト(株式への投資リスクを勘案 した上での株主の期待リターン)

を通じて企業価値の測定につなが る。 

第3回 キャッシュフロー経営

(各財務諸表の有機的 関連性の理解)

事業計画、損益計画、投資計画、

貸借対照表、キャッシュフロー計 算書の相互関連を理解する。事業 計画の達成度合の違いにより、損 益、フリーキャッシュフロー (FCF)、企業価値の各々が如何な る影響を受けるかをケースを用い て把握し、理解する。

第4回 経営計画と利益の最大 化 − 損益分岐点分 析、差異分析

損益分岐点分析の手法を理解す る。ケースを用いて損益分岐点分 析の活用法を探る。マクロ環境、

市場環境、競争環境、技術力等の 変数の変化による損益への影響 を、シミュレーションを駆使し理 解する。実際上の目標利益水準の 達成度合いを数値的に認識し、必 要に応じ対策を練る。

第5回 財務リスク管理(1)

 − 経営財務分析

経営財務分析の手法を理解する。

ケースをもとに企業の収益性、効 率性、安全性、生産性等を財務分 析の手法を駆使し、分析し、結果 数値を評価する。

第6回 財務リスク管理(2)

 − デリバティブ、

リアルオプション

デリバティブ、リアルオプション の活用による為替、金利、信用、

決済、市場、流動性等のファイナ ンスリスクおよびビジネスリスク の管理手法を理解する

第7回 効率的な投融資 −  投資意思決定

ケースを用いて、資本投資、プロ ジェクト投資の可否をNPV, IRR, Payback Period等の観点 から検証する。プロジェクトリス クについては、シナリオ分析、感 応度分析、損益分岐点分析等を加 え、投資の意思決定を行う。

第8回 財務計画と運転資本の 管理 − 資金調達 

事業計画に即したキャッシュフ ロー予測をベースに運転資金需要 を把握し、資金調達のプランニン グを行う。様々な資金調達手段の 中から最適な資金調達方法を模索 する。借入(社債の発行、銀行借 入、公的借入、リース)、株式発 行、メザニン等の選択肢を理解す る。 

第9回 企業価値の算出基準と その重要性 − 現在 価値(金融資産の評 価)

フリーキャッシュフロー予測を ベースにDCF法を適用し、企業 価値を算定する方法について学 ぶ。その際の株式の資本コストの 期待リターンとしての性格、全体 の資本コストの事業リスクとの相 関関係を理解する。また、資本コ ストは資本と負債の加重平均コス ト(WACC)となることを理解す る。 

第10回 株式の価値 株式の価値の評価方法にはDCF 法に加え、IRR法、MVA、EVA のアプローチがあるが、これらの 違いおよび相互の関係について理 解する。

第11回 ポートフォリオ理論と 資本資産価格モデル (CAPM)

リスクを確率分布で理解する。市 場で成立するリスクとリターンの 均衡関係を把握する。ベータが資 本市場の均衡分析によって企業が 合理的に要求されるリターンのレ ベルであること理解した上で、リ スク評価が株価の価値評価に及ぼ す影響を演習を通じて理解する。

第12回 資本構成の最適化 −  利益還元策と資本構 成

資本構成が企業価値に無関係とす るMM仮説を理解した上で、ベ ンチャーのアントレプレナー(起 業家)にとり、法人税の存在する 現実のビジネスでの最適資本構成 を模索する。アントレプレナー・

ファイナンスでの最適資本構成は コーポレート・ファイナンスの考 え方とは異なることを理解する。

第13回 アントレプレナー・

ファイナンス- ベン チャー企業の資金調達

ベンチャー企業の資本・資金調達 手段である、エンジェル投資、ベ ンチャーキャピタル、株式公開、

クラウド・ファンディング、政府 系融資につき理解し、企業の発展 段階とそれぞれの有用性を認識す る。

第14回 アントレプレナー・

ファイナンス- ベン チャー企業の価値評価

ベンチャーキャピタルの企業価値 評価方法として、ベンチャーキャ ピタル法のPre-Money, Post-Moneyの各評価方法を理解 する。DCF法およびPERの適 用と、資金調達において、分割調 達(Staging)の重要性を認識す る。

第15回 最終試験 最終試験

【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】

財務・会計に関して、予め備えておく知識は多くを求めないが、講 義の進行の中で理解が及ばない場合は、自ら学習することが必要で ある。参考書は個人の知識と経験レベルに応じて適宜紹介する。講 義ノートはパワーポイントで事前に配布するので、授業前に目を通 しておくこと。内容が不明な部分は、適宜参考書を参照して欲しい。

講義中に利用するケーススタディ、ミニケースは基礎的な演算の訓 練や自己の意見をまとめる為に予習が必要である。

【テキスト(教科書)】

講義ノート(パワーポイント)およびケース(ミニケース)は事前 に配布する。

【参考書】

Brealey, R., Meyers, S., & Allen, F., “PRINCIPLES OF CORPORATE FINANCE” McGraw-Hill, (藤井他訳、「コーポレー トファイナンス(上)(下)、日経BP社 2014年 (訳本(第10 版)は上下に分かれています。原書は最新版(第11版)がでてい ます。 原書は5600円で購入できるように手配予定です)

ティモンズ『ベンチャー創造の理論と戦略』千本倖生、金井信次訳  ダイヤモンド社、1997年(原書は2013年版があります)

忽那憲治、山本一彦、上林順子 『MBAアントレプレナー・ファ イナンス入門』中央経済社、2013年

山田晴信 『ハーバード・ケーススタディ方式で企業財務を学ぶ』金 融財政事情研究会、2012年 

必要な個所については随時配布する。

【成績評価の方法と基準】

評価基準 最終試験 60% ケースレポート 20%

講義・議論への参加姿勢 20%

【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】

本年度授業担当者変更によりフィードバックできません。

多くの意見を期待します。

【学生が準備すべき機器他】

パソコン持参が必要です。(Excelを用いる)。 ファイナンス計算 機HP-12CはスマートフォンまたはPCにダウンロード可。特に購 入する必要はない。ダウンロードの方法は初回講義で説明する。

【その他の重要事項】

事前に講義ノートに目を通し、解りにくい箇所は参考書等で疑問点 を調べておくこと。ケースの事前課題がある場合は、予習で考えを 纏めておくこと。また、事前に疑問点等を明確にしておくこと。

質問は授業終了時に受け付けます。

【【担当教員の専門分野等】】

<専門領域> ファイナンス

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