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4.2  不合格(FAIL)パラメタ解説   

4.2.1  ワイヤーマップ(Wire Map) 

(1) パラメタ定義 

ワイヤーマップとはケーブル両端の接続を示すもので、正しい対組み合せ(Correct pairing)、  対反転(Reversed pair)、対交差(Crossed pairs)、対分割(Split pairs)等があります。 

ワイヤーマップ試験は、敷設時のケーブル対の配線間違いを見つけるために使われます。リン  クの8つの導体に関して、ワイヤーマップ試験は以下のことを示してくれます。 

 

①  両端の適切な成端がなされているかどうか 

②  遠端までの導通 

③  対交差(クロスペア) 

対の 2 つの導体が端末のコネクタで異なった対の位置に接続された状態。 

④  対分割(スプリットペア) 

ピン間の接続はあっているものの、物理的には分離されている状態。 

(各ペアの正しい組み合せは、1‑2 、3‑6 、4‑5 、7‑8 であるがペアの組み合せを間違えた場合  のことをいいます。) 

⑤  対反転(リバースペア) 

リンクの片端で1対の極性は反転している状態。(チップ/リング反転とも呼ばれます。) 

⑥  対短絡(ショートペア) 

⑦  その他の誤配線   

                   

      図 4‑3  ワイヤーマップ

正しい組み合わせ 対反転(リバース)

対交差(クロス) 対分割(スプリット)

  (2) テスト結果の見方 

ほとんどの場合が、ストレート配線の結果が示されます。LED 表示方式テスタ様な簡単なツ ールを使った場合には、ランプはショートやオープンを検知したときに点灯します。 

これ以上のテスト、すなわち、対分割のようなテストは、簡単なツールでは、製品によって はできないものもあります。普通は、これらのツールで充分ですが、正しく情報配線が配線さ れていることを必ずしも保証しているわけではないということに注意しなければなりません。

例えば、対分割の検出には、近端漏話減衰量(NEXT)あるいはインピーダンスの測定が必要と されます。このような機能は、ローエンドのテスタ機能としては一般には備わっていません。

対分割は、大きな NEXT を発生させ(一般的には 22dB 以上)、これは、敷設された情報配線の帯 域を大きく制限してしまいます。 

スクリーン撚り対ケーブルでは、スクリーンの導通を調べる必要があります。この機能は、

ハイエンドなツールでなければ判定できない場合もあります。 

ワイヤーマップ試験は、基本的な試験です。しかし、正しい配線が必ずしも帯域性能を検証 しているということではないということに留意しておくことは大事なことです。そして、この ワイヤーマップ試験以外の試験結果、すなわち特性が周波数に依存する NEXT、挿入損失および 反射減衰量等の試験結果は、情報配線が高速なアプリケーションをサポートできているという こと確認するには大事な試験項目です。 

 

(3) 推奨トラブルシューティング方法 

ワイヤーマップが不合格(FAIL)になった場合は、圧接接続(IDC)ブロックやコネクタの配 線を注意深く検査します。一つ以上のワイヤが入れ違いになっているのが見つかるかもしれま せん。必要に応じて成端をやり直します。 

もしも、配線がない対がある場合は、対象とするアプリケーションにとってその対が必要な いことも考えられます。例えば、10BASE‑T やトークンリングは、2 対しか必要ありません。設 計によっては、4 対のうち 2 対ずつを 2 つの RJ45 コネクタに接続しようとするものも中にはあ ります。重要な点は、敷設した配線が、要求されている設計基準に合致していることをしっか

 

(4) トラブルシューティング事例 

具体的な、障害別のワイヤーマップ試験結果画面例を示します。 

   

           

 

正しい対組み合わせ   

       

クロスワイヤ      対反転(リバース) 

       

  対交差(クロス)      短絡(ショート) 

       

      断線(オープン)      対分割(スプリット) 

 

図 4‑4  ワイヤーマップ障害例 

4.2.2  ケーブル長  (1) パラメタ定義 

ケーブル長は、ケーブルの物理的な長さ、あるいは、シースの長さとして定義されています。

これは、一般に、ケーブルのジャケットの外側にマーキングしてある長さから読み取られる長 さに対応すべきものです。物理的な長さは、電気的な長さ、すなわち銅線の導体長と対照を成 すものです。物理的な長さは、銅線が撚られているために、普通は電気的な長さよりも少し短 くなります。 

長さの測定を行うために、最初に遅延時間が測定され、その後、長さを計算するために、公 称伝搬速度(NVP:Nominal Velocity of Propagation)を使用します。公称伝搬速度は、真空 中の光速度(小文字の c で表す)と比較した信号伝搬の固有のスピードです。NVP は、c の百分 率(%)で表現され、例えば、72% あるいは 0.72c と記述されます。全ての、均一の特性をも った配線ケーブルは、0.6c 〜 0.9c の範囲の NVP 値を有します。同様に、もしも、物理的な長 さを知っていて、そのケーブルの遅延が分かれば NVP を計算することができます。 

ほとんどの事例では、長さはケーブル中の電気的な長さの最も短いものから結果表示されま す。伝搬遅延時間差のために、4 つの対の長さは、僅かに異なります。このようなばらつきは 当然あることですが、例外的な大きなバラツキ(10%以上)があるようなことは、めったにあ りません。 

 

(2) テスト結果の見方 

ケーブル長測定時に注意することは、どんなセグメントであってもケーブルが長過ぎてはい けないということです。例えば、水平配線では 100m となっています。これは、アプリケーショ ン、すなわち、配線システムを使用するネットワークの種類が最大信号遅延時間をサポートす るように設計されているということであり、仮に、このリンクが長すぎる場合には、この遅延 時間が規格値を超過することもありえるからです。時には、敷設作業者は、将来の要求を配慮 して天井や壁の中に余長をとることがあります。予長があることは、リンク全体の一部として 見なすならば問題ありませんが、その余長部分を小さくコイル状に巻いたケーブルがある場合

 

(3) 推奨トラブルシューティング方法 

テストをした結果、長さ試験が不合格(FAIL)になる最も一般的な原因の一つが、NVP 値が 正しく設定されていないことによるものです。仮に、この NVP のことに注意を払わないまま、

予めテスタ設定されている値を使って試験を行うと 10%あるいはそれ以上の NVP 値の差もあり えますので、この結果、即、長さのエラーとして解釈されます。長さが、僅かに長すぎるよう な場合には、NVP 値とケーブルのタイプをチェックします。 

なお、NVP 値を校正する場合、大抵、10%の確度誤差が生じます。したがって、これにより TDR 機能を使った長さ測定は同じ量の確度誤差を生じます。一般的には、長さの規格値を超え てしまっていたことを確認するためには、ケーブル・ジャケット上にある距離目盛を元にした長 さの検証が必要です。 

NVP 値が正しいと仮定した場合には、もう一つの長さ超過の原因は、天井や壁の中の余分に 巻いたケーブルです。問題になっているリンクは、将来の拡張計画を想定した形で余計に長さ をとっていますか?例えば、飛行機の格納庫や倉庫の事例では、離れた場所にある端末は、ワ イヤリングクローゼットから 100m 以上、離さざるを得ない場合があります。もしもこのような ことが計画され、対象となるアプリケーションが規定長を超えてサポートしなければならない 場合には、リンクは配線規格に従えば不合格(FAIL)になるかもしれませんが、長さ以外につ いてはこのアプリケーションがサポートしていると理由で、合格にする場合もあります。テス タ中には、TIA 標準や ISO/CENELEC 要件からの変更を許容するオートテストの内容をカスタマ イズできるものもあります。このようなオートテスト機能は、見込まれた変更を許容する形で 敷設が要件に合っているかどうかを検証するには便利です。 

 

4.2.3  挿入損失  (1) パラメタ定義 

リンクによって伝送される電気信号は、リンクを伝搬するに従い、その電気的なエネルギー を失っていきます。挿入損失測定では、配線リンクの受端に到着するまでに失うエネルギーの 量を測定します。この挿入損失測定によって、伝送信号に及ぼされる電気的な抵抗効果の定量 化を行います。 

 

図 4‑5  挿入損失概念図   

リンクの挿入損失特性は、伝送される信号の周波数とともに変化します。例えば、周波数が 高くなれば、より、抵抗の影響を受けます。すなわち、言い方を変えると、リンクは、より高 い周波数でより多くの挿入損失を示します。したがって、挿入損失は適合周波数全体に渡って 測定されることになります。例えば、Cat‑5e のチャネルの挿入損失を測定しようとする場合に は 1MHz〜100MHzまでの周波数で検証をする必要があります。また、Cat‑3 であれば、1MHz

〜16MHz ということになります。挿入損失はまた、リンクの長さにほぼ直線的に比例して増加 します。つまり、リンク B の 2 倍長のリンク A があり、そして、その他の特性が同じ場合には、

リンク A の挿入損失はリンク B の挿入損失の 2 倍に結果的になります。 

挿入損失は、dB 単位で表現されます。デシベルは、入力パワー(送信機によってケーブルに 送出されたパワー)と出力パワー(リンクの遠端で受信された信号のパワー)の比を対数表現 したものです。 

 

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