第 4 章 IT バブルについて
4.2 IT バブル発生の際の対象銘柄について
4.2.1 IT バブル崩壊前後の個別銘柄について
(1)ソフトバンク
主に通信インフラ構築を主たる業務としていた。ADSL事業やヤフーの親 会社として事業拡大していた。設立当時は、読んで字の如く、ソフトウェア、
コンピュータ関連の書籍などの卸売業を行っていた。IT革命にいち早く気づ き、事業のコアコンピタンスをIT関連事業とし、事業推進する。
1999 年後半から 2000 年初旬にかけて株価が大きく上昇し、その後短期間で下 落している。
しかし、Volume(出来高)の箇所をみるとあまり売買された形跡はない。出来 高から想定すると少回数の売買でどんどん株価が上昇したということになる。
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つまり売る人間が少なかったため株価が急上昇したことになる。浮動株数が大 企業に比して、2000年当時は少なかった為売買成立が現在の株数を考慮した時 よりも起こりにくかったのではないかと思料される(買いたい投資家が多く存 在し、流通株数が現在よりも少なかったため出来高がなくても上昇した)。その 後株価が大きく上昇することは現状ではない。
図4.25 ソフトバンク株価推移
(2)光通信
携帯電話の販売代理業務により業容を拡大した。HITSHOP という独自の販 売店を全国に展開し、販売台数に応じた販売奨励金と、購入者の毎月の通話料 に応じた報酬が携帯電話のキャリアより支払われる仕組みである。携帯電話を IT 関連銘柄と連想するのは、難しいが、同社は携帯販売事業のほかベンチャー 投資事業でクレイフィッシュ(現:eまちタウン)等のインターネットプロバイ ダー事業に投資を行い、IPO を果たした。他の同実績では主要なものに宿泊サ イトの運営を行う一休等がある。
ソフトバンクと同様に1999年から急激に株価が上昇し、その後2000年初旬に 大きく下落している。株価が上昇する際には、ソフトバンクと同様に出来高が あまり大きくないが、下落するときは、ソフトバンクとは違い出来高が大きく ともなった下げである。つまり、下げる際には、上がると考えていた投資家が 売る投資家の株を購入し、売買が成立していたということとなる。
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図4.26 光通信株価推移
(3)ヤフージャパン
主力IT銘柄である。ソフトバンクや光通信との大きな相違は、インフラ事業 ではなく、コンテンツ事業を主たる事業にしている点である。ポータルサイト の運営事業が主たる事業である。前述した2銘柄と同様に1999年から2000年 にかけて大きく株価が上昇し、その後一気に下落した。上昇の際も下落時も出 来高は伴わない。その後、2004年から再度株価が上昇する。新興市場における ITコンテンツ銘柄の人気による上昇である。
図4.27 ヤフー株価推移
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(4)アクセス
システムインテグレーターである。経営管理ソフトなどの独自のソフトウェア の開発などを行う。1999 年後半から 2000年初旬にかけて株価が上昇し、その 後下落している。
その後の株価が上昇することは今のところない。
図4.28 アクセス株価推移
4.2.2 IT バブルの概括
ITバブルにおける特徴として、上昇は、短期間で行われ、出来高(売買成約)
は、あまり伴わず、下落は急に起こる。下落の際にも大きな出来高は伴わない ことが多い。この点から推測すると、上昇する際の投資家の考えとしては、多 くの投資家が上昇すると考え、売りに出る投資家が少ない。つまり、上昇する ということは、当然のことであるが、投資家の大多数は、上昇すると考える。
逆に下落する際も同様のことが考えられる。投資家の多くが売りたいと考える とともに下落すると考える。つまりバブルの前提条件として、投資家の意識の 大多数が買いたいという意識で統一されると起こる。逆に、バブル崩壊は、投 資家の意識が売りたいという意識で統一されると起きると考えられる。
また、市場が効率的である限りにおいて、バブル(価値の異常評価)が長期 間且永続的に起こるということは理論的にないと考えられる。
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