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バスバー … マルチフィジックスモデル

ボルト2a

ボルト2b ボルト1

| 51 右上の垂直面にあるボルト表面の電位は20mV、下部の2個のボルトの水平面の電位は0Vです。こ の電位はこのタイプのバスバーに与える荷電圧としては比較的高く、電位として安全ではありません。

例えば境界に送電流量を与える場合などは、電磁解析のさらに詳細な境界条件設定はAC/DCモジュ ールが必要です。

バスバーモデル概要

このチュートリアルに含まれるより深くて発展的なトピックは、COMSOLで使用できるさまざまな オプションを使ってこれから示します。以下のトピックが含まれます:

 p.78「パラメータ、関数、変数およびモデルカップリング」では、関数定義およびモデルカ ップリングについて学びます

 p.82「材料物性と材料ライブラリ」では、材料のカスタマイズ方法と材料ライブラリへの追 加方法について示します

 p.84「メッシュ追加」では、2 種類のメッシュを追加・定義する方法と、グラフィックスウ ィンドウで比較する方法の機会を提供します

 p.86「フィジックス追加」では、バスバーモデルに固体力学と層流を追加してマルチフィジ ックスの可能性を探索します

 p.107 「パラメトリックスィープ」では、パラメータを使ってバスバーの幅を変更する方法

と、パラメータ値の範囲で解を求める方法を示します。結果としてバスバー幅での平均温度 のプロット図を得ます。

 p.115「パラレルコンピューティング」セクションでは、クラスタコンピューティングを使っ

た求解法を示します。

1. ソフトウェアを開くには、デスクトップのCOMSOLアイコンをダブルクリックします。

ソフトウェアが開くと、[モデルウィザード]ボタンをクリックします。

既に COMSOL が開いている場合、[ファイル]メニューの[新規]を選択して[モデルウィザード]

を開始します。ここで[モデルウィザード]を選択します。

モデルウィザード

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2. [空間次元を選択]ウィンドウで、[3D]をクリックします。

3. [フィジックスを選択]ウィンドウで、[伝 熱]>[電磁加熱]フォルダを展開し、[ジュール 発熱]を右クリック、[選択対象を追加]を選択。

[スタディ]ボタンをクリックします。

この状態でダブルクリック、または[選択対象 を追加]ボタン をクリックしても追加でき ます。

[フィジックスを追加]ウィンドウを開く別の 方法として、[モデル]ノードを右クリックし、

[フィジックスを追加] を選択するが存在し ます。

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4. [スタディタイプを選択]ウィンドウで、

[定常]をクリックして選択します。

[完了]ボタンをクリックします。

プリセットされたスタディは選択した フィジックスに適合したものです。こ の例ではジュール発熱に適したものが 表示されます。カスタムスタディから 選択したスタディタイプをお使いの際 には、手動で詳細設定が必要です。

ジュール加熱・マルチフィジックスインタ ーフェースは、2つのフィジックスインタ ーフェース、すなわち[電流]、[伝熱(固体)]

から構成され、それらと共にマルチフィジ ックス・ブランチにマルチフィジックス連 成要素が表示されます。すなわち、[電磁熱 源]、[温度カップリング]です。このマルチ フィジックス・アプローチはとても柔軟性 に富み、特定のフィジックスインターフェ ースの可能性を完全に引き出すことができ ます。

| 54 時間を短縮するために、ジオメトリをファイルから読み込むこ

とをおすすめします。そうすれば p.55「ジオメトリ」へスキ ップすることができます。そうでなければ、ジオメトリをご自 分で描画作成したい場合、[グローバル定義]ブランチにパラメ ータを定義します。まず始めに下記の手順1から手順3を実行 してモデルのためにパラメータリストを定義し、p.118「付録

A --- ジオメトリ作成」へ移動してください。そうした後この

セクションへ戻り、このbusbar.mphファイルを使ってくださ い。

モデルビルダのグローバル定義ノードに、パラメータ、変数それに関数をグローバルスコープで 保持します。モデルビルダツリーは複数のモデルを同時に持つことができ、グローバルスコープ の定義は全てのモデルから利用可能です。この特定の例題では、パラメータが用いられるモデル ノードはたった一つなので、もしこの一つのモデルにスコープを限定したければ、例えば、関連 するモデルノード直下の定義サブノードに変数と関数を定義することが可能です。

しかしパラメータはここに設定できません。なぜならCOMSOLパラメータは常にグローバルだ からです。

この例題でジオメトリのパラメータスタディを計算する場合、まず最初にジオメトリにパラメト リを使って定義します。この手順で、バスバーの下部の長さをL、チタンボルトの半径をrad_1, バスバーの厚さを tbb、装置の幅をwbbとキー入力します。

1. [グローバル定義]を右クリックし、[パラメータ]を選択。[パラメータ]テーブルで[名前] 列の最初の行をクリックし、「L」と入力します。

2. [式]列の最初の行をクリックし、「9[cm]」と入力します。角括弧内には任意の単位を入 力できます。

3. その他のパラメータを追加します。L, rad_1, tbb, wbb, mh, htc, Vtot 項目です。

[説明]を書いておきますと、他人とモデルを共有する際や見返しに便利です。

グローバル定義

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4. [ファイルに保存]ボタンをクリックし、モデルのファイル名を busbar.mphとしてくだ

さい。そして p.118「付録A --- ジオメトリ作成」へ移動してください。

このセクションはいかにしてモデルライブラリからモデルジオメトリを開くかについて記述し ます。フィジックス、スタディ、パラメータそれにジオメトリは、これから開こうとしているモ デルファイルに含まれています。

1. [ホーム]タブの[ウインドウ]グループ から[モデルライブラリ]を選択します。

ジオメトリ

| 56 2. [ モ デ ル ラ イ ブ ラ リ] ツ リ ー で

[COMSOL Multiphysics] >

[Multiphysics] の 下 の

[busbar_geom] を選択します。

モデルファイルを開く方法:

- ダブルクリック

- 右クリックし、メニューから選択 - ツリー下のボタンをクリック

このモデルファイルのジオメトリはパ ラメータ化されています。これから2,3 ステップは、試行のために 幅のパラメ ータwbbにいくつかの異なった値を設 定しましょう。

3. [グローバル定義]>[Parameters]ノー ドをクリックします。

[パラメータ]設定ウィンドウで、wbb パ ラ メ ー タ の[式]列 を ク リ ッ ク し 、

「10[cm]」と変更してください。

4. [モデルビルダ]で[Form Union]ノードをクリックし、[全て作成]ボタンをクリックし、

ジオメトリ作成に戻ります。

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5. [グラフィックス]ツールバーで[画面にわたってズーム]ボタンをクリックすると、より

幅広くバスバーが[グラフィックス]ウィンドウに表示されます。

wbb = 5cm wbb = 10cm

6. [グラフィックス]ウィンドウでジオメトリを操作します。

 バスバーを回転させるには、左クリック+ドラッグ

 移動は、右クリック+ドラッグ

 ズームイン・アウトは、中央クリック+ドラッグ

 デフォルトビューに戻すには、ツールバーの[デフォルト3Dビューへ]クリック

7. [パラメータ]テーブルに戻って [wbb]の値を「5[cm]」に戻します。

8. [モデルビルダ]で[Form Union]ノードをクリックし、[全て作成]ボタンをクリックして ジオメトリ・シーケンスへ戻ります。

9. [グラフィックス]ツールバーで[画面にわたってズーム]ボタンをクリック

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10. (まだファイル保存していない場合) メインメニューから[ファイル]>[名前をつけて保

存]を選択し、busbar.mphファイルを保存します。

ジオメトリファイルを作成または開き終わったら、次は材料を定義する番です。

(ここから先は、p.118「付録A --- ジオメトリ作成」で保存したmphを使用します)

材料ノードは、モデルノード中の全てのフィジックスとジオメトリドメインの、材料物性 を格納します。バスバーは銅でできていて、ボルトはチタンでできています。これらの材 料はどちらも、組み込み材料データベースから入手できます。

1. [モデルビルダ]で[材料]を右クリックし、[材料を追加]を選択します。デフォルトでは ウィンドウがデスクトップの右端に開きます。(ウィンドウはウィンドウタイトルをク リックすることで自由に移動でき、ドラッグして新しい場所に配置できます。マウス ボタンを放す時には、ドッキング・オプションが表示されます。)

材料

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2. [材料を追加]ウィンドウで[標準材料ラ

イブラリ]フォルダを展開し、[Copper]

へ移動します。[Copper]を右クリック し、[成分 1 に追加]を選択します。

[Copper]ノードが[モデルビルダ]に追 加されます。

3. [材料を追加]ウィンドウで、[標準材料ライブラリ]>[Titanium beta-21S]へ移動し、右 クリックして[成分1に追加]を選択します。

4. [モデルビルダ]で[Geometry1]ノードを展開し、モデルの概要を確認します。

5. [材料]>[Copper]をクリックします。

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6. [材料]設定ウィンドウで[材料コンテンツ]項目を確認します。

材料コンテンツのセクションは、モデルの材料物性の使用について、便利なフィードバッ ク機能をもっています。フィジックスから要求される物性と材料データから取得される物 性については、緑のチェックマークがつきます。フィジックスに必要な物性で、材料デー タが未入力のものは警告マークがつきます。材料データに入っているけれども、計算に不 要なものは何もマークがつきません。

上記テーブルの熱膨張係数は未使用ですが、後ほど必要になります。それはモデルに熱応 力と熱ひずみを追加した時です。

銅の物性を最初に追加したので、デフォルトでは全てのパーツに銅の材料が割り当てらレ ます。次の手順で、ボルトにチタンの物性を割り当てましょう。それはボルト部分銅の物 性割り当てを上書きします。

7. [モデルビルダ]で[Titanium beta-21S]をクリックします。

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8. [選択]リストから[全ドメイン]を選択し、リストからドメイン1をクリックします。さ

あ[ドメイン1]を削除しましょう。

ドメイン(または形状エンティティ、エッジ、点)を削除するには、

 [材料]設定ウィンドウ中の[ドメイン1]をクリックし、[選択から除去]ボタンをクリ ックします

 [グラフィックス]ウィンドウで、[ドメイン 1]をクリックし、右クリックすれば選 択リストから削除されます。

ドメイン 2, 3, 4, 5, 6 それに7が青でハイライトされます。

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9. [材料]設定ウィンドウで、チタンの[材

料コンテンツ]項目の詳細を確認して ください。

フィジックスインターフェースで使用 されている全プロパティに緑色のチェ ックマークがついていることを確認し てください。

10. 以下のいずれかの方法で[材料を追加] ウィンドウを閉じます。右上隅のアイ コンをクリックする、またはリボンの [ホーム]タブの[材料]グループにある [材料を追加]トグルボタンをクリック します。

次にフィジックスドメイン設定と、伝熱問題と電流伝導のための境界条件設定について、

詳しく見ていきましょう。

フィジックス

| 63 [モデルビルダ]で[Electric Currents]ノード、[Heat Transfer in Solids]ノード、[マルチフ ィジックス]ノードをクリックして展開します。

ノードの左肩の’D’はデフォルトノードを表します。

COMSOLが解く方程式は、設定ウィンドウの[方程式]セクションに表示されます。

デフォルトの方程式フォームは、モデルウィザードで追加したスタディから継承されます。

ジュール発熱ノードでは、COMSOLは温度と電位の方程式を表示します。

常にセクションをこのような展開されたビューで表示するために、モデルビルダ・ツール バーの[セクションを展開]ボタンをクリックし、方程式のチェックをオンにしましょう。

このオプションを選択すると、フィジックス設定ウィンドウの全ての方程式セクションを 展開します。

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