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ドキュメント内 対話からの地域保健活動 (ページ 48-85)

伺い いり

図4-1.2Fし用の手斗彗き顔グラフ

(Moliyamaら,l990b,による) 1週間後。

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A:先週の話に基づいて,さっそく手書き顔グラフをデザインし

てみました(図4-1).変化させる造作は7カ所です.パソコン顔 グラフでは唇の上下を別々に動かしましたが,手書きの場合は補助線

が重なると見にくくなりますので,唇の線は1本だけにしました.そ れぞれの造作は3段階で変化させるものとします.正常な場合は1,

異常な場合は3,正常と異常の境界あたりは2の点線をそれぞれ塗り

つぶすものとします.

表4-1.汎用顔グラフに対する検査イ直割り付けの1例

値の区分 顔の造作検査項目abc

尿蛋白 尿糖 (使用せず)

(使用せず)

罷霧髪*

血」壬最高値 F1右眉の角度

Fz左眉の角度 F3右目の位置 P4左目の位置 F5右頬の湾曲度 F6左頬の湾曲度 F7唇の湾曲度

++

++

十十一一士士 一一一,00556221

ZOO~24.9 20.0~24.9 140~159

~19.9

~19.9

~139

*体重2÷(身長)2

B:この図はまだ各造作にどんな検査値を割り付けるかは示して

いませんから,自由に割り付けをしてゆけば,いろんな検査値をこれ

で表示できそうですね.今回は,すでに考えたパソコンの顔グラフに

対応して,割り付けてみます.左右の眉の割り付けは,最初の顔グラ

フと同様で,右眉を血色素,左眉をヘマトクリットに対応させます.

唇は上下にわけて手書きにすると見にくいと考え,最高血」王値だけを 表示するようにしました.また最初の顔グラフでは,頬部は利用しま せんでしたが,手書き顔グラフでは頬部に肥満度を対応させました.

割り付けた結果をまとめて,表4-1に示します.

4伝える.z顔グラフの発展45 4.2顔グラフの評価

4.2.1顔グラフを現場で使えるか

手帯書き顔グラフはすぐに現場で使っていい方法なのだろう か.それとも,何かさらに検討が必要なのだろうか?

B:さて,この手書き顔グラフは,もう地域保健の現場で実|祭に 使用できるでしょうか.

A:先日T町の健康教室で試行したときには,そこの保健婦さん は顔グラフを喜んで下さいました.しかし誰でも喜んでくれるわけで はありません.例えば昨日ある先輩にこの顔グラフをお見せしたとこ ろ,厳粛な医療や保旨|建の現場にこんな漫画を持ち込んだら,ひんしゆ くをかうのではないか,と言われました.また別な方からは,実際に 病気になったときに,、主が滴7いと唇がまがるなどのことが起きるわ けではないから,紛らわしく,健康教育の現場を混乱させると言われ

ました.

B:実際に病気になったときの顔と,顔グラフの顔が一致しない,

という意見は,顔グラフに対する誤解から来ているようですね.顔グ ラフは,あくまでも`|青報を可視化・表示する1つの方法です.また漫 画はだめだといわれても,多項目の数値の意味をよりわかりやすく表 示する方法の1つとして,顔の採用を考えついたわけですから,そこ を理解していただきたいと`思います.しかしいずれにしても,顔グラ フを保健指導の現場に持ち込むことに関して,いろんな意見があるの は確かなようです.持ち込んで使ってみる前に,顔グラフが本当に役 に立つのかを,じっくり評価する必要がありますね.

4.2.2グ・ラフイカル手法の評価

グラフィカル手法一般の有効'1生評価は,顔グラフの場合に も使えるだろうか?

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A:顔グラフは数値のグラフ表現の1つであるとの立場に立てば,

グラフィカル手法(グラフ表現のための手法)一般についての考え方 が応用できるように思いますが,グラフィカル手法一般が役に立つか

どうかは,どうやって評価しているのですか.

B:それが実は大問題です.グラフィカル手法を発明することは 容易です.しかし,実際に役立つ手法を発明することは困難だと言わ れています.また,すでに発明された特定の手法が役立つか否かを理 解するのはさらに困難だと指摘きれています(後藤ら,1988).

A:なぜそんなに困難なことなのでしょうか?

B:グラフイカル手法の評価が困難なのは,数イ直解析による方法 と違って,評価基準が得られる厳格に開発きれた理論が存在しないこ とが指摘されています(後藤ら,1988).要するに,グラフイカル手 法は多数あるにしても,それらを評イⅢiしようとすれば,何を評価する か,その評価すべき特性を明らかにしなければなりません.しかしグ ラフイカル手法全イ本が現在急速に発展しつつある分野のために,評価 粋性についても統一した見解が得られていません.例えば,顔グラフ を発明したチャーノフ(1973)は,その論文の中で,グラフイカル手 法の特性として,①重要な現象を見出し理解する能力の増強,②l青報 の重要な点を記憶するための補助手段,③i也の人々ヘの情報の伝達,

④計算・予測の比較的正確で手軽な実行,を挙げています.また,顔 グラフは,①と②とにおいて役立つと述べています.

A:え-1,それは意外ですね.顔グラフによって健診結果を伝 達することは,③他の人々への情報の伝達,にあたるような気がしま すが,チャーノフ自身は顔グラフの特性としては,③を評価していな かったわけですか?

B:そうです.我々が地域保健活動の場面で顔グラフを評イ面しよ うとすれば,当然③を考慮するはずですが,そうした顔グラフの使い 方は,チャーノフが予想していなかったものになります.ですから,

どういう状況でグラフィカル手法を使うかによって,考慮する特性も

4伝える2顔グラフの発展47

違ってくるようです.ちなみに,後藤氏はグラフィカル手法の評価に 際して,日本人的な嗜好を活かすことを提案きれ,美しい造型,豊潤 性,創造の誘導性,大衆'性,原型の明瞭性,多様の統一,摂取不捨 開発性,臨機応変,新奇性,親切の極意,バランスの11属性を示して おられます.

4.2.3保健婦の立場からの顔グラフ評価基準

顔グラフの評価基準を外部に求めるのは難しい.それなら,

現場の状況の中に,基準を見出すことはできるだろうか?

A:それでは,グラフィカル手#去を評価するのに使える先見的な 方法は何もないということですか.

B:その場の状i兄にあわせて,試行錯誤的に考えていくしかない ように`思います.ですから,評価の基準や方法を外部に求めるのでは

なく,実際に我々が手書き顔グラフを使う場面の中に求めるべきだと

思います.

A:現場で顔グラフを使ってくださるのが》保‘|建婦さんだとしたら,

まず保健婦さんがどう考えているのかを聞くべきですね.来週保|建婦 さんの勉強会で,健康管:理と情報という題で話をすることにしていま すから,その席で顔グラフを紹介し,評価のあり方を考えてみます.

1週間後。

A:保健婦さんの集まりで,健診の結果が持つべき条件について,

自由に討論する機会を持てました.いろいろな意見が出ましたので,

個別の意見を小型のカードに書いていただき,グループKJ法(川喜 田、1986)で整理した結果,以下の意見にまとめることができました

;すなわち,①1カ所でも検査結果に異常があれば,その異常にすぐ に気がつける,②異常の程度がわかる,③全部の結果が正常であれば,

その正常さを印象づけられる,④検査結果が興味のあるものである,

⑤検査結果が親しみやすいものである,⑥倹査結果をもとに,何か行

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動を起こそうという気になる,の6点です.しかし,時間の制約があ

って,これからさらに評価のあり方について話し合うことはできませ

んでした.

B:その意見の項目に従ってゆけば,一応の評価基準をつくれそ うですね.例えば,上記の6条件をさらに評価しやすい形に言い替え れば,表4-2のようになります.評価項目が設定できたら,次の問 題は各項目をどう評価して,点数をつけてゆくかです.顔グラフは情 報を表示する1つの手段ですから,絶対的にいいか/悪いかで点数を つけるのは無理だと思います.何か別な方法と比較して,それに対し て相対的により十分なのか,より不十分なのかを判断してはどうでし

ょうか.

表4-2.保健婦の立場からみた顔グラフの評価項目

評価項目具体的な設定

異常の有無をイ主民に説明しやすい 異常の程度を住民に説明しやすい 正常であることを,住民に説明しやすい 検査結果につき,住民に興味を持ってもらえる 検査結果につき,住民と親しく話ができる 結果に基づき,イ主民に生活指導を行ないやすい 1.異常有無の説明

2.異常程度の説明 3.正常さの説明 4.興味の誘発 5.親しみの誘発 6.行動変容の誘発

A:顔グラフを考えるきっかけになったのが,検査結果が多項目 の数イ直で表わきれた場合にわかりにくい,という事実だったのですか ら,同じデータを数値で表示する場合と,顔グラフで表示する場合を 考えて,どちらの表示がより適切かで判断することにしてください.

B:それでは顔表示と数値表示とを比較して,7段階で点数をつ けることにしてみます(表4-3).

A:これで保健婦さんが顔グラフをどう受け止めてくださるかを 定量的に詔西する手懸かりができたわけですね.こうした評価基2隻に よる厳密な評イ面は,今後の課題です.しかしこれまで,何人かの保健

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