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ノッチンガム市の計画

ドキュメント内 イギリスの在宅介護を担う児童 (ページ 53-66)

‖ 和

3  ノッチンガム市の計画

この計画 は、

94年

8月にクロスロー ド (CrossrOads)に よって立案 され実施 に移 された もので ある。クロスロー ドは、在宅介護者 に一時休憩 を提供するイギ リスの主要な自主的団体(11幼のひ と つ としてその名 を良 く知 られる。

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イギリスの在宅介護を担う児童

計 画 の主 な 目的 は、介護 を担 う児童 へ のサー ビスの提供、地域 にお ける関心 の高揚、他 の地域 グルー プな ど との連携 を要す る ことにな るで あ ろ う地域 的 なニー ズの確認 、これ らの3つで あ る。

これ らの主 な 目的 は、 それ ぞれ に小 目的 とで も称 す るべ きことか ら構成 され る。主 な 目的 と小 日 的 とを ご く要約 的 に示 してお くな らば、表11の通 りで あ る。

主 な 目的

1.サ

ー ビス の提 供

(1)介

護 を担 う児 童 の確 認

υ

)経

験 を語 る児 童 へ の安 全 な環境 の提 供

(3)適

切 な情 報 と助 言 の提 供

(4)個

々 の児 童 のニ ー ズ の確 認

(5)他

の サ ー ビス提 供 者 との連 携

(6)手

数 料 基 金 の利 用

(1)専

門職 者 の力 能 の形 成

12)学

校 へ の援 助

(3)児

童 の 自己認 識 の援助

(4)多様 な教 育 機 会 の追 求 と促 進

(1)介

護 者 諸 組 織 との連 携

(2)問

題 の確 認 と整 理

2.関

心 の 高揚

3.地

域 的 ニ ー ズ の確 認

[≠罫)料│] Chris Dearden and Saul Backer,Young carers at the crossroads, an evaluation of the Nottingham Young Carars Prdect,op.cit。

p.26よ り作成。 ,

計 画 は、最初 の6カ月 (94年8月

‑95年

1月

)に 61人

の介護 を担 う児童 を確認 し、援助 の手 を差 しのべ てい る。

61人

の 中 には、少数民族 に属 す る児童 も含 まれ る。その比率 はノ ッチ ンガム 州 の人 口 に占め る少数民族 の比率 よ りもやや高 い。事務所 のあ るプ リンセス・ ローヤル トラス ト 在宅 介護 者 セ ンター

(PRTCC)は

、児童 に よるつ どいや会合 には不似合 いで あ る。介護 を担 う児 童 は、 そ うで あ る もかかわ らず個 々 にセ ンター に出向いて来 る。様 々 な活動 は、他 の場所 でや っ てい る。計 画 に参加 す るすべての児童 は、『コンタク ト』 (Contacts)と 題 す る案 内便 覧(110を受 け 取 る。 この便 覧 は、 ノ ッチ ンガム シャー州全域 に目を配 って編集 され てい る。 ノ ッチ ンガム市 を 除 く州 内の市 町村 に居住 の児童 に も送 られ る。計画 を担 う職 員 は、他 の組織 や団体 とも連携 を と りなが ら児童 の相談 にの り助 言 を与 えてい る。計 画 は、児童 を第一 に位置 づ ける。児童 のニーズ

11 

ノッチ ンガム市 における計画の 目的

は、優先的に扱われ る。 もとよ り家族 の幅広いニーズ も配慮 される。他のグループや機関 との有 益 な連携が計 られ る。児童のニーズの充足 を優先すればこそである。クロスロー ドによる週13時 間の一時休息計画 との連携 をはじめ教師の関心 を高めるための学校 との提携 な どである。手数料 の徴収 による基金 は、設置で きなかった ものの、個人や地元企業の寄付金や助成金な どを獲保 し て計画 を支 える資金の一部 に組 み入れ られている。

関心の高揚 は、計画の主な目的のひ とつである。専門職者が、その仕事 を通 して介護 を担 う児 童 を発見 し援助で きるようにす ることである。計画 を担当す る職員 は、

46人

の個人 もし くは

4人

以下のグループお よび37の大 きなグループ と会 っている (94年 8月

‑95年

10月)。 人数 にす る

と、前者で74人、後者で560人、つ ごう634人と会 い介護 を担 う児童 と計画 について話 した こと になる。学校 における啓発 は、教師 と教育福祉サー ビス

(EWS)の

担 当者 に対 してなされ る。児 童が 自らを在宅介護者 として認識で きるようにす ることも、関心の高揚 に含 まれる。介護 は、 日 常生活の一部である。 それだけに成人の在宅介護者でさえ自分 を介護者であると認識 していない 場合 も少な くない。児童 は、なおの ことであろう。他のグループや機関 との連携 は、児童のニー ズに対す る多面的な接近 を可能 にす る。

地域 的なニーズの確認 は、既存の在宅介護者 グループ との連携 を欠かすわけにはいかない。介 護者全国協議会の地域組織 な どとの連携が進 め られている。地域 での討論会 な どに出席 して介護

を担 う児童の問題 を投 げかけ、地域的なニーズの確認 を試みている。

計画 は、介護 を担 う児童 はもとより家族や専門職者 によって どのように評価 されているであろ うか。

児童 は、計画 を高 く評価 している。児童の親たち も、一人 を除いて児童の計画への参加 を肯定 的 に認 めている。児童 と親たちは、計画 について知 った当初 の感想 を次の ように述べている。「友 達のお母 さんが私 に リーフレッ トを見せ て くれ ました。私たちは、計画 を担 当す るB・ ヘ レン

(BIne Helen)に

電話 をかけました。彼女が来て くれて計画 についてかいつ まんで話 して くれ ました。それか らB・ヘ レンとマク ドナル ドヘ行 き、その後センターにある事務所 に行 きました。

彼女 は リーフレッ トを渡 して くれ ました。 リーフレッ トにはやってみたい と思 っていた ことが生 きいきと描かれていました(110」 (14歳)。「私 は、計画 について担当のB・ヘ レンと話 しをしてい ます。……私が事務所 に電話 をす るとB・ ヘ ンンが出て、家に来て くれました。息子の ミシェル (Michael)の ことでつなが りがで きたのですが、彼女 は、今では家族の子供全員の相手 をして く れ ます。……私 は、 とて もいい考 えの計画であると思 っています」(被介護者、年齢 は不明)。

介護 を担 う児童の殆 どは、計画 にそった旅行 とピクニ ックに参加 して、愉快 に楽 しんでいる。

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イギ リスの在宅介護 を担 う児童

旅行 は、幾人かの児童 に とっては計画の中で も最 も重要な催 しである。多 くの児童 は、計画 に参 加す ることな しには旅行 もピクニ ック も体験 しなかったであろう、と思 っている。「・…・・私の母 は、

そんなにお金 を持 っていません。学校で企画す る旅行 は、60ポン ドもかか ります。大 きなお金で す。アイススケー トな どに出か けることな ら構わない と思います。で も、週末 に旅行 に出かける ほ どのお金 を用意で きません。私 は、おそらく参加で きない と思います。計画 による旅行 は、週 末 に行われ ましたが、お金 もそんなにかか りませんで した(11り」(13歳)。「私たちは、前 にアイス スケー トに行 った ことがあ ります。私たちは、ダー ビーシャー州 (Derbyshire)に行 きました。

とて もいい旅行で した」 (14歳)。 これ らの旅行 は、前 もって良 く計画 された ことか ら、児童の参 加 と介護の代替 も容易 に進 んでいる。参加費が割安であった ことも、 さきの発言か らうかが える

ように児童の参加 を促 した要因である。

児童 の多 くは、誰れか と話 して心配や恐れ を分かちあう機会 を高 く評価す る。幾人かの親たち も、我が子たちには家族以外の誰れかを必要 にす ると感 じ取 つている。計画の用意す る機会 は、

好評である。「家 にむづか しい ことがあった時 に、誰れか と話 します。そうす るより他 には、私の ことを理解 して くれないのです(110」 (19歳)。「誰れか と話すのはヾ とて もいい ことです。私 は、

B・ヘ レンと話 します。彼女 は、私 にとって とて も大切です。」 (11歳)。「娘 は、何か話 したい こ とがあるとB・ ヘ レンに話 します。母親である私や家族 に話すわけにいかない問題や欲求不満 に ついて、 B・ ヘ レンに聞いて もらうのだ と思います」(被介護者、年齢 は不明)。

BOヘ

レンが、

息子 自身の ことについて息子 と話すためにマク ドナル ドヘ誘 ったのだ と思います。 とて もいい事 だ と思い ます」(被介護者、年齢 は不明)。

介護 を担 う他の児童 との接触 は、同 じ経験 をわかち合 うことによって一人ではない ことを実感 させて くれ る。幾人かの親たち も、似通 った経験 をしている児童たち との交流 を肯定的 に評価 し ている。「私 は、同 じことを手が ける人たち と話 し合い ます。学校で私の友だち と話すの とは、ち がい ます。級友 は、私が家でやっていることをわかって くれ ません。介護 を担 う児童 は、 よ く理 解 して くれ ます(11つ」(14歳)。「介護 を担 う他の児童 との接触 は、様々な障害 について理解す るの を助 けて くれ ます。……私 は、私 よりも厳 しい境遇 にある人々の ことについて今 まで考 えて もみ ませんで した。障害 を持 つ両親 を抱 えた友人 に会 った時、私 は、私 よりもっ と切 ない状況 にある 同世代 の人たちの ことについてはじめて想 いをめ ぐらせ ました。 これ らの人たちは、私 とは比べ ようもない程 むづか しい状況 にあ ります。……接触 の機会 に参加す ることがで きて感謝 していま す」(13歳)。「 あなたは、他の人か ら名前 を呼ばれて も不愉快ではないで しょう。あなたは、あな た と同 じ類 の問題 に直面す る人々 と一緒 に居 るのです」(14歳)。「息子 は、わかつて くれ ると思い

ます。てんかんにかかっているのは、 自分の母だけでないことを。社会サー ビスは、てんかんや 様々な疾病の親 を看 るわが子 ジャック (Jack)の ような児童 に手 をさしのべていません。援助 は、

介護 を担 う児童のための計画の ような慈善 を通 して行われるのです」(被介護者、年齢 は不明)。

計画 は、介護 を担 う児童 を第一 に位置づけるとともに被介護者 を含む家族全体への配慮 も忘れ ていない。計画 は、被介護者 を含む家族 にどのような効果 をもた らしているであろうか。被介護 者 自身 に聞いてみよう。「私 は、計画 についてすっか り満足 しています。……私の力で解決で きな い問題 に出 くわ した時、ちゅうち ょすることな くB・ ヘ レンに連絡 します。すると、彼女 は、息 子のジャックと一緒 に私 を助 けて くれ ます。10」(被介護者、年齢 は不明)。「・・…・計画は、私では子 供 に してやれない ことをやって くれ ます。ですか ら、私 は、すば らしい計画だ と思っています。

すべてB・ ヘ レンのお陰です。 それだけではあ りません。彼女 は週末にわが家 にやって来て介護 に当る人 を私のために手配 して くれています」(被介護者、年齢 は不明)。

介護 を担 う児童 と被介護者 は、計画 を積極的に評価す るだ けに、「計画がなかった場合 を想定す るとどのような感想 を持 ちますか」 と尋ね られ ると、「 こまってしまう」「 とて も不安 になる」な どの回答 を寄せ る。「計画がない状態ですか。とて もこまります。子供だけでな く私 もこまります。

息子 のジャックは、休 日を取れな くな ります。介護 を担 う児童のための旅行 も企画 されない とす ると、彼 は、旅行 にも行 けません」(被介護者、年齢 は不明)。「私 は、計画がない となるととて も 不安です。子供 は、接触の機会 を失い ます。一人 ぼっちになって孤独感 にさいなまれ ます。 B・

ヘ レンが対応 してうまくいっていた問題が、また、頭 をもたげるで しょう。援助 を要する児童は、

次の年 には今の倍、いや

3倍

にも増 えるで しょう。……」(被介護者、年齢 は不明)。「計画がな く なると、私 は外出で きな くなると思い ます。私 は、母 のかげんが良 くない日で も計画によって旅 行 に出か けた りす ることがで きます。 ポール (Paul)が 代わ りに家 に居て くれ るか らです。私 は、

計画がない と家 に居なければな りません。介護 を担 う児童 は、いつ も家に居なければな りません か ら精神的にまいって しまってイライラした状態に陥入 ります」(14歳)。「計画がない と寂 し くな ります。私 は、外 に出 られな くな ります。介護 についての不満 を聞いて もらえな くな ります」(13)。

計画 には、 ソーシャル ワーカーや看護婦な どの専門職者 も参加 している。専門職者 は、 どのよ うにして計画 を知 り、 どのように計画 を評価 しているであろうか。

専門職者 は、同 じ機関の同僚や他の組織 に勤 める仲間 な どか らの 回込 み を含 む様々な方法 に よつて計画 について学び取 っている。た とえばソーシャルワーカーや保健訪問員 は、勤務先の集 いに参カロして、 B・ ヘ レンの話 しを聞 き計画 について学んでいる。あるいは、教師は、小冊子 を

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