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ネットワーク座標系, VPE および VDR の効果

第 4 章 実験

4.3 EPSR 各部の評価

4.3.2 ネットワーク座標系, VPE および VDR の効果

EPSRが需要発生地域の特定に利用している要素技術の効果を確認するために,

EPSRを5つの異なる設定条件下でシミュレーションを行った.シミュレーション ではホップ数とRTTの計測を行った.需要発生地域の特定に利用している要素技術 とは,ネットワーク座標系,Virtual Path Expanding (VPE),Virtual Demand Rasing

(VDR)の3つである.用意した設定条件は次の通りである.

all-off: 上記3つの要素技術を全て無効にしたもの.

GNP:ネットワーク座標系によるオーバレイネットワークの構築を有効にし たもの.

VPE & GNP: GNPに加えて,VPEを有効にしたもの.

VDR & GNP: GNPに加えて,VDRを有効にしたもの.

all-on: 上記3つの要素技術を全て有効にしたもの.

表4.4: ネットワーク座標系,VPEおよびVDRの効果の評価で使用した各種パラ メータ.

サービス数 1

クライアントの選択間隔 500ミリ秒 スライディングウィンドウのサイズ 300秒分

APC degreeの確認間隔 60秒

マーカとなる閾値upper 200 マーカから戻る閾値lower 150

本節のシミュレーションでは,TSデータセットを用い,500ミリ秒ごとにランダ ムに選択した終端ノードからクライアントのリクエストを送信した.

シミュレーションで使用したパラメータを表4.4に示す.提供しているサービス の数は1とした.APC degreeを管理するスライディングウィンドウは300秒分と し,各ホスティングマシンは60秒間隔でAPC degreeを確認するように設定した.

マーカとなる閾値 upperは200,マーカから一般のホスティングマシンに戻る閾 値lowerは150とした.

図4.18は各条件下でのホップ数とRTTの分布を示す累積頻度グラフである.ホッ プ数においては条件all-offが条件GNPおよび条件VDR & GNPよりも90パーセ ンタイル値で小さい値を示しているが,RTTにおいては条件all-offは他のすべて の条件よりも大きい値となった.このような結果となる主原因は,条件all-offで は物理ネットワーク上での位置関係がオーバレイネットワーク上で考慮されてい ないことにある.条件 all-offではCANのオーバレイネットワーク構築にネット ワーク座標系を使用していない.このため,CAN上で隣接するホスティングマシ ンが物理ネットワーク上では遠方にあることがある.これよりホップ数は小さいが RTTが大きくなるようなホスティングマシンが存在することになる.一方でネッ トワーク座標系を用いた場合,構築したオーバレイネットワーク上の位置関係が 物理ネットワーク上での RTTの大小関係を反映する.このことから条件GNPの RTTの分布は条件all-offよりも良い値を示す.

条件VPE & GNPは条件GNPよりもホップ数およびRTTが小さくなった.一

方で条件VDR & GNPは条件GNPのそれとほとんど変わらない結果であった.こ

れはVDRがVPEによる効果を促進するものであるためである.EPSRではVPE

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

0 5 10 15 20 25 30

Cumulative probability

No. of hops

all-off GNP VDR & GNP VPE & GNP all-on

(a)ホップ数

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000

Cumulative probability

RTT [msec]

all-off GNP VDR & GNP VPE & GNP all-on

(b) RTT

図4.18: VPE,VDRおよびGNPの効果.

がクライアントのアクセス経路の検知を容易にし,そしてVDRがマーカを設定す べき方向の特定を容易にする.これらの特性から,VDRと VPEを組み合わせる

表4.5: Dummy QueryおよびDummy Connectionの効果の評価で使用した各種パ ラメータ.

サービス数 8

クライアントの選択間隔 500ミリ秒 スライディングウィンドウのサイズ 300秒分

APC degreeの確認間隔 30秒

マーカとなる閾値upper 300 マーカから戻る閾値lower 150

ホスティングマシンの性能制約 同時接続数50以下

ことでマーカ決定の精度がより高まる.条件 all-onでは3つ全ての技術が有効と なり,クライアントとのホップ数やRTTが条件VPE & GNPと比較してさらに減 少した.