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ローパスフィルター有の提案実験結果

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3. 結果 32

3.2 ローパスフィルター有の提案実験結果

カットオフ周波数を202.8Hz∼11.7Hzまで変化させたローパスフィルターを画 像に適用し,その画像を学習させ,基底関数を得た(図17∼21).これら全ての図 で白黒ガボール型(白枠)と二重反対色ガボール型(赤枠,青枠)の基底関数が確認 できた.本研究では,一重反対色同心円型と二重反対色同心円型を新規に扱うた め,図17∼21における一重反対色同心円型と二重反対色同心円型の出現の有無を 説明する.

始めに,二重反対色同心円型に関して調べた.図17AとBは,カットオフ周波

数が202.8Hzのローパスフィルターを適用する前後の画像の一例である.図17A

と比べBはローパスフィルターにより高い周波数成分は除かれているが,原画像 の情報はまだ保持しており,鳥を認識することができる.この画像を学習した基 底関数には円形の基底関数を確認できなかった(図17C,D).

図18AとBは,カットオフ周波数が101.4Hzのローパスフィルターを適用す る前後の画像の一例である.図17Bと比べ,図18Bは線が荒くなっている.この 画像を学習した基底関数には,中心にある青色の興奮性の周囲を黄色の興奮性が

覆い(図18C),中心にある黄色の抑制性の周囲を青色の抑制性が覆うものがあっ

た(図18D).つまりこの基底関数では青黄型二重反対色同心円型の受容野特性を

持っていた.

図19AとBは,カットオフ周波数が50.7Hzのローパスフィルターを適用する 前後の画像の一例である.図19Bは,図18Bと比べて,輪郭がぼやけ細かな模様 が消えている.この画像を学習した基底関数に,赤緑型(緑枠)と青黄型(黄枠)の 二重反対色同心円型が存在した(図19C,D).これらの基底関数は,これまで確 認されていなかった(図8,10,16∼18),

図20AとBは,カットオフ周波数が35.1Hzのローパスフィルターを適用する 前後の画像の一例である.図20Bは,図19Bと比べて,輪郭がかなりぼやけてい る.この画像を学習した基底関数にも赤緑型(緑枠),青黄型(黄枠)の二重反対色 同心円型が存在した(図20C,D).

図21AとBは,カットオフ周波数が11.7Hzのローパスフィルターを適用する 前後の画像の一例である.図20Bと比べ図21Bは,ローパスフィルターにより,

低い周波数成分のみで構成された画像は,原画像の情報をほとんど失い,鳥を認 識することが困難である.この画像を学習した基底関数は,単色の線が隣り合う

もの(茶枠),線が隣り合わず直交するもの(紫枠),全体が黒色のもの(ピンク枠)

等で,どれも初期視覚野の受容野を再現できていなかった(図21C,D).この結 果は,カットオフ周波数を減らし過ぎると,基底関数が初期視覚野の受容野特性 を再現できないことを示す.

これまでの結果で,一重反対色同心円型の基底関数は一度も確認できなかった

(図17∼21).その理由は4.1節で考察する.確認できた二重反対色同心円型の出現

は,これまでの計算理論研究では示されていなかった,二重反対色同心円型の冗 長度圧縮原理による形成を支持する結果である.二重反対色同心円型の色対は,

赤緑型,青黄型であり,初期視覚野の生物学実験結果と一致していた.

A

B

C

+

-図16 周波数をカットしなかったときの基底関数.(A)原画像とローパスフィル ター後の画像.(B)正の値を持つ領域だけを示した基底関数.(C)負の値を持つ領 域だけを示した基底関数.白枠は白黒ガボール型,赤枠は赤緑型二重反対色ガボー ル型,青枠は青黄型二重反対色ガボール型の受容野とみなした基底関数を示す.

A

B

C

+

-D

図17 カットオフ周波数を202.8Hzにしたときの基底関数.(A)∼(C)の説明は図 16と同様である.結果の中には同心円型は含まれない.

A

B

C

+

-D

図18 カットオフ周波数を101.4Hzにしたときの基底関数.(A)∼(C)の説明は図 16と同様である.図19における二重反対色同心円型の受容野と比べ,線分に近 い形となっている.

A B

C

D

図19 カットオフ周波数を50.7Hzにしたときの基底関数.(A)∼(C)の説明は図16 と同様である.緑枠は赤緑型二重反対色同心円型,黄枠は青黄型二重反対色同心 円型の受容野とみなした基底関数を示す.

A B

C

D

図20 カットオフ周波数を35.1Hzにしたときの基底関数.(A)∼(C)の説明は図16 と同様である.

A B

C +

D

-図21 カットオフ周波数を11.7Hzにしたときの基底関数.(A)∼(C)の説明は図16 と同様である.基底関数の中には単色の線が隣り合うもの(茶枠),線が隣り合わ ず直交するもの(紫枠),全体が黒色のもの(ピンク枠)等があり,初期視覚野の受 容野特性を再現できていない.

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